君のすべては僕のもの

ぽんち。

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第一章(高一春)

5:憂鬱

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 ーなんでこの前のα運命の番が、目の前にいるんだー


 自分の今置かれている状況が、全く飲み込めない。僕ってこんなにお馬鹿だったかな…?

 本に集中してて、なんか甘い林檎の香りがすると思ったら、いつの間にか目の前に座ってたんだよな。ほんといつからいたんだろう。
 視線が痛い。こういう時ってなんか話しかけるべきなのかな??


「あ、あの…。」
「なんだ??」
「何か用事…ですか??」
「………………」


 え、何その間。いらないこと聞くんじゃなかった。ん?なんか、顔赤い?気のせいか??


「と、友達になりたいんだが、駄目だろうか?」

 ーえ?

「友達!?」


 (ガタッ)
 驚きのあまり、図書館で大きな音を立てて立ち上がってしまった。

「だ、大丈夫か??」
「うん、少し驚いただけ、です。」

 友達か~…。この前、目の前でヒートになったから、少し顔合わせずらかったんだけど…。
まあ、友達なら良いか!


「いいですよ。」
「っ………!ほんとか!」
「はい!(笑)」
「っ……!!!」


 隠れてガッツポーズしてる(笑)僕なんかと友達になれて、そんなに嬉しいのかな?そういう風に思ってもらえることが、なんだか少し嬉しい。


「クスッ」
「久城は、笑った顔が1番いいな」
「え!?今、僕笑って……。て待て、なんで名前知ってるんですか!」
「お前首席だし、代表挨拶したじゃん。」


 (あの時から、興味持ってたんだ。なんかちょっと恥ずかしい。)

「じゃあ、僕にも貴方の名前教えてください。」
「知ってると思ってたけど、知らなかったんだな。ふーん。俺は、秦同 博樹。同じ1年だから、敬語じゃなくていいよ。」

(その身長で、同い年…。信じられない。軽く180は超えてるだろうな。恨めしい…)


「って、え!?し、秦同??あの四大名家の?」
「そうそう、その秦同だよ(笑)知ってると思ってた。」
「名前は知ってたけど、姿は見たこと無かったから、気が付かなかった。」
「ふーん。とりあえず、今日からよろしく!久城!」
「ああ。よろしく秦同。」
「今度、俺の友達も紹介するよ!」
「そのお友達って、まさか名家の人じゃないよね?」
「?そうだけど?」
 

(なんか、当然だろ?みたいな顔してるけど、
Ωの僕と名家のαって身分が違いすぎて、気後れするんですけどー!!!!!!なんて不敬罪で訴えられたくないから、本人には言えない。)


「た、楽しみにしてるよ。秦同。」
「おう!」


 笑顔ひきつる~…。頑張れ、僕の表情筋。明日から、表情筋も鍛えようかな。平穏な時間にする予定だったのに。やっぱり家が一番かな。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





「ただいま帰りました。」
「ゆず君おかえり!今日遅かったけど、何かあったの??」
「図書館で勉強してただけだよ。叔母さま。」
「あまり今詰めすぎると良くないわよ。」
「無理はしてないから、大丈夫!それより夜ご飯何時から?」
「今日は、早めにできるから。着替えたら降りてらっしゃい。」
「分かった。」


 やっと帰ってこれた~。あの後、秦同から質問攻めを受けたんだよな。

 秦同のあの紅い目、綺麗だったな。
それに、あの林檎の香り、秦同のフェロモンかな。認めたくないけど、いい匂いだったっっ。
 やっぱり、そこは運命なんだな。
 いつかは、αと番にならないといけないって分かってるけど


「名家のαと番なんて、見世物確定だな。」



 ー名家のαが、蒼い瞳のΩを手に入れたー



(そう見世物になるのが、オチだよな。僕には、目標がある。それを達成するまでは、番を作って縛られるわけにはいかない。)



「………。とりあえず、保留かな。」



 名家は、家業が忙しくて、学園にあんま来ないって聞いたことあるし、しばらくは平和になるだろう。
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