79 / 143
テンペトゥス・ノクテム
絶望の嵐
しおりを挟む
(生きてる……?)
セオドアは自分の体が動くことを確認する。
(いったい何が起きた……?)
辺りを見回すと、生徒たちはみな力なく倒れ込んでいた。気を失っているものもいるようだ。
「うぐっ……けふっ……」
口から血の塊を吐き出す。内臓が傷ついているのか、呼吸をする度に激痛が走る。痛みをこらえながらゆっくりと立ち上がる。
「―――――っ!?」
威圧感などと表現するのも烏滸がましいほどの、異質な気配が周囲に漂っている。視線の先には先ほどよりもいっそう禍々しい波動を放つモンスターがいた。
(あれは……テンペストゥス・ノクテム……なのか?)
先ほどまで対峙していたテンペストゥス・ノクテムは人間のような姿形をしていた。うろこのついた、羽の生えているものの人型のモンスターとして認識していた。
しかし、今目の前にいるのはただ腕が二本、足が二本生えているというだけの単なる悪魔にしか見えなかった。
先ほどセシルが切り落とした羽も、より凶暴性を増した形態ですでに復活している。アリシアが貫いたはずの傷も見えない。
「ぐっ……うぅっ……」
レヴィアナのうめき声が聞こえた。よかった意識はあるようだ。レヴィアナが守ったアリシアも無事のようだ。
ほかにも誰かうめき声が聞こえてくる。
テンペストゥス・ノクテムはそんな我々の様子を見て追撃するわけでもなく、ただ笑みを浮かべていた。
「うっ……」
不気味だった。あのおぞましいまでに邪悪な笑みに、純粋な恐怖しか感じなかった。
先ほどの姿も消して楽観視できるようなものではなかった。本当に死も覚悟した。
しかし今はまるで絶望そのものが動いているかのようだった。
さほど大きくない体躯が動く度に地響きが起こり、その震えはこちらの背筋を凍らせる。
(勝てない…………)
目の前の化け物に対して、勝てるビジョンが全く浮かばない。
この威圧感を感じるのは2度目だった。
たとえ万全の状態であっても全く勝負にならないだろう。それほどまでに圧倒的な力を奴は持っていた。
本能が警鐘を鳴らしていた。一刻も早くこの場から逃げるべきだと、身体が逃げろと訴えていた。
(でも……俺は逃げるわけには……!!)
それまでの経験からアレがどれだけ規格外のものなのか理解してしまい、ほんの一瞬だけ行動を躊躇してしまった。
――――セシルとアリシアがはじかれたように動き出す。
風の刃を全身に纏ったセシルのスピードは凄まじく、一瞬にして懐まで飛び込むことに成功する。
そのまま一閃、二閃と剣を振るうが、その全てが弾かれてしまう。
先ほどは羽を切り落とすことができたセシルのゼフィルレヴィテートをもってしても、傷一つつけることは叶わなかった。悪魔は防御の体制すらもとっていない。ただそこに存在しているだけだった。
フッっと少しだけ腕を振ったように見えた。
――ドゴォオオンッッ!!!
轟音と共にセシルの体は吹き飛ばされる。地面を転がり、やがて動かなくなる。
「ダメ!!!アリシア!!!にげて!!!!!」
レヴィアナの悲痛な叫びが響く。
アリシアも残った魔力で再びブレイズワークスを発動し、絶望に突き立てるが先ほどとは異なり貫くことはできなかった。剣は弾き返され、アリシア自身も後方へと飛ばされる。
そうしてアリシアもまた動かなくなる。
レヴィアナがよろけながら立ち上がり、二人の元へと駆け寄り、防御と呼ぶには頼りない魔法を展開する。
「潮騒の音を轟かせ、蹂躙せよ!波濤の破壊、ウェイブクラッシュ!!!」
マリウスがおそらく全魔力を注ぎ込んだ魔法を放った。巨大な水の渦が出現しテンペストゥス・ノクテムを飲み込もうと襲い掛かるが、やはり通じない。
テンペストゥス・ノクテムは少し鬱陶しそうに腕を振るい、嵐のような水流を吹き飛ばす。
「――――っ!!!っくおっっっ!!!」
その衝撃波だけでマリウスも吹き飛ばされる。追撃とばかりに、きっとテンペストゥス・ノクテムにとっては小石を投げたような軽い一撃なのだろう、小さな魔法をマリウスに向けて放つ。しかしその攻撃は明らかに致命的なダメージとなることは間違いなかった。
「マリウス!!!危ない!!!」
その攻撃を庇って救護班で治療を受けていたはずのナタリーが腹を貫かれた。地面に横たわり小さな体から次々に血が流れていく。
――――なんで俺はこんなにも無力なんだ?
