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第14話 狼を追う小鳥⑤
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ティアの気まぐれから始まった彼とシュネーのこの旅もいよいよ終わりを迎えようとしている頃、どこまでも続くように思えた森も次第にその姿を消し、二人は商人や旅行者らしき人々も往来する街道をひた歩いていた。
その道は大都会のようにしっかりと舗装された綺麗な道ではなく、馬車や人が歩くことで踏み均されただけの田舎道であったが、シュネーにとっては宮殿の床の様な踏み心地であった。膝まで伸びる雑草も無ければ、拳ほどの石も転がっていないし、縦横無尽に飛び出す木の根っこもここにはない。
それに、ここ数日会うのは野生動物ばかりであったが、もはや懐かしさも感じる人の姿を横目に眺めながら、シュネーは森で装着していた装備のままティアの後を軽い足取りで付いて行く。
しばらく歩いた後、そろそろ日も暮れ始めた頃合で名前は知らないが確実に文明はあると思われる田舎町の灯りが見えてきた。その灯りに誘われるようにふらふらと歩みを進めるシュネーであったが、そんな彼女をひょいっと摘まみ上げてティアは彼女の行動を阻止した。
「おい、何処に行く気だ?」
「え、だって、あそこに町が見えているじゃないですか?」
これまで泥と汗と雨で塗れた野性的な生活を送ってきたシュネーだが、彼女だって立派な人間である。熱々の料理を頬張って、大きな湯船に浸かり、ふかふかのベッドでごろんと横になりたいとまでは言わないにしても、もうそろそろ屋根のある平らな場所で寝たい欲求が高まってきていた。
「今日も野宿に決まっているだろ」
「……え」
「ん?」
目の前に餌があるのに待てと言いつけられた犬の様な気持ちで、思わずティアの決断に反論不満を漏らしかけたシュネーだったが、彼女は急いでその口を両手で覆った。
「今、俺の考えに反対したか?」
口元を抑えたまま、シュネーは首をブンブンと力強く横に振る。
「じゃあ、今日も野宿で良いよな」
口元を抑えたまま、シュネーは首をブンブンと力強く縦に振る。
「なら返事は?」
「……はい」
「じゃあ、準備に取り掛かれ」
「はい」
見るからにがっくりと肩を落として落ち込むシュネーであったが、今まで森で暮らしてきたおかげかそんな状態でもそつなく野営の準備を終えた。それに、今までは暗い森の中でティアと馬、たまに野生動物しか居なかったが、流石に町の近くともなると金が無い旅人の多くがシュネーたちと同じように野営を行っており、彼女は今までに感じたことのない人の温かさを肌で感じていた。
すれ違うだけで軽く挨拶をする。耳を澄ませば子どもたちが遊ぶ声がする。どこかの家からほのかに料理の匂いが香ってくる。こんな状況にならなければ気にもしなかった小さな幸福たちを感じ、決してこうなった過去に感謝するわけではなかったが、しかしシュネーは自分の人生に対して卑屈にならないでいられた。
「…髪、伸びたな」
「へ?」
そんな周りから聞こえる人々の生活音に耳を傾けながら、今日も今日とて味っ気ない保存食を齧りながら火を囲んでいると、不意にティアがそう呟いた。
「あ、確かに結構伸びたかもしれないです」
これまでシュネーは髪の手入れは姉か母に頼りっきりで、自分自身はあまり関心がなかった。伸びたら伸びたで纏めればいいと思っていたが、放って置いた髪は下ろせば彼女の肩を超える程にまで伸びていた。
「髪、切ってやるからこっちに来い」
「あ、いや大丈夫ですよ。纏めておけば邪魔にならないですし」
「……今の反論は聞かなかったことにしてやる。こっちに来い」
「あ、はい…」
思わずティアの提案を断ってしまっていたことに気付くと、シュネーは焦る思いで彼の下へと駆けた。彼女は恐る恐るティアの顔色を伺ったが特に気にしている様子はなく、彼は慣れた手つきで櫛や鋏を取り出すと迷いなくシュネーの髪を切り始めた。
「………」
