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第二章 蒔田悠斗のポエムから抜粋①
第十九話 ああ、初恋よ。君はどうして甘くて酸っぱくて苦いの?
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「ぐぬぅっ……!」
口を塞がれ、うまく声が出ない。
目の前の真奈は蹴りを繰り出し、俺を救おうとするが、敵の左手をかすめただけだった。
真奈の後ろからは、茶髪の女性が迫ってきている。しかし俺は口も塞がれていて、身体の動きも封じられて動けないので、警告もできない。
そのまま為す術もなく、真奈は棒状のもので頭を打たれ、気を失った……。
「とりあえず目隠ししなよぉ」
と、真奈を殴った女性が言う。
「そうですね」
耳元でそんな声が聞こえた。女の子だろうか。少し高い声だ。
そうしてすぐにハチマキのようなもので視界を奪われてしまった。おそらくあの茶髪の女性は、脅迫状を落とした女性と同じ人で間違いない。髪色や背格好がそっくりだ。……しかし、なんだろうか、この違和感は。どこかで聞いたことのある声のような気がした。
「ぐっぞぐっ……! ばざぜぇ……!」
「はいはい。悠斗くんはちょーっと黙ってようねぇ」
──ドムッ
溝落ちにじんわりと熱さが広がっていく。
「かっゔっ……」
後方の人からの拘束が解け、俺はそのまま地面に倒れ込む。
「……! どうしたの?!」
「す、すみません……。なんか体に力が入らなくて……」
……?
どうやら俺の拘束が解けたのは、わざとじゃないらしいな。何かあったっぽいぞ。
でも、その前に俺自身もボディに打ち込まれた一発のせいで何もできない。
「……なるほど、仕込みに毒が塗ってあったのか。やるねぇ」
「ど、どうすれば……!」
「大丈夫、ちょっと待っててね」
なにやらゴソゴソやっているようだが、何をしているのかは分からない。痛みも治まってきたので、ワンチャン逃げられるんじゃないか、これは。
大丈夫、まだ音がしている。
今なら……!
──ガンッ!
頭が揺れた気がした。
走り出そうとしたのだが、そのまま前にズッコケる。目隠ししたままなので、何が起こったのかさっぱり分からない。
そしてそのままさらにおでこに強い痛みを感じて……。気を、失った……。
口を塞がれ、うまく声が出ない。
目の前の真奈は蹴りを繰り出し、俺を救おうとするが、敵の左手をかすめただけだった。
真奈の後ろからは、茶髪の女性が迫ってきている。しかし俺は口も塞がれていて、身体の動きも封じられて動けないので、警告もできない。
そのまま為す術もなく、真奈は棒状のもので頭を打たれ、気を失った……。
「とりあえず目隠ししなよぉ」
と、真奈を殴った女性が言う。
「そうですね」
耳元でそんな声が聞こえた。女の子だろうか。少し高い声だ。
そうしてすぐにハチマキのようなもので視界を奪われてしまった。おそらくあの茶髪の女性は、脅迫状を落とした女性と同じ人で間違いない。髪色や背格好がそっくりだ。……しかし、なんだろうか、この違和感は。どこかで聞いたことのある声のような気がした。
「ぐっぞぐっ……! ばざぜぇ……!」
「はいはい。悠斗くんはちょーっと黙ってようねぇ」
──ドムッ
溝落ちにじんわりと熱さが広がっていく。
「かっゔっ……」
後方の人からの拘束が解け、俺はそのまま地面に倒れ込む。
「……! どうしたの?!」
「す、すみません……。なんか体に力が入らなくて……」
……?
どうやら俺の拘束が解けたのは、わざとじゃないらしいな。何かあったっぽいぞ。
でも、その前に俺自身もボディに打ち込まれた一発のせいで何もできない。
「……なるほど、仕込みに毒が塗ってあったのか。やるねぇ」
「ど、どうすれば……!」
「大丈夫、ちょっと待っててね」
なにやらゴソゴソやっているようだが、何をしているのかは分からない。痛みも治まってきたので、ワンチャン逃げられるんじゃないか、これは。
大丈夫、まだ音がしている。
今なら……!
──ガンッ!
頭が揺れた気がした。
走り出そうとしたのだが、そのまま前にズッコケる。目隠ししたままなので、何が起こったのかさっぱり分からない。
そしてそのままさらにおでこに強い痛みを感じて……。気を、失った……。
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