――――なぜ誰も救うことができない?
――――俺がもっと強ければ…………こんな結末にはならなかったのか?
怒り、悲しみ、後悔、様々な感情が胸の中で渦巻く。
ようやく魔法の詠唱が完了した。
目の前で生徒が倒れていく時間を使って、体中の残り僅かなマナをかき集めて完成させた魔法だ。
「炎の輝きを借りし神の一撃、薙ぎ倒せ!灼熱の刻印を刻め!太陽の怒り、ソーラーアサルト!!!!」
超高温の光の矢が一直線にテンペストゥス・ノクテムに向けて放たれる。あの時の後悔から必死に作り出した最強の魔法は、眩い閃光を放ちながらその体の中心を穿つように衝突する。耳をつんざくような轟音が響き渡った。
「あ……あぁ……」
光が収まった時、そこにはまるで何も起きていなかったかのようにテンペストゥス・ノクテムが立っていた。傷一つ負っていないようだった。
絶望が体を満たしていく。もう頭の中には何も浮かばなかった。目の前の化け物に対抗する手段も、逃げる算段も浮かんでこない。
――――あぁ……だめだ……来ちゃ……来ちゃだめだ……
――――俺が……俺が全部守るんだ……
――――だから来ないでくれ……!
テンペストゥス・ノクテムがあたりを漆黒に包んでいく。
全ての力を使い切ったセオドアは意思とは関係なく膝をつく。
そして、次の瞬間あたりはまぶしい光で包まれた。
セオドアにとって、絶望の光だった。
***
「ナタリー!!しっかり!!しっかりして!!!」
「ナタリー!!目を開けろ!!」
マリウスと必死に声をかける。
この戦いに備えてシルフィード広場で仕入れた回復アイテムを手あたり次第ナタリーの傷にかけていくが、傷は少しも回復しない。
「なんで……なんで止まらないの……!」
涙で視界がにじむ。ナタリーの顔は真っ青で、血が止まる気配が全くなかった。
完全に致命傷だ。
「だい……じょうぶ……これで……よかったんです……」
「なにいってるのよ!?まだ助かるわ!!だから……!」
必死に呼びかけるがナタリーは目をつむったまま首を横に振る。
「これまで迷惑かけてばかりだったから……わたしも……やくにたてて……よかった……」
ナタリーの瞳から涙がこぼれ落ちる。最後にうっすら笑ったように見えて、そしてそのまま動かなくなった。
(嘘よ……こんなの……)
体中から力が抜けていく。みんなで生きて卒業式に行くって、だから準備もしたのに。でも思えば全部中途半端だった。
【霊石の鎖】も見つからなかった。結局こうしてまた友人を失ってしまう。
テンペストゥス・ノクテムはそのまままっすぐ私のほうへ向かってくる。
「うぅ…………ひっぐ…………うぁあああ」
とうとう抑え込んでいたものが決壊する。
テンペストゥス・ノクテムがゆっくりとこちらに近づいてくるのが見えた。とどめを指しに来るのかもしれない。右手に魔法が光っているのが見える。どんな魔法か分からない、でも、どんな魔法であっても対応することなんてできない。
(ごめんなさい……)
誰かの何かに謝った。本当はうまくいくはずだったの。
どうすることもできずただ呆然と正面の悪魔を見つめ、時間がすぎるのを待った。
――――次の瞬間、世界が優しい光に包まれた。
セオドアは自分の体が動くことを確認する。
(いったい何が起きた……?)
