メモ帳サイズの心たちーSF編

結崎悠菜@w@

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寿命の話

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 医学や科学の発展にくわえ、経済の安定を得た日本人は、寿命を二倍に伸ばした。 
 脳以外のすべての箇所を人工的に作り補修できる。そして、命を脅かす敵は人同士の争いだけになったように思われた。

 しかし、内にも敵はいたのだ。
 脳の老化は医学や科学では止められなかった。

 脳の複雑な構造も、最近では(少し危険ではあるが)夢のコントロールなんてことまでできるほど解明されている。それでも、まだ解明・対処できないことがあった。その一つが老化だったのである。

 
 寿命は長い、しかし脳の老化は進む。
 この結果、認知症患者が溢れることとなった。

 肉体的問題は入院せずとも定期的なメンテナンスで解決できる現代では、病院の入院患者のほとんどが認知症患者となっていた。その人数の多さにより、目を離した隙におきる事件が社会問題とみなされるまでに至った。


 そこで一人の学者がとある睡眠装置を作った。昔の良い思い出を、夢の中で無限に再生する装置。この装置によって入院患者は一日中寝むらされ続けることとなった。

 直接引き起こされる問題は減ったものの、議論の素を生み出した。
 この状況は患者を生かすのは愛なのか、倫理なのか。議論は終わることがない。



 人類は、まだ知らない。
 この装置が脳の老化防止への希望になることを。
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