54 / 146
グランドベゼル編
1 精霊契約
side ノア=オーガスト
「とうちゃーく!」
リズさんは馬車を飛び出し、両手を天高く上げた。
「うっさ。朝からそんな大声出してんじゃねぇよ、バカ」
「はあー?いいじゃない、別に。……わあああああ!!」
「……っっ!バカリズ!!耳元で叫ぶんじゃねぇよ!」
「あははっ」
コーディ村長にお世話になったあの村を出てからはや五日。オレたちは帝都アクロポリスへと戻ってきた。
ギルド前へと止まった馬車から一番乗りに降りたリズさんは、フィッツさんといつものように戯れている。
ほんと、仲いいよなー。
「リズ……お前マジ許さん」
リズさんを睨みつけるフィッツさん。
「そんなこと言ってー。どうせあたいに敵わないくせにー」
それをものともしないリズさん。
「うっせぇ!」
この二人には、喧嘩するほど仲がいいって言葉が一番似合うなー。
「ありがとな、リズさん、フィッツさん」
オレは馬車から降り、礼を言う。二人には本当に世話になった。
「もし時間あったら、今度食事でもご馳走するよ。シャムロックっていうクソうまいレストランがあるんだ」
「ほんとー?!じゃあお言葉に甘えようかなー」
「おい、まだ仕事山積みだろ?今から戻らねぇと次の仕事に間に合わなくなる」
「あ、そっかー。残念。エリック団長に怒られるのは勘弁だし……次また会えたら、その時は是非連れてってほしい!」
「ああ、もちろん」
フィッツさんは馬にまたがり、リズさんは馬車の中へと足を踏み入れる。
「じゃ、あたいたちはこれで。また会おうねー」
馬車が走り出す。これで二人とはお別れだけど、旅をしてればそのうちまた会える。そんな予感がした。
「さて、先に宿に行こうかなとも思ったけど、目の前にEDENがあるし、先に二人の冒険者登録とパーティ登録を済ませるか」
この五日間。リュウとセツナとある相談をした。一言で言えば、オレたちと一緒に来るかどうか。これは二人の未来に関わる重大な問題だ。
オレとしては仲間になってくれたらめちゃくちゃ嬉しいけど、二人の意志で決めることが大前提だからな。無理強いはできない。
「ぼくは、ノアお兄ちゃんたちと、もっと一緒に、いたい……!」
暗く静かな森の中。中心に置かれた焚き火が周囲を大きく照らしてくれている。
「リュウ……嬉しいよ。でも、改めてもっかい言うけど、オレたち冒険者の仲間になるってことはそれ相応の危険が伴う。それは分かってる?」
「うん……ぼく、強くなる。もっと、もっと、強くなって、みんな守る…だから……」
「リュウー!」
「わっ……」
突然リュウに抱きついたのはカズハだった。
「こんなにいい子いるー?うちの子にしたいくらいだよー」
「く、くるしい……」
「あっ。ごめんね、リュウ」
カズハはリュウを離し、隣に座った。
「私はリュウのパーティ入り賛成!何かあっても絶対守ってあげるしさー。なにせ私の氣術は最強だから」
「もちろんオレも賛成だ。みんなは?」
……うん、反対意見はなしだな。
「決まりだな。じゃあ次は……ってセツナは?」
辺りを見回すもセツナの姿は見つからない。よく見れば秀もいなくなっている。
「てか秀もいないし……湊、なんか知らない?」
「さあ。だがそのうち戻ってくるだろう」
なんか知ってそうなんだけど……まあいいか。
「セツナお姉ちゃん……」
リュウは淋しそうにセツナの名前を口にした。すると……。
「心配かけたか?リュウ」
リュウの背後から突然セツナが現れた。
「セツナお姉ちゃん……!」
リュウはセツナに抱きついた。よほどセツナがいなくなったことが心配だったらしい。
「秀。どこ行ってたんだ?」
セツナのすぐ後ろから秀も現れ、湊の隣に腰を下ろした。そしてオレは秀に小声で話しかけた。
「ちょっとなぁ。ま、ノアが気にすることでもねぇさ」
満足そうな顔だ。なら、オレがちょっかいを出すことでもないっぽいな。
「セツナと秀も戻ってきたことだし、本題に戻ろう。セツナ。セツナはこれからどうしたい?」
オレはセツナを見据える。
「私は幼い頃から盗賊として生きてきた。それ以外の生き方なんて知らなかったし、それが私の生きる意味だと思ってた。他人なんて所詮はどいつもゴミクズ。期待するだけ無駄だし信じるだけ自分が惨めになるだけ。それに、私は生にそこまで頓着してなかった。どこで死のうとそれは自分がそれまでの存在だったってことだし、生きてようが死んでようが変わらないって、そう思ってたからな」
セツナは自身の秘めたる気持ちを話し始めた。どうやらセツナは幼い頃からずっと孤独に生きてきたらしい。言葉の端々から、セツナがこれまで自身の人生を放棄してきたようにも感じた。
そして、セツナは温かな眼差しをリュウに向ける。
「でも、リュウと出会って何かが私の中で変わった。リュウに幸せに生きて欲しいって思うようになってた。他の奴を思いやる気持ちなんてとっくに捨てたはずなのに。……リュウは私を人に戻してくれたんだ」
一言一言、噛み締めるように話すセツナ。セツナの熱い想いがひしひしと伝わってくる。
「だから私はリュウに幸せな人生を歩んでほしいと思ってる。そしてそれは……まあ、あんたらがリュウと一緒いることだと思う。……頼めるか」
セツナはなぜか秀を睨んだ後に、オレに向き直った。そして鋭くそれでいていたって真剣な眼差しでオレを見つめてきた。それだけセツナにとってこの願いは大切なものだとわかる。
「ああ、もちろんだ」
「……良かった」
ほっとした様子。それはオレとしてもいいことだけど、セツナ自身はどうするんだ?リュウのことばかりで、自分自身のことを疎かにしてないか?