辺りを見回すと、生徒たちはみな力なく倒れ込んでいた。気を失っているものもいるようだ。
「うぐっ……けふっ……」
口から血の塊を吐き出す。内臓が傷ついているのか、呼吸をする度に激痛が走る。痛みをこらえながらゆっくりと立ち上がる。
「―――――っ!?」
威圧感などと表現するのも烏滸がましいほどの、異質な気配が周囲に漂っている。視線の先には先ほどよりもいっそう禍々しい波動を放つモンスターがいた。
(あれは……テンペストゥス・ノクテム……なのか?)
先ほどまで対峙していたテンペストゥス・ノクテムは人間のような姿形をしていた。うろこのついた、羽の生えているものの人型のモンスターとして認識していた。
しかし、今目の前にいるのはただ腕が二本、足が二本生えているというだけの単なる悪魔にしか見えなかった。
先ほどセシルが切り落とした羽も、より凶暴性を増した形態ですでに復活している。アリシアが貫いたはずの傷も見えない。
「ぐっ……うぅっ……」
レヴィアナのうめき声が聞こえた。よかった意識はあるようだ。レヴィアナが守ったアリシアも無事のようだ。
ほかにも誰かうめき声が聞こえてくる。
テンペストゥス・ノクテムはそんな我々の様子を見て追撃するわけでもなく、ただ笑みを浮かべていた。
「うっ……」
不気味だった。あのおぞましいまでに邪悪な笑みに、純粋な恐怖しか感じなかった。
先ほどの姿も消して楽観視できるようなものではなかった。本当に死も覚悟した。
しかし今はまるで絶望そのものが動いているかのようだった。
さほど大きくない体躯が動く度に地響きが起こり、その震えはこちらの背筋を凍らせる。
(勝てない…………)
目の前の化け物に対して、勝てるビジョンが全く浮かばない。
この威圧感を感じるのは2度目だった。
たとえ万全の状態であっても全く勝負にならないだろう。それほどまでに圧倒的な力を奴は持っていた。
本能が警鐘を鳴らしていた。一刻も早くこの場から逃げるべきだと、身体が逃げろと訴えていた。
(でも……俺は逃げるわけには……!!)
それまでの経験からアレがどれだけ規格外のものなのか理解してしまい、ほんの一瞬だけ行動を躊躇してしまった。
――――セシルとアリシアがはじかれたように動き出す。
風の刃を全身に纏ったセシルのスピードは凄まじく、一瞬にして懐まで飛び込むことに成功する。
そのまま一閃、二閃と剣を振るうが、その全てが弾かれてしまう。
先ほどは羽を切り落とすことができたセシルのゼフィルレヴィテートをもってしても、傷一つつけることは叶わなかった。悪魔は防御の体制すらもとっていない。ただそこに存在しているだけだった。
フッっと少しだけ腕を振ったように見えた。
――ドゴォオオンッッ!!!
轟音と共にセシルの体は吹き飛ばされる。地面を転がり、やがて動かなくなる。
「ダメ!!!アリシア!!!にげて!!!!!」
レヴィアナの悲痛な叫びが響く。
アリシアも残った魔力で再びブレイズワークスを発動し、絶望に突き立てるが先ほどとは異なり貫くことはできなかった。剣は弾き返され、アリシア自身も後方へと飛ばされる。
そうしてアリシアもまた動かなくなる。
レヴィアナがよろけながら立ち上がり、二人の元へと駆け寄り、防御と呼ぶには頼りない魔法を展開する。
「潮騒の音を轟かせ、蹂躙せよ!波濤の破壊、ウェイブクラッシュ!!!」
マリウスがおそらく全魔力を注ぎ込んだ魔法を放った。巨大な水の渦が出現しテンペストゥス・ノクテムを飲み込もうと襲い掛かるが、やはり通じない。
テンペストゥス・ノクテムは少し鬱陶しそうに腕を振るい、嵐のような水流を吹き飛ばす。
「――――っ!!!っくおっっっ!!!」
その衝撃波だけでマリウスも吹き飛ばされる。追撃とばかりに、きっとテンペストゥス・ノクテムにとっては小石を投げたような軽い一撃なのだろう、小さな魔法をマリウスに向けて放つ。しかしその攻撃は明らかに致命的なダメージとなることは間違いなかった。
「マリウス!!!危ない!!!」
その攻撃を庇って救護班で治療を受けていたはずのナタリーが腹を貫かれた。地面に横たわり小さな体から次々に血が流れていく。
――――なんで俺はこんなにも無力なんだ?