櫛が撫でる音。鋏が閉じる音。耳元でそんなこそばゆい音が鳴るたびに、シュネーの髪が断片となって落ちて行く。しばらく二人の間に無言が続き、櫛と鋏の音だけが鳴り続けたが、不意にシュネーが呟くように口を開いた。
「すいませんでした。別に髪を切られるのが嫌ってわけじゃなかったんです」
「…そうか」
「ただ、いつもお姉ちゃんやお母さんに髪を切ったり結ったりしてもらっていたので…何だか……その、不思議で」
「…そうか」
ティアはシュネーの後ろに立っているので、彼女の表情をはっきりとは見ることは出来なかった。だが、そんなティアにも今シュネーがどんな表情でいるかなど、人狼の力を使わなくとも容易に予測できた。
シュネーは泣いていた。家族のことを思い出して、彼女の眼の縁から一本の涙の筋がスッと伸びていた。髪の欠片が落ちる度に、家族の思い出が一つまた一つとまた零れて行くようで。髪を伸ばしていれば、いつかふらっと姉や母が現れて自分の髪を撫でてくれるのではないか。そう思っていたが、そんなことなどありはしないとティアの持つ鋏の音が彼女を現実に引き戻していった。
「シュネー、忘れるなお前はまだ生きているんだ」
「…はい」
「生きているから髪も伸びるし腹も減る。人狼と戦うつもりなら、常に万全の状態でいろ」
「…はい」
「心配するな、家族との絆は心にあるんだ。こんなことで消えはしない。お前が忘れない限り、家族はそこにいることを忘れるな。お前が死んだ時が、本当に家族が死んだ時だと思って、最後の最後まで必死に生きろ。死者に託された思いなんて、それ以外に背負える方法なんてないんだよ」
「ありがとうございます。師匠〈マスター〉」
そして、鋏が一際大きな音を立ててその刃を閉じた。
その音を聞いた途端、シュネーの胸の内で彼女を縛り付けていたものがばっさりと切れた気がした。髪など大した重さも有りはしないはずなのに、シュネーの頭は以前にもまして軽くなった。そんな気がした。
「どうだ。綺麗に出来たろ?」
「……?」
だが、そう自慢げに言いながらティアは手鏡をシュネーの前に持って来てくれたが、そこには見知らぬ少年が移り込んでいた。鏡は自分を映すものなのに、そこに自分はいない。しばらく不思議に思いながらも、上下左右に顔を動かしてシュネーはようやく理解したが、その見知らぬ少年こそ今の自分なのだと。
「短くていい。髪は短い方が衛生的だ」
「……く、くく」
「あん?」
「くくくく……あはははははっ!!!」
自分の有様を理解した上で、シュネーは声高らかに笑った。薄暗い空に響く彼女の笑い声。その声に周りに居た人たちも気になって様子を見に来るが、彼女はそれでも笑い続けた。これが今の自分なのだと。親の仇を取るために復讐を誓った自分の姿は、こんな姿なのだと改めて実感すると無性に笑いが止まらなくなった。
「笑う程気に入ったか?」
「あはははっ!は、はい!師匠!!くく、お、男の子みたい…ははは!」
少々心配し掛けたティアだったが、シュネーの笑みを見てその考えを改めた。彼女なら、この先も狩人として生きていける。そんな予感を感じると、ティアはやれやれとため息をついて櫛と鋏をしまった。
…否、しまおうとしたがその手をシュネーががっちり掴んで阻止していた。
「何だ?」
「そう言えば、師匠も髪が伸びていますね…」
「はぁ?」
思った以上に髪がさっぱりとしたことで気持ちが吹っ切れたのか、満面の笑みを浮かべるシュネー。その視線の先にはぼさぼさと生えたティアの髪の毛があった。その視線にティアが注意を取られていると、その隙に彼女はサッと櫛と鋏を彼の手から奪い取る。
「髪を切ってもらったお礼です。私が師匠の髪を切って差し上げます」
「い、いや!いい!必要ない!というか何か顔が怖いぞ、シュネー!」
「髪は短い方が衛生的なんですよ。狩人なら常に万全でいましょうよ!」
「俺は別にいいんだよ!例外!俺はれ・い・が・い!!」
「師匠、待ってくださいよ!」
「来るな!というか、師匠って言うな!!」