「で?セツナ。お前自身はどうしてぇんだ?」
「私は……」
「ぼく、セツナお姉ちゃんと、一緒に、いたい。……ともだちと、もっと楽しいこと、したい」
リュウはセツナの手を握る。セツナは先ほどまでの迷いの表情を消し、覚悟を決めた。
「私も、あんたらのパーティに入る。……私の人生を変えてくれたリュウに恩もある。それに何より、大切な友の願いだ。無碍にはできない」
いい表情するじゃん、セツナ……!
「ははっ。もちろん、大歓迎だ!」
ってな感じで、二人ともオレたちのパーティに入ることになったわけだ。仲間が増えてオレはめちゃくちゃ上機嫌だ。
「アリアさん」
「あら、ノアさん。お久しぶりですね」
「新しく冒険者登録をしたい二人がいるんだけど、いいかな」
「ええ、構いませんよ」
オレは二人を前へと出した。
「では、この石に順番に触れてください」
まずはセツナが触れる。すると透明な白い光の後に輝かしい緑色の光が周囲へと放たれた。
「うわ、なんだあの光」
「見たことないぞ、あんなの」
「眩しすぎる……!」
「きゃっ。こんなに、輝くなんて……」
他の冒険者たちと同様に、受付嬢アリアさんも心底驚いた様子だった。
ちなみにオレもびっくりした。オレたちがやったときはこんなんじゃなかったし、たまに検玉石に触れてる人を見かけた時もこんなに光ってはいなかった。
「えと、とりあえず次いきましょうか……」
その言葉を聞きセツナはリュウを持ち上げた。背丈的にギリ届かなかったのだ。
結果は白い透明な光が放たれたのみ。これがいたって普通だし、あの輝きからしてかなり氣の保有量は多そうだ。まあ、それに関してはあの眼をもっていることが影響してそうだけど。
「ありがとうございます。では、ギルドカードをお渡ししますね。……っ!これは……!!」
「何?なんかまずいのか?」
セツナの問いかけにアリアさんは口早に答えた。
「すごいですよ!あなた!霊氣がSだなんて。今現在、確認されているだけでは三人しかいない超希少な存在です!」
へ?世界に三人しかいない……?それ、普通にすごくないか?セツナを含めても、たった四人だけ……。
えーと……もしかしなくてもさ、うちのパーティって結構ヤバくないか?
「あ、そう。ねえ、それもらっていいわけ?」
どうでもいいといった感じでセツナはアリアさんからギルドカードを受け取ろうとする。
「あ、はい。えと、これがギルドカードになります。こちらの詳細についてはーーー」
「いらない。ノアたちに聞くから」
さっとギルドカードを二枚受け取ったセツナは、アリアさんにそっけなく返答する。
「で、では、これで冒険者登録は終了となります。それと、あとで精霊殿の方にお立ち寄りください。霊氣をお持ちの方は皆さまそちらへ向かわれると、精霊と契約ができますので」
「……そう」
セツナはそう言うとリュウを下ろし、リュウのギルドカードも本人へと渡した。
「これで二人の冒険者登録は完了だな。あの、アリアさん。このまま二人をオレたちのパーティに加入することってできる?」
「はい。全く問題ないですよ。パーティに人数制限はありませんから」
「えーと、精霊殿はっと……」
「この広場を左に行くと見えてくるはずだよー」
EDENを出てからオレたちは二手に分かれた。セツナの付き添いで精霊殿へ行くチームと花鳥風月に部屋を取りに行くチームだ。つってもそれぞれが用事を済ませたらあとは自由行動ってことになってる。
オレは精霊殿チームだ。なぜなら、精霊というものを見てみたかったからだ。そう、オレはただの興味本位でついてきたのだ。
オレ、シン、カズハ、セツナは精霊殿チーム。秀、湊、エル、リュウは宿予約チーム。自由時間は圧倒的にあっちのほうが多いだろうな。
そういや、ちょっと揉めたんだよな。セツナがリュウと秀を一緒にするなって急に怒鳴り出して……声荒げるセツナ初めて見たし。いつもクールだったのにさー。だから何事かと思ったけど、湊がうまく話をつけて、結局この形に収まったわけだ。
秀はエルの特訓に付き合うって言ってたし、湊はリュウの面倒をみるって言ってたけど……どうなんだろ。湊とリュウがあんま絡んでるとこ見たことないからなー……大丈夫なのか?