――――なぜ誰も救うことができない?
――――俺がもっと強ければ…………こんな結末にはならなかったのか?
怒り、悲しみ、後悔、様々な感情が胸の中で渦巻く。
ようやく魔法の詠唱が完了した。
目の前で生徒が倒れていく時間を使って、体中の残り僅かなマナをかき集めて完成させた魔法だ。
「炎の輝きを借りし神の一撃、薙ぎ倒せ!灼熱の刻印を刻め!太陽の怒り、ソーラーアサルト!!!!」
超高温の光の矢が一直線にテンペストゥス・ノクテムに向けて放たれる。あの時の後悔から必死に作り出した最強の魔法は、眩い閃光を放ちながらその体の中心を穿つように衝突する。耳をつんざくような轟音が響き渡った。
「あ……あぁ……」
光が収まった時、そこにはまるで何も起きていなかったかのようにテンペストゥス・ノクテムが立っていた。傷一つ負っていないようだった。
絶望が体を満たしていく。もう頭の中には何も浮かばなかった。目の前の化け物に対抗する手段も、逃げる算段も浮かんでこない。
――――あぁ……だめだ……来ちゃ……来ちゃだめだ……
――――俺が……俺が全部守るんだ……
――――だから来ないでくれ……!
テンペストゥス・ノクテムがあたりを漆黒に包んでいく。
全ての力を使い切ったセオドアは意思とは関係なく膝をつく。
そして、次の瞬間あたりはまぶしい光で包まれた。
セオドアにとって、絶望の光だった。
***
「ナタリー!!しっかり!!しっかりして!!!」
「ナタリー!!目を開けろ!!」
マリウスと必死に声をかける。
この戦いに備えてシルフィード広場で仕入れた回復アイテムを手あたり次第ナタリーの傷にかけていくが、傷は少しも回復しない。
「なんで……なんで止まらないの……!」
涙で視界がにじむ。ナタリーの顔は真っ青で、血が止まる気配が全くなかった。
完全に致命傷だ。
「だい……じょうぶ……これで……よかったんです……」
「なにいってるのよ!?まだ助かるわ!!だから……!」
必死に呼びかけるがナタリーは目をつむったまま首を横に振る。
「これまで迷惑かけてばかりだったから……わたしも……やくにたてて……よかった……」
ナタリーの瞳から涙がこぼれ落ちる。最後にうっすら笑ったように見えて、そしてそのまま動かなくなった。
(嘘よ……こんなの……)
体中から力が抜けていく。みんなで生きて卒業式に行くって、だから準備もしたのに。でも思えば全部中途半端だった。
【霊石の鎖】も見つからなかった。結局こうしてまた友人を失ってしまう。
テンペストゥス・ノクテムはそのまままっすぐ私のほうへ向かってくる。
「うぅ…………ひっぐ…………うぁあああ」
とうとう抑え込んでいたものが決壊する。
テンペストゥス・ノクテムがゆっくりとこちらに近づいてくるのが見えた。とどめを指しに来るのかもしれない。右手に魔法が光っているのが見える。どんな魔法か分からない、でも、どんな魔法であっても対応することなんてできない。
(ごめんなさい……)
誰かの何かに謝った。本当はうまくいくはずだったの。
どうすることもできずただ呆然と正面の悪魔を見つめ、時間がすぎるのを待った。
――――次の瞬間、世界が優しい光に包まれた。
0
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる