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18(攻視点)
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真奈美が妊娠した。
「嬉しい。これで私達本当の家族になれる。あなたのおかげよ。」
「これで、僕も幸せになれる。」
初めて産院に行った日、俺も真奈美も幸せの絶頂だった。
何もかもが計画通りに進んでいると思っていた。
▲
大学に入ると俺は初めて挫折を味わうことになった。
私学の雄と呼ばれるその大学に俺は地方の公立高校から進学した。小さい頃からなんとなくでクラスのトップにいた。誰しもが中流家庭の出身で家庭環境を引け目に思ったこともなかった。
でもこの大学は違った。初等部出身者を中心とした明確なヒエラルキーが存在し俺はせいぜい中の下の存在だった。
それを引き上げてくれたのが真奈美と樹の二人だった。富裕層の多い初等部出身者の中でも二人の実家は家柄、経済力ともに抜きん出ていた。
当時、俺はほそぼそと、メッセージアプリのスタンプを作ったり時事ネタを元にしたミニゲームを作ったりして小遣い稼ぎをしていた。
「ねぇ君、アプリ作ったりしてるんだって聞いたけど本当?」
にこにこと邪気のない笑顔で声をかけてきたのが樹だった。
サークルのミーティングや飲み会の調整をするアプリを作りたいという。樹は見栄や虚栄、上昇志向や嫉妬というものに全く無縁の男だった。純粋に自分のやりたいことをやるただそれだけだった。俺は樹とのアプリ開発にのめり込んでいった。
俺たちの作った日程調整のアプリは仲間内で評判になって徐々に利用者を増やしていった。
そこに樹の幼馴染で恋人だった真奈美が加わった。真奈美もただのお嬢様じゃない。金勘定に無関心だった俺たちに変わってアプリ開発を事業化して法人を起こした。
その頃から俺は周囲からも一目おかれまわりに人が集まるようになった。
「ねぇ私省吾くんのこと好きになっちゃった。」
押されるままに告白してきた女と付き合った。それなのにいざという時になると全くその気になれなかった。
そうこうするうちに女とはなんとなく自然消滅する。そんなことが何度か続くと『アイツはゲイだ』と噂されるようになった。
そう言われて初めて自分の性的指向について考えるようになった。そうなると親しくしていた連中の下世話な視線が辛くて仕方なくなった。そんなときでも二人は全く変わらなかった。
性的指向を自認すると、俺はその手の出合いの場に足を運んでは一夜限りの関係を求めるようになった。
相手をとっかえひっかえする俺を心配した二人はことある毎に俺を窘めた。性的指向はどうあれ誠実であるべきだと。刹那的な関係はいつか自分を傷つけることになると。
卒業を控えた頃には俺達の会社は業界でも注目される存在になっていた。
真奈美の薬指には樹が贈った指輪がきらりと輝いていた。樹が自分で稼いだ金で買ったというその指輪は高いものではなかったけど真奈美は心底嬉しそうだった。
卒業したら結婚するであろう二人を俺は眩しく見ていた。自分には望めない愛し愛される関係にある二人を。
「嬉しい。これで私達本当の家族になれる。あなたのおかげよ。」
「これで、僕も幸せになれる。」
初めて産院に行った日、俺も真奈美も幸せの絶頂だった。
何もかもが計画通りに進んでいると思っていた。
▲
大学に入ると俺は初めて挫折を味わうことになった。
私学の雄と呼ばれるその大学に俺は地方の公立高校から進学した。小さい頃からなんとなくでクラスのトップにいた。誰しもが中流家庭の出身で家庭環境を引け目に思ったこともなかった。
でもこの大学は違った。初等部出身者を中心とした明確なヒエラルキーが存在し俺はせいぜい中の下の存在だった。
それを引き上げてくれたのが真奈美と樹の二人だった。富裕層の多い初等部出身者の中でも二人の実家は家柄、経済力ともに抜きん出ていた。
当時、俺はほそぼそと、メッセージアプリのスタンプを作ったり時事ネタを元にしたミニゲームを作ったりして小遣い稼ぎをしていた。
「ねぇ君、アプリ作ったりしてるんだって聞いたけど本当?」
にこにこと邪気のない笑顔で声をかけてきたのが樹だった。
サークルのミーティングや飲み会の調整をするアプリを作りたいという。樹は見栄や虚栄、上昇志向や嫉妬というものに全く無縁の男だった。純粋に自分のやりたいことをやるただそれだけだった。俺は樹とのアプリ開発にのめり込んでいった。
俺たちの作った日程調整のアプリは仲間内で評判になって徐々に利用者を増やしていった。
そこに樹の幼馴染で恋人だった真奈美が加わった。真奈美もただのお嬢様じゃない。金勘定に無関心だった俺たちに変わってアプリ開発を事業化して法人を起こした。
その頃から俺は周囲からも一目おかれまわりに人が集まるようになった。
「ねぇ私省吾くんのこと好きになっちゃった。」
押されるままに告白してきた女と付き合った。それなのにいざという時になると全くその気になれなかった。
そうこうするうちに女とはなんとなく自然消滅する。そんなことが何度か続くと『アイツはゲイだ』と噂されるようになった。
そう言われて初めて自分の性的指向について考えるようになった。そうなると親しくしていた連中の下世話な視線が辛くて仕方なくなった。そんなときでも二人は全く変わらなかった。
性的指向を自認すると、俺はその手の出合いの場に足を運んでは一夜限りの関係を求めるようになった。
相手をとっかえひっかえする俺を心配した二人はことある毎に俺を窘めた。性的指向はどうあれ誠実であるべきだと。刹那的な関係はいつか自分を傷つけることになると。
卒業を控えた頃には俺達の会社は業界でも注目される存在になっていた。
真奈美の薬指には樹が贈った指輪がきらりと輝いていた。樹が自分で稼いだ金で買ったというその指輪は高いものではなかったけど真奈美は心底嬉しそうだった。
卒業したら結婚するであろう二人を俺は眩しく見ていた。自分には望めない愛し愛される関係にある二人を。
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