「んー」
「……?どうしたのー?」
「あ、いやなんでもない。ここを左に行けばいいんだっけ?」
「そうそう。このまま道なりに行けば右手に見えるはずだよー」
オレたちは広場の中央にある噴水を起点に左方向へと足を進めた。
「あれ?なんか……全体的に白いな」
あの広場からこの道に足を踏み入れてからまだ数歩しか歩いていないが、妙なことに気づく。
そう、建物や道に至るまで、全てが純白なのだ。
「やっぱりビックリするよねー。ここだけ世界違うって感じだしー。……精霊殿は神聖な場所に建立されなければならないっていう、まあ規則っていうか信仰?みたいなのがあってさー」
神聖な場所……この国の王が住むであろう城すらまともには見たことなかったけど、下手したらその城よりも外観とか環境にこだわってそうだよな。力入ってる感じするし。
どこを見回しても白、白、白……ちょっと怖いくらいだ。
「白ってそれだけでなんか綺麗っていう感じがするじゃん?」
「そうだな」
「だから精霊殿が安置されてる区域では、その一帯を白で覆うことになってるんだよねー」
だからってここまでするか?反射した陽の光がめちゃくちゃ眩しいんだけど……。
「あ、言い忘れてたんだけど、このままじゃ精霊殿には入れないからねー」
「へ?」
なぜに?
「この区域に入るのは問題ないんだけど、精霊殿は最も神聖な場所だからねー。全身白の服装じゃないとダメなんだよー」
……ひとつ、文句を言ってもいいだろうか。いや、これはこの世界特有の文化なのだから不満を言ってはいけないのかもしれない。郷に入っては郷に従えとも言うし……。
ただこれだけは言いたい。
メンドクサ!
「……はぁ」
「兄さん?」
「あ、いや、なんでもない」
「ここが精霊殿とやらか?」
セツナの言葉にオレは顔を上げた。するとそこにはこれまた真っ白で大きな建造物が聳え立っていた。
「そうそう。で、ここに精霊士長がいるはずで……」
カズハは精霊殿の扉前に立つ門番らしき人物のもとへと歩き出した。その門番は白いローブに金の装飾をいくつかつけていた。
「すみませーん。精霊契約をしに来たんですけど、精霊士長さんっていますかー?」
「はい。おられますよ。では、皆様この白いローブをご着用くださいませ」
……ほんっとに、白に染まってんなー、ここは。
門番の方が扉を開ける。中へ入ると、真っ白な空間のあちこちに金の装飾が施された、それはそれは豪奢な景色が広がっていた。天井はかなり高く、声を出せば結構響きそうだ。そして物が少ないからか、外から見た時よりも広く見える。
広々しすぎて逆に落ち着かないなー。
「おや。精霊様の契約者様がやってきましたね」
「精霊士長さん。お久しぶりです」
「おや。あなたはカズハさん。お久しぶりですね」
ニコッと朗らかに笑う男。どうやらこの人が精霊士長らしい。
「あなたが精霊様と契約を交わしにきた方ですね」
精霊士長はカズハに挨拶をした後、セツナの方へと足を進め手をセツナの前に出した。
「お会いできて光栄です」
「……は?」
意味がわからないと言いたげなセツナ。何この手?とか思ってそう。
「これは失礼。見ず知らずの者といきなり握手はできませんよね。コホン……では皆様、早速精霊様の寵愛を受けに行きましょうか」
精霊士長の後を追い前へ進んでいくと、五つの像が円状に並んでいる場所が近づいてきた。像の形状はそれぞれ違うみたいだな。
えーと、左から、鳥っぽい像、虎っぽい像、龍っぽい像、亀っぽい像、最後も龍っぽい像だけど、真ん中にある龍っぽい像とは形が違うな。真ん中は角が一本だけど右端のは二本ある。表情も真ん中は穏やかそうだけど、右端は凛々しそうな感じだ。
どの像もかなり凝って造られてるっぽいなー。
「ではあなたはこの像たちの中央にお立ちください。それ以外の方はここには立ち入らないようにお願いいたします」
中央に立つセツナには不安そうな表情は見られない。初めての体験のはずなんだけどな。まあオレだって、ほとんどの未体験にはワクワクする派だけどなー。
「……」
セツナはただ黙ってことの成り行きを受け入れている。すると、突然セツナを中心に緑色の光が拡散した。それはEDENでセツナが検玉石に触れた時と同じ光景だった。
「こ、これは……?!」
オレたちの近くで状況を見守っていた精霊士長から驚愕の様相が見てとれた。淡い緑色の光が輝き続ける。セツナは一体何を感じているのだろうか。
side セツナ
精霊士長とかいう男に言われるまま、私はよくわからない像に囲まれた場所に立たされた。あの男の行動は、ほとんどが不可解にしか思えなかった。とは言え、あの頃のようにやたらめったら人を疑うことはやめたからな。とりあえずは言う通りにした。
そして私はまたあの光に包まれた。淡い緑色の光に。この光はなぜだかわからないけど、心地いいと感じる。あたたかいと感じる。
……不思議だ。
「キミがボクの愛し子か?」
突然、幼い少年のような声がした。眩しくて全く見えないが、確かに声がした。
「ん?もう目を開けてもいいぞ?」
「……誰?」
そこにいたのは、龍だった。青や緑色の体をしている。大きさは……とにかく大きい。木と比べれば、たぶんこの龍の身体の三分の一がそれに当たるかもしれない。
「ボクはキミの精霊さ。個体名は青龍だ」
……なんか、幼い。見た目は幼くないのに声が幼い。そういえば、あそこに立ってた時に見た、右端の像とこの目前の龍は似ている気がする。気のせいかもしれないけど。
「あ、そう……青龍はーーー」
「ストーップ!」
「は?」
「まずはボクに名前を与えてほしい」
「……なんで?」
「それが契約するための条件だからさ」
契約って名前あげるだけでいいわけ?戦って強さを証明しなきゃいけないとか考えてた。
「じゃあ……セイで」
青龍だから、セイ。シンプルでいい。
「セイ、か。……ハハッ。またその名で呼んでくれるなんて、嬉しいよ」
また?何言ってんの?
