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第28話 第二至上主義論者の星空
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「おー!あれがデネブ、アルタイル、ベガ。俺が指差す夏の大三角形!」
「……何かどっかで聞いたことがある様なフレーズね」
「いやいやお嬢さん。これは九十九印のオリジナルフレーズですぜ。安心安全!」
「胡散臭い…」
時はあれから少し進んで七夕当日。その夜に我々は星が見える海辺まで足を運んでいた。我々の住むこの街は都会とは言えないが、夜空を見上げたからといって満天の星空が見えるとは限らなかった。なので、どのようにして天の川を見るのかと思ったら、一条さんは海辺へと案内してくれた。
砂浜から遥か彼方の水平線まで、灯りは全くと言っていい程に何もない漆黒。海と空の境界線もわからないその暗闇の中に星々は浮かんでいた。“天の川“と呼称されるが、確かにこの光景は”川“である。それはキラキラと光る星々が流れるが如く、夜空に大きな川が我らの頭上に流れていた。
こんな素敵な光景を見るためにここまで連れて来てくれて一条さんには感謝の言葉しかないが、その前に違う言葉を述べねばなるまい。
「何故、大宙と二宮さんがいるのだ?」
「だって、一条さんに呼ばれたんだもん!いいじゃんか!俺ら友達だろう!」
「そうよ!別に、二階堂くんに会いに来たわけじゃないんだから!!」
「……そうか」
私は…落胆しているのか?てっきり一条さんと二人で来るものだと思っていたが、まさか大宙や二宮さんもご一緒とは思わなかった。
「おや、私は“デート”しようとは言わなかっただろう?」
そんな私の気持ちを感じ取ったのか、一条さんは意地悪そうにクスクスと笑うとそう言った。
「それに、夜中に男女二人で出かけることを両親が許すはずがない。我々は高校生だしね。秩序を保って行動しないとね」
「ごもっとも」
私はどうやら思い上がっていたのかもしれない。そんな簡単に何度も一条さんと二人っきりでお出掛けできるわけがない。我々の関係はあくまでも“仮”お付き合い。これはその関係を努々忘れるなという一条さんからのサインなのだろう。
「…さて、二階堂くん。時に織姫と彦星の距離はいかがかな?」
夜の暗い砂浜を犬の様に遊び回る大宙と二宮さんを眺めて呆然としていると、一条さんが私の横に立ってそう尋ねた。私は一条さんと並んで星空を見上げる。残念ながら私は天体に関する知識は乏しい。この夜空を流れる天の川が無ければ、ベガもアルタイルも見つけることは困難だったかもしれない。
「あれが織姫であっちが彦星かな。うむ、やはり彼らの距離は遠いな。あれは恋愛の距離ではない」
「じゃあ、今の私たちの距離はどうかな?」
気が付くと、私の右手に一条さんに左手が当たっていた。不思議だ。もし、電車やバスの中で指と指が当たったとしてもおそらく気が付かないであろう。しかし今現在、私は私の右手に触れる一条さんの左手から、確かに彼女の存在を感じていた。
暗闇の所為で、一条さんがどんな表情をしているのかはわからない。というよりも、今の私の表情を見せられないので彼女の方を向くことはできない。今が夜で本当に良かった。でなければ私の顔は恥ずかしさで星の様に紅く光ったに違いない。
「これが…今の私たちの距離かな?」
「手と手は握れないが、指と指が触れるぐらいが我々に適した恋の距離だろう」
「うん…そうだね」
「……何かどっかで聞いたことがある様なフレーズね」
「いやいやお嬢さん。これは九十九印のオリジナルフレーズですぜ。安心安全!」
「胡散臭い…」
時はあれから少し進んで七夕当日。その夜に我々は星が見える海辺まで足を運んでいた。我々の住むこの街は都会とは言えないが、夜空を見上げたからといって満天の星空が見えるとは限らなかった。なので、どのようにして天の川を見るのかと思ったら、一条さんは海辺へと案内してくれた。
砂浜から遥か彼方の水平線まで、灯りは全くと言っていい程に何もない漆黒。海と空の境界線もわからないその暗闇の中に星々は浮かんでいた。“天の川“と呼称されるが、確かにこの光景は”川“である。それはキラキラと光る星々が流れるが如く、夜空に大きな川が我らの頭上に流れていた。
こんな素敵な光景を見るためにここまで連れて来てくれて一条さんには感謝の言葉しかないが、その前に違う言葉を述べねばなるまい。
「何故、大宙と二宮さんがいるのだ?」
「だって、一条さんに呼ばれたんだもん!いいじゃんか!俺ら友達だろう!」
「そうよ!別に、二階堂くんに会いに来たわけじゃないんだから!!」
「……そうか」
私は…落胆しているのか?てっきり一条さんと二人で来るものだと思っていたが、まさか大宙や二宮さんもご一緒とは思わなかった。
「おや、私は“デート”しようとは言わなかっただろう?」
そんな私の気持ちを感じ取ったのか、一条さんは意地悪そうにクスクスと笑うとそう言った。
「それに、夜中に男女二人で出かけることを両親が許すはずがない。我々は高校生だしね。秩序を保って行動しないとね」
「ごもっとも」
私はどうやら思い上がっていたのかもしれない。そんな簡単に何度も一条さんと二人っきりでお出掛けできるわけがない。我々の関係はあくまでも“仮”お付き合い。これはその関係を努々忘れるなという一条さんからのサインなのだろう。
「…さて、二階堂くん。時に織姫と彦星の距離はいかがかな?」
夜の暗い砂浜を犬の様に遊び回る大宙と二宮さんを眺めて呆然としていると、一条さんが私の横に立ってそう尋ねた。私は一条さんと並んで星空を見上げる。残念ながら私は天体に関する知識は乏しい。この夜空を流れる天の川が無ければ、ベガもアルタイルも見つけることは困難だったかもしれない。
「あれが織姫であっちが彦星かな。うむ、やはり彼らの距離は遠いな。あれは恋愛の距離ではない」
「じゃあ、今の私たちの距離はどうかな?」
気が付くと、私の右手に一条さんに左手が当たっていた。不思議だ。もし、電車やバスの中で指と指が当たったとしてもおそらく気が付かないであろう。しかし今現在、私は私の右手に触れる一条さんの左手から、確かに彼女の存在を感じていた。
暗闇の所為で、一条さんがどんな表情をしているのかはわからない。というよりも、今の私の表情を見せられないので彼女の方を向くことはできない。今が夜で本当に良かった。でなければ私の顔は恥ずかしさで星の様に紅く光ったに違いない。
「これが…今の私たちの距離かな?」
「手と手は握れないが、指と指が触れるぐらいが我々に適した恋の距離だろう」
「うん…そうだね」
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