言い知れぬ圧に押されて夜道を駆け出したティア。そんな彼を逃がすまいと鋏と櫛を持って追いかけるシュネー。その後、この街道では”鋏と鉈を持った少年”が夜中に旅人を追い駆けまわすという噂が広まったそうだが、そんな噂話をティアとシュネーが知る由もない。
その道は大都会のようにしっかりと舗装された綺麗な道ではなく、馬車や人が歩くことで踏み均されただけの田舎道であったが、シュネーにとっては宮殿の床の様な踏み心地であった。膝まで伸びる雑草も無ければ、拳ほどの石も転がっていないし、縦横無尽に飛び出す木の根っこもここにはない。
それに、ここ数日会うのは野生動物ばかりであったが、もはや懐かしさも感じる人の姿を横目に眺めながら、シュネーは森で装着していた装備のままティアの後を軽い足取りで付いて行く。
しばらく歩いた後、そろそろ日も暮れ始めた頃合で名前は知らないが確実に文明はあると思われる田舎町の灯りが見えてきた。その灯りに誘われるようにふらふらと歩みを進めるシュネーであったが、そんな彼女をひょいっと摘まみ上げてティアは彼女の行動を阻止した。
「おい、何処に行く気だ?」
「え、だって、あそこに町が見えているじゃないですか?」
これまで泥と汗と雨で塗れた野性的な生活を送ってきたシュネーだが、彼女だって立派な人間である。熱々の料理を頬張って、大きな湯船に浸かり、ふかふかのベッドでごろんと横になりたいとまでは言わないにしても、もうそろそろ屋根のある平らな場所で寝たい欲求が高まってきていた。
「今日も野宿に決まっているだろ」
「……え」
「ん?」
目の前に餌があるのに待てと言いつけられた犬の様な気持ちで、思わずティアの決断に反論不満を漏らしかけたシュネーだったが、彼女は急いでその口を両手で覆った。
「今、俺の考えに反対したか?」
口元を抑えたまま、シュネーは首をブンブンと力強く横に振る。
「じゃあ、今日も野宿で良いよな」
口元を抑えたまま、シュネーは首をブンブンと力強く縦に振る。
「なら返事は?」
「……はい」
「じゃあ、準備に取り掛かれ」
「はい」
見るからにがっくりと肩を落として落ち込むシュネーであったが、今まで森で暮らしてきたおかげかそんな状態でもそつなく野営の準備を終えた。それに、今までは暗い森の中でティアと馬、たまに野生動物しか居なかったが、流石に町の近くともなると金が無い旅人の多くがシュネーたちと同じように野営を行っており、彼女は今までに感じたことのない人の温かさを肌で感じていた。
すれ違うだけで軽く挨拶をする。耳を澄ませば子どもたちが遊ぶ声がする。どこかの家からほのかに料理の匂いが香ってくる。こんな状況にならなければ気にもしなかった小さな幸福たちを感じ、決してこうなった過去に感謝するわけではなかったが、しかしシュネーは自分の人生に対して卑屈にならないでいられた。
「…髪、伸びたな」
「へ?」
そんな周りから聞こえる人々の生活音に耳を傾けながら、今日も今日とて味っ気ない保存食を齧りながら火を囲んでいると、不意にティアがそう呟いた。
「あ、確かに結構伸びたかもしれないです」
これまでシュネーは髪の手入れは姉か母に頼りっきりで、自分自身はあまり関心がなかった。伸びたら伸びたで纏めればいいと思っていたが、放って置いた髪は下ろせば彼女の肩を超える程にまで伸びていた。
「髪、切ってやるからこっちに来い」
「あ、いや大丈夫ですよ。纏めておけば邪魔にならないですし」
「……今の反論は聞かなかったことにしてやる。こっちに来い」
「あ、はい…」
思わずティアの提案を断ってしまっていたことに気付くと、シュネーは焦る思いで彼の下へと駆けた。彼女は恐る恐るティアの顔色を伺ったが特に気にしている様子はなく、彼は慣れた手つきで櫛や鋏を取り出すと迷いなくシュネーの髪を切り始めた。
「………」
櫛が撫でる音。鋏が閉じる音。耳元でそんなこそばゆい音が鳴るたびに、シュネーの髪が断片となって落ちて行く。しばらく二人の間に無言が続き、櫛と鋏の音だけが鳴り続けたが、不意にシュネーが呟くように口を開いた。
「すいませんでした。別に髪を切られるのが嫌ってわけじゃなかったんです」
「…そうか」
「ただ、いつもお姉ちゃんやお母さんに髪を切ったり結ったりしてもらっていたので…何だか……その、不思議で」
「…そうか」
ティアはシュネーの後ろに立っているので、彼女の表情をはっきりとは見ることは出来なかった。だが、そんなティアにも今シュネーがどんな表情でいるかなど、人狼の力を使わなくとも容易に予測できた。
シュネーは泣いていた。家族のことを思い出して、彼女の眼の縁から一本の涙の筋がスッと伸びていた。髪の欠片が落ちる度に、家族の思い出が一つまた一つとまた零れて行くようで。髪を伸ばしていれば、いつかふらっと姉や母が現れて自分の髪を撫でてくれるのではないか。そう思っていたが、そんなことなどありはしないとティアの持つ鋏の音が彼女を現実に引き戻していった。
「シュネー、忘れるなお前はまだ生きているんだ」
「…はい」
「生きているから髪も伸びるし腹も減る。人狼と戦うつもりなら、常に万全の状態でいろ」
「…はい」
「心配するな、家族との絆は心にあるんだ。こんなことで消えはしない。お前が忘れない限り、家族はそこにいることを忘れるな。お前が死んだ時が、本当に家族が死んだ時だと思って、最後の最後まで必死に生きろ。死者に託された思いなんて、それ以外に背負える方法なんてないんだよ」
「ありがとうございます。師匠〈マスター〉」
そして、鋏が一際大きな音を立ててその刃を閉じた。
その音を聞いた途端、シュネーの胸の内で彼女を縛り付けていたものがばっさりと切れた気がした。髪など大した重さも有りはしないはずなのに、シュネーの頭は以前にもまして軽くなった。そんな気がした。
「どうだ。綺麗に出来たろ?」
「……?」
だが、そう自慢げに言いながらティアは手鏡をシュネーの前に持って来てくれたが、そこには見知らぬ少年が移り込んでいた。鏡は自分を映すものなのに、そこに自分はいない。しばらく不思議に思いながらも、上下左右に顔を動かしてシュネーはようやく理解したが、その見知らぬ少年こそ今の自分なのだと。
「短くていい。髪は短い方が衛生的だ」
「……く、くく」
「あん?」
「くくくく……あはははははっ!!!」
自分の有様を理解した上で、シュネーは声高らかに笑った。薄暗い空に響く彼女の笑い声。その声に周りに居た人たちも気になって様子を見に来るが、彼女はそれでも笑い続けた。これが今の自分なのだと。親の仇を取るために復讐を誓った自分の姿は、こんな姿なのだと改めて実感すると無性に笑いが止まらなくなった。
「笑う程気に入ったか?」
「あはははっ!は、はい!師匠!!くく、お、男の子みたい…ははは!」
少々心配し掛けたティアだったが、シュネーの笑みを見てその考えを改めた。彼女なら、この先も狩人として生きていける。そんな予感を感じると、ティアはやれやれとため息をついて櫛と鋏をしまった。
…否、しまおうとしたがその手をシュネーががっちり掴んで阻止していた。
「何だ?」
「そう言えば、師匠も髪が伸びていますね…」
「はぁ?」
思った以上に髪がさっぱりとしたことで気持ちが吹っ切れたのか、満面の笑みを浮かべるシュネー。その視線の先にはぼさぼさと生えたティアの髪の毛があった。その視線にティアが注意を取られていると、その隙に彼女はサッと櫛と鋏を彼の手から奪い取る。
「髪を切ってもらったお礼です。私が師匠の髪を切って差し上げます」
「い、いや!いい!必要ない!というか何か顔が怖いぞ、シュネー!」
「髪は短い方が衛生的なんですよ。狩人なら常に万全でいましょうよ!」
「俺は別にいいんだよ!例外!俺はれ・い・が・い!!」
「師匠、待ってくださいよ!」
「来るな!というか、師匠って言うな!!」
言い知れぬ圧に押されて夜道を駆け出したティア。そんな彼を逃がすまいと鋏と櫛を持って追いかけるシュネー。その後、この街道では”鋏と鉈を持った少年”が夜中に旅人を追い駆けまわすという噂が広まったそうだが、そんな噂話をティアとシュネーが知る由もない。
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