「私、あんたと初対面なんだけど」
「そうだね。でもそうじゃないんだよ」
「………」
意味がわからない。
……変な精霊だ。
「とにかく、これで契約は成立だ。これからよろしく、セツナ!」
ニコッと笑顔を向けるセイ。心底嬉しそうだ。
よくわからないけど、私はこの不思議な精霊と契約したらしい。そしてこの出会いは私の人生において二番目に大切なものとなっていくけど、それはまだ先の話。
side ある冒険者たち
「おい、なんだってんだよ、あの光はよお」
「わっからん。でも、やばそうだぞ」
「ああ。光に色がついたんなら珍しい霊氣持ちなんだろうけどよお、それにしたってあんなに光ることあるかあ?」
「俺は見たことないぞ」
「おれもだ」
「わたしもよ」
「うわ。急に入って来んなよお。びっくりするだろお」
「ごめんて」
「てか依頼はどうなったんだ?受けられたか?」
「いやそれがさ、なーんかおかしいのよね」
「おかしいって何がだ?」
「ほら、いつもなら魔物の討伐依頼ってあんまりないじゃない?冒険者が出る前に国の兵士がある程度片付けるからさ」
「まあそうだなあ。特にここ大帝国グランドベゼルは、兵の質が他国より高いしな」
「だな。それにおれたちだって依頼として魔物を狩った回数はそんなにないしな」
「そうそう。でもさっき依頼ボード見たら七、八割は魔物討伐の依頼だったんだよね」
「ほんとか?」
「ええ」
「……なあんか、きなくせぇことになってきたなあ」
「とうちゃーく!」
リズさんは馬車を飛び出し、両手を天高く上げた。
「うっさ。朝からそんな大声出してんじゃねぇよ、バカ」
「はあー?いいじゃない、別に。……わあああああ!!」
「……っっ!バカリズ!!耳元で叫ぶんじゃねぇよ!」
「あははっ」
コーディ村長にお世話になったあの村を出てからはや五日。オレたちは帝都アクロポリスへと戻ってきた。
ギルド前へと止まった馬車から一番乗りに降りたリズさんは、フィッツさんといつものように戯れている。
ほんと、仲いいよなー。
「リズ……お前マジ許さん」
リズさんを睨みつけるフィッツさん。
「そんなこと言ってー。どうせあたいに敵わないくせにー」
それをものともしないリズさん。
「うっせぇ!」
この二人には、喧嘩するほど仲がいいって言葉が一番似合うなー。
「ありがとな、リズさん、フィッツさん」
オレは馬車から降り、礼を言う。二人には本当に世話になった。
「もし時間あったら、今度食事でもご馳走するよ。シャムロックっていうクソうまいレストランがあるんだ」
「ほんとー?!じゃあお言葉に甘えようかなー」
「おい、まだ仕事山積みだろ?今から戻らねぇと次の仕事に間に合わなくなる」
「あ、そっかー。残念。エリック団長に怒られるのは勘弁だし……次また会えたら、その時は是非連れてってほしい!」
「ああ、もちろん」
フィッツさんは馬にまたがり、リズさんは馬車の中へと足を踏み入れる。
「じゃ、あたいたちはこれで。また会おうねー」
馬車が走り出す。これで二人とはお別れだけど、旅をしてればそのうちまた会える。そんな予感がした。
「さて、先に宿に行こうかなとも思ったけど、目の前にEDENがあるし、先に二人の冒険者登録とパーティ登録を済ませるか」
この五日間。リュウとセツナとある相談をした。一言で言えば、オレたちと一緒に来るかどうか。これは二人の未来に関わる重大な問題だ。
オレとしては仲間になってくれたらめちゃくちゃ嬉しいけど、二人の意志で決めることが大前提だからな。無理強いはできない。
「ぼくは、ノアお兄ちゃんたちと、もっと一緒に、いたい……!」
暗く静かな森の中。中心に置かれた焚き火が周囲を大きく照らしてくれている。
「リュウ……嬉しいよ。でも、改めてもっかい言うけど、オレたち冒険者の仲間になるってことはそれ相応の危険が伴う。それは分かってる?」
「うん……ぼく、強くなる。もっと、もっと、強くなって、みんな守る…だから……」
「リュウー!」
「わっ……」
突然リュウに抱きついたのはカズハだった。
「こんなにいい子いるー?うちの子にしたいくらいだよー」
「く、くるしい……」
「あっ。ごめんね、リュウ」
カズハはリュウを離し、隣に座った。
「私はリュウのパーティ入り賛成!何かあっても絶対守ってあげるしさー。なにせ私の氣術は最強だから」
「もちろんオレも賛成だ。みんなは?」
……うん、反対意見はなしだな。
「決まりだな。じゃあ次は……ってセツナは?」
辺りを見回すもセツナの姿は見つからない。よく見れば秀もいなくなっている。
「てか秀もいないし……湊、なんか知らない?」
「さあ。だがそのうち戻ってくるだろう」
なんか知ってそうなんだけど……まあいいか。
「セツナお姉ちゃん……」
リュウは淋しそうにセツナの名前を口にした。すると……。
「心配かけたか?リュウ」
リュウの背後から突然セツナが現れた。
「セツナお姉ちゃん……!」
リュウはセツナに抱きついた。よほどセツナがいなくなったことが心配だったらしい。
「秀。どこ行ってたんだ?」
セツナのすぐ後ろから秀も現れ、湊の隣に腰を下ろした。そしてオレは秀に小声で話しかけた。
「ちょっとなぁ。ま、ノアが気にすることでもねぇさ」
満足そうな顔だ。なら、オレがちょっかいを出すことでもないっぽいな。
「セツナと秀も戻ってきたことだし、本題に戻ろう。セツナ。セツナはこれからどうしたい?」
オレはセツナを見据える。
「私は幼い頃から盗賊として生きてきた。それ以外の生き方なんて知らなかったし、それが私の生きる意味だと思ってた。他人なんて所詮はどいつもゴミクズ。期待するだけ無駄だし信じるだけ自分が惨めになるだけ。それに、私は生にそこまで頓着してなかった。どこで死のうとそれは自分がそれまでの存在だったってことだし、生きてようが死んでようが変わらないって、そう思ってたからな」
セツナは自身の秘めたる気持ちを話し始めた。どうやらセツナは幼い頃からずっと孤独に生きてきたらしい。言葉の端々から、セツナがこれまで自身の人生を放棄してきたようにも感じた。
そして、セツナは温かな眼差しをリュウに向ける。
「でも、リュウと出会って何かが私の中で変わった。リュウに幸せに生きて欲しいって思うようになってた。他の奴を思いやる気持ちなんてとっくに捨てたはずなのに。……リュウは私を人に戻してくれたんだ」
一言一言、噛み締めるように話すセツナ。セツナの熱い想いがひしひしと伝わってくる。
「だから私はリュウに幸せな人生を歩んでほしいと思ってる。そしてそれは……まあ、あんたらがリュウと一緒いることだと思う。……頼めるか」
セツナはなぜか秀を睨んだ後に、オレに向き直った。そして鋭くそれでいていたって真剣な眼差しでオレを見つめてきた。それだけセツナにとってこの願いは大切なものだとわかる。
「ああ、もちろんだ」
「……良かった」
ほっとした様子。それはオレとしてもいいことだけど、セツナ自身はどうするんだ?リュウのことばかりで、自分自身のことを疎かにしてないか?
「で?セツナ。お前自身はどうしてぇんだ?」
「私は……」
「ぼく、セツナお姉ちゃんと、一緒に、いたい。……ともだちと、もっと楽しいこと、したい」
リュウはセツナの手を握る。セツナは先ほどまでの迷いの表情を消し、覚悟を決めた。
「私も、あんたらのパーティに入る。……私の人生を変えてくれたリュウに恩もある。それに何より、大切な友の願いだ。無碍にはできない」
いい表情するじゃん、セツナ……!
「ははっ。もちろん、大歓迎だ!」
ってな感じで、二人ともオレたちのパーティに入ることになったわけだ。仲間が増えてオレはめちゃくちゃ上機嫌だ。
「アリアさん」
「あら、ノアさん。お久しぶりですね」
「新しく冒険者登録をしたい二人がいるんだけど、いいかな」
「ええ、構いませんよ」
オレは二人を前へと出した。
「では、この石に順番に触れてください」
まずはセツナが触れる。すると透明な白い光の後に輝かしい緑色の光が周囲へと放たれた。
「うわ、なんだあの光」
「見たことないぞ、あんなの」
「眩しすぎる……!」
「きゃっ。こんなに、輝くなんて……」
他の冒険者たちと同様に、受付嬢アリアさんも心底驚いた様子だった。
ちなみにオレもびっくりした。オレたちがやったときはこんなんじゃなかったし、たまに検玉石に触れてる人を見かけた時もこんなに光ってはいなかった。
「えと、とりあえず次いきましょうか……」
その言葉を聞きセツナはリュウを持ち上げた。背丈的にギリ届かなかったのだ。
結果は白い透明な光が放たれたのみ。これがいたって普通だし、あの輝きからしてかなり氣の保有量は多そうだ。まあ、それに関してはあの眼をもっていることが影響してそうだけど。
「ありがとうございます。では、ギルドカードをお渡ししますね。……っ!これは……!!」
「何?なんかまずいのか?」
セツナの問いかけにアリアさんは口早に答えた。
「すごいですよ!あなた!霊氣がSだなんて。今現在、確認されているだけでは三人しかいない超希少な存在です!」
へ?世界に三人しかいない……?それ、普通にすごくないか?セツナを含めても、たった四人だけ……。
えーと……もしかしなくてもさ、うちのパーティって結構ヤバくないか?
「あ、そう。ねえ、それもらっていいわけ?」
どうでもいいといった感じでセツナはアリアさんからギルドカードを受け取ろうとする。
「あ、はい。えと、これがギルドカードになります。こちらの詳細についてはーーー」
「いらない。ノアたちに聞くから」
さっとギルドカードを二枚受け取ったセツナは、アリアさんにそっけなく返答する。
「で、では、これで冒険者登録は終了となります。それと、あとで精霊殿の方にお立ち寄りください。霊氣をお持ちの方は皆さまそちらへ向かわれると、精霊と契約ができますので」
「……そう」
セツナはそう言うとリュウを下ろし、リュウのギルドカードも本人へと渡した。
「これで二人の冒険者登録は完了だな。あの、アリアさん。このまま二人をオレたちのパーティに加入することってできる?」
「はい。全く問題ないですよ。パーティに人数制限はありませんから」
「えーと、精霊殿はっと……」
「この広場を左に行くと見えてくるはずだよー」
EDENを出てからオレたちは二手に分かれた。セツナの付き添いで精霊殿へ行くチームと花鳥風月に部屋を取りに行くチームだ。つってもそれぞれが用事を済ませたらあとは自由行動ってことになってる。
オレは精霊殿チームだ。なぜなら、精霊というものを見てみたかったからだ。そう、オレはただの興味本位でついてきたのだ。
オレ、シン、カズハ、セツナは精霊殿チーム。秀、湊、エル、リュウは宿予約チーム。自由時間は圧倒的にあっちのほうが多いだろうな。
そういや、ちょっと揉めたんだよな。セツナがリュウと秀を一緒にするなって急に怒鳴り出して……声荒げるセツナ初めて見たし。いつもクールだったのにさー。だから何事かと思ったけど、湊がうまく話をつけて、結局この形に収まったわけだ。
秀はエルの特訓に付き合うって言ってたし、湊はリュウの面倒をみるって言ってたけど……どうなんだろ。湊とリュウがあんま絡んでるとこ見たことないからなー……大丈夫なのか?
「んー」
「……?どうしたのー?」
「あ、いやなんでもない。ここを左に行けばいいんだっけ?」
「そうそう。このまま道なりに行けば右手に見えるはずだよー」
オレたちは広場の中央にある噴水を起点に左方向へと足を進めた。
「あれ?なんか……全体的に白いな」
あの広場からこの道に足を踏み入れてからまだ数歩しか歩いていないが、妙なことに気づく。
そう、建物や道に至るまで、全てが純白なのだ。
「やっぱりビックリするよねー。ここだけ世界違うって感じだしー。……精霊殿は神聖な場所に建立されなければならないっていう、まあ規則っていうか信仰?みたいなのがあってさー」
神聖な場所……この国の王が住むであろう城すらまともには見たことなかったけど、下手したらその城よりも外観とか環境にこだわってそうだよな。力入ってる感じするし。
どこを見回しても白、白、白……ちょっと怖いくらいだ。
「白ってそれだけでなんか綺麗っていう感じがするじゃん?」
「そうだな」
「だから精霊殿が安置されてる区域では、その一帯を白で覆うことになってるんだよねー」
だからってここまでするか?反射した陽の光がめちゃくちゃ眩しいんだけど……。
「あ、言い忘れてたんだけど、このままじゃ精霊殿には入れないからねー」
「へ?」
なぜに?
「この区域に入るのは問題ないんだけど、精霊殿は最も神聖な場所だからねー。全身白の服装じゃないとダメなんだよー」
……ひとつ、文句を言ってもいいだろうか。いや、これはこの世界特有の文化なのだから不満を言ってはいけないのかもしれない。郷に入っては郷に従えとも言うし……。
ただこれだけは言いたい。
メンドクサ!
「……はぁ」
「兄さん?」
「あ、いや、なんでもない」
「ここが精霊殿とやらか?」
セツナの言葉にオレは顔を上げた。するとそこにはこれまた真っ白で大きな建造物が聳え立っていた。
「そうそう。で、ここに精霊士長がいるはずで……」
カズハは精霊殿の扉前に立つ門番らしき人物のもとへと歩き出した。その門番は白いローブに金の装飾をいくつかつけていた。
「すみませーん。精霊契約をしに来たんですけど、精霊士長さんっていますかー?」
「はい。おられますよ。では、皆様この白いローブをご着用くださいませ」
……ほんっとに、白に染まってんなー、ここは。
門番の方が扉を開ける。中へ入ると、真っ白な空間のあちこちに金の装飾が施された、それはそれは豪奢な景色が広がっていた。天井はかなり高く、声を出せば結構響きそうだ。そして物が少ないからか、外から見た時よりも広く見える。
広々しすぎて逆に落ち着かないなー。
「おや。精霊様の契約者様がやってきましたね」
「精霊士長さん。お久しぶりです」
「おや。あなたはカズハさん。お久しぶりですね」
ニコッと朗らかに笑う男。どうやらこの人が精霊士長らしい。
「あなたが精霊様と契約を交わしにきた方ですね」
精霊士長はカズハに挨拶をした後、セツナの方へと足を進め手をセツナの前に出した。
「お会いできて光栄です」
「……は?」
意味がわからないと言いたげなセツナ。何この手?とか思ってそう。
「これは失礼。見ず知らずの者といきなり握手はできませんよね。コホン……では皆様、早速精霊様の寵愛を受けに行きましょうか」
精霊士長の後を追い前へ進んでいくと、五つの像が円状に並んでいる場所が近づいてきた。像の形状はそれぞれ違うみたいだな。
えーと、左から、鳥っぽい像、虎っぽい像、龍っぽい像、亀っぽい像、最後も龍っぽい像だけど、真ん中にある龍っぽい像とは形が違うな。真ん中は角が一本だけど右端のは二本ある。表情も真ん中は穏やかそうだけど、右端は凛々しそうな感じだ。
どの像もかなり凝って造られてるっぽいなー。
「ではあなたはこの像たちの中央にお立ちください。それ以外の方はここには立ち入らないようにお願いいたします」
中央に立つセツナには不安そうな表情は見られない。初めての体験のはずなんだけどな。まあオレだって、ほとんどの未体験にはワクワクする派だけどなー。
「……」
セツナはただ黙ってことの成り行きを受け入れている。すると、突然セツナを中心に緑色の光が拡散した。それはEDENでセツナが検玉石に触れた時と同じ光景だった。
「こ、これは……?!」
オレたちの近くで状況を見守っていた精霊士長から驚愕の様相が見てとれた。淡い緑色の光が輝き続ける。セツナは一体何を感じているのだろうか。
side セツナ
精霊士長とかいう男に言われるまま、私はよくわからない像に囲まれた場所に立たされた。あの男の行動は、ほとんどが不可解にしか思えなかった。とは言え、あの頃のようにやたらめったら人を疑うことはやめたからな。とりあえずは言う通りにした。
そして私はまたあの光に包まれた。淡い緑色の光に。この光はなぜだかわからないけど、心地いいと感じる。あたたかいと感じる。
……不思議だ。
「キミがボクの愛し子か?」
突然、幼い少年のような声がした。眩しくて全く見えないが、確かに声がした。
「ん?もう目を開けてもいいぞ?」
「……誰?」
そこにいたのは、龍だった。青や緑色の体をしている。大きさは……とにかく大きい。木と比べれば、たぶんこの龍の身体の三分の一がそれに当たるかもしれない。
「ボクはキミの精霊さ。個体名は青龍だ」
……なんか、幼い。見た目は幼くないのに声が幼い。そういえば、あそこに立ってた時に見た、右端の像とこの目前の龍は似ている気がする。気のせいかもしれないけど。
「あ、そう……青龍はーーー」
「ストーップ!」
「は?」
「まずはボクに名前を与えてほしい」
「……なんで?」
「それが契約するための条件だからさ」
契約って名前あげるだけでいいわけ?戦って強さを証明しなきゃいけないとか考えてた。
「じゃあ……セイで」
青龍だから、セイ。シンプルでいい。
「セイ、か。……ハハッ。またその名で呼んでくれるなんて、嬉しいよ」
また?何言ってんの?
「私、あんたと初対面なんだけど」
「そうだね。でもそうじゃないんだよ」
「………」
意味がわからない。
……変な精霊だ。
「とにかく、これで契約は成立だ。これからよろしく、セツナ!」
ニコッと笑顔を向けるセイ。心底嬉しそうだ。
よくわからないけど、私はこの不思議な精霊と契約したらしい。そしてこの出会いは私の人生において二番目に大切なものとなっていくけど、それはまだ先の話。
side ある冒険者たち
「おい、なんだってんだよ、あの光はよお」
「わっからん。でも、やばそうだぞ」
「ああ。光に色がついたんなら珍しい霊氣持ちなんだろうけどよお、それにしたってあんなに光ることあるかあ?」
「俺は見たことないぞ」
「おれもだ」
「わたしもよ」
「うわ。急に入って来んなよお。びっくりするだろお」
「ごめんて」
「てか依頼はどうなったんだ?受けられたか?」
「いやそれがさ、なーんかおかしいのよね」
「おかしいって何がだ?」
「ほら、いつもなら魔物の討伐依頼ってあんまりないじゃない?冒険者が出る前に国の兵士がある程度片付けるからさ」
「まあそうだなあ。特にここ大帝国グランドベゼルは、兵の質が他国より高いしな」
「だな。それにおれたちだって依頼として魔物を狩った回数はそんなにないしな」
「そうそう。でもさっき依頼ボード見たら七、八割は魔物討伐の依頼だったんだよね」
「ほんとか?」
「ええ」
「……なあんか、きなくせぇことになってきたなあ」
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
マカロニ
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
サナリア王国は、隣国のガルナズン帝国の使者からの通達により、国家滅亡の危機に陥る。
従属せよ。
これを拒否すれば、戦争である。
追い込まれたサナリアには、超大国との戦いには応じられない。
そこで、サナリアの王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るため。
サナリア王が下した決断は。
第一王子【フュン・メイダルフィア】を人質として送り出す事だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことなんて出来ないだろうと。
王が、帝国の人質として選んだのである。
しかし、この人質がきっかけで、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす。
伝説の英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
37才にして遂に「剣神」の称号を得ましたが、20年前に自分を振った勇者のパーティのエルフの女剣士に今更求婚されました。
カタナヅキ
ファンタジー
20年前、異世界「マテラ」に召喚された「レオ」は当時の国王に頼まれて魔王退治の旅に出る。数多くの苦難を乗り越え、頼りになる仲間達と共に魔王を打ち倒す。旅の終わりの際、レオは共に旅をしていた仲間のエルフ族の剣士に告白するが、彼女から振られてしまう。
「すまないレオ……私は剣の道に生きる」
彼女はそれだけを告げると彼の前から立ち去り、この一件からレオは彼女の選んだ道を追うように自分も剣一筋の人生を歩む。英雄として生きるのではなく、只の冒険者として再出発した彼は様々な依頼を引き受け、遂には冒険者の頂点のSランクの階級を与えられる。
勇者としてではなく、冒険者の英雄として信頼や人望も得られた彼は冒険者を引退し、今後は指導者として冒険者ギルドの受付員として就職を果たした時、20年前に別れたはずの勇者のパーティの女性たちが訪れる。
「やっと見つけた!!頼むレオ!!私と結婚してくれ!!」
「レオ君!!私と結婚して!!」
「頼む、娘と結婚してくれ!!」
「はあっ?」
20年の時を迎え、彼は苦難を共に乗り越えた仲間達に今度は苦悩される日々を迎える。
※本格的に連載するつもりはありませんが、暇なときに投稿します。
落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。
黄金の魔導書使い -でも、騒動は来ないで欲しいー
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥魔導書(グリモワール)。それは、不思議な儀式によって、人はその書物を手に入れ、そして体の中に取り込むのである。
そんな魔導書の中に、とんでもない力を持つものが、ある時出現し、そしてある少年の手に渡った。
‥‥うん、出来ればさ、まだまともなのが欲しかった。けれども強すぎる力故に、狙ってくる奴とかが出てきて本当に大変なんだけど!?責任者出てこぉぉぉぃ!!
これは、その魔導書を手に入れたが故に、のんびりしたいのに何かしらの騒動に巻き込まれる、ある意味哀れな最強の少年の物語である。
「小説家になろう」様でも投稿しています。作者名は同じです。基本的にストーリー重視ですが、誤字指摘などがあるなら受け付けます。
異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)
愛飢男
ファンタジー
最強の攻撃、それ即ち超硬度超質量の物体が超高速で激突する衝撃力である。
ってことは……大型トラックだよね。
21歳大型免許取り立ての久里井戸玲央、彼が仕事を終えて寝て起きたらそこは異世界だった。
勇者として召喚されたがファンタジーな異世界でトラック運転手は伝わらなかったようでやんわりと追放されてしまう。
追放勇者を拾ったのは隣国の聖女、これから久里井戸くんはどうなってしまうのでしょうか?
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
コクジキ ~ 首輪の青年は 禁色の炎を身にやどす《黎明編》
弓月
ファンタジー
大陸の中立地帯、砂の街コラン。そこに暮らす首輪を付けた青年マルチェは、ある日《 コクジキ 》と呼ばれる黒い炎を暴走させてしまう。その黒い炎は強力だが……禁色とされる危険な力だった。
マルチェを救った気紋師の青年。
力の暴走に怯える謎多き少女。
宝具と呼ばれる正体不明の道具。
そして、他国への侵攻をたくらむキンベル帝国。
争いと陰謀に巻き込まれながら、マルチェは首輪に隠された悲しき真実へとたどり着く──。
正義、恋愛、友情が絡み合う、少年ジャンプ系のバトル小説です。
■ マルチェ・カルル(18)
鍵穴の無い謎の鉄首輪を付けている青年。
■ 真貫 シン(19)
東の果てにある蕃東国から来た気紋師。
■ 梗華(16)
蕃東国の森で出会う、謎多き可憐な少女。
人を縛り支配するのは
国か、首輪か、恐怖か、愛か