125 / 143
物語の終わり、創造の始まり
実紗希とアリシア_2
しおりを挟む
「おかーさん!見てみて!私もオムレツ作れるようになった!」
「おかーさん!見てみて!今日は洗濯物も干せたよ!」
「おかーさん!見てみて!部屋の隅まで綺麗でしょ!」
今までの現実世界でも、それにソニカで作った世界でも家事なんてものやったことなかったけど、今では簡単な料理や洗濯ならできるようになった。
そして、それを逐一ソフィアに報告した。
ソフィアはそんな俺を見ていつも嬉しそうに笑ってくれる。
毎日が新しい発見で、そのどれもが新鮮だった。
ソフィアはそんな俺をいつも褒めてくれたし、俺は少しずつ誇らしくなってきた。
「アリシア、今日はお外に行ってみない?」
そんな生活が2週間ほど続いたある日のこと、朝食を食べ終わった俺にソフィアはそう言った。
そういえばこの家でこうしてソフィアと話すことで満足していていたけど、ソフィア以外の人はまだ見たことがない。
十分以上に守られているはずだった現実世界の俺も、あの突然の事故で死んでしまった。
ニカにも何も守られてない外の世界は少し怖かった。
この世界ですら死んでしまったら、俺はどうなるんだろうか。
(ま、いっか)
この世界にも少しずつ慣れていけばいい。
「うん!行きたい!」
「じゃあ、準備してらっしゃい。お母さんもすぐ準備してくるから」
ソフィアが用意してくれたのは白いワンピースだった。
実にアリシアらしい。袖を通すと少し大きいけど、コレはコレで年相応に見える。
鏡の前で軽やかに一回転すると、スカートがふんわりと膨らみ、それに合わせて髪も空中で優雅に舞った。
少しのくすぐったさと幸せな気持ちが全身に広がる。
「んーっ!」
深呼吸して大きく伸びをする。
敷地を一歩踏み出すと、心地よい風が全身を優しく撫でる。
街を流れている小川は太陽の光を反射してきらきらと輝いている。
川には見たことがあるような、ないような、そんな魚たちも元気に泳いでいた。
「わぁ……きれい……」
『アリシア』の故郷を訪ねるイベントで見たことがある景色が、スチルの様な切れ目もなくずっと広がっている。
現実世界はもちろん、いままでソニカでもっと壮大な景色も見たことはあったけど、そのどれよりもこの景色は輝いて見えた。
「あら、アリシアちゃんじゃない」
にぎわっている街を歩いていると、八百屋のおばさんに声をかけられる。
「あ、こんにちは!……んっと、マイラおばさん!」
少しだけ心の中に問いかけるとすんなりと名前が出てきた。ソニカの最後の気遣いなのか、それとも『アリシア』のおかげなのかはわからないけれど、おかげでこうしてこの世界でもさほど戸惑うことなく生活することができている。
「今日もかわいいわね。はい、これ持っておいきよ」
そういうとマイラは真っ赤に熟れた果実を一つ手渡してくれた。
「やったー!ありがとう!」
手に取るとみずみずしくてひんやりとした感覚が伝わってくる。
そのまま勢いよくかぶりつくとかぐわしい香りが鼻に抜ける。
そして、口の中に広がる甘みと酸味がとても心地よい。
「あー、ほらそんなに勢いよく食べると」
「あらあら」
あふれた果汁が腕を伝って袖を赤く染め上げていく。顎から滴った雫がお腹あたりにもシミを作っていった。
「あ、ごっ、ごめんなさい!」
慌てて家を出るときに持たせてくれたハンカチを取り出そうとするが、手がべたべたでまた服を汚してしまう。
「ちゃんとおうちに帰ったら洗うから大丈夫よ。ほら、お顔見せて?」
「あ……うん……」
ソフィアが優しく顔をぬぐってくれる。
「はい、これで大丈夫。食べ終わったら手を洗いに行きましょうね」
「はーい」
「マイラさん、アリシアも気に入ったみたいだからエーテルプラムをすこしいただけますでしょうか」
「ええ、もちろん」
ソフィアはマイラと仲よさそうにおしゃべりをしている。
その間にべとべとになった手を洗いに水場へ歩きだす。
「ぷっ……。あははっ」
こんな風に顔を汚して、服を汚して。こんなこといままで考えられなかった。
全部受け入れてくれる母親という存在のソフィアがいて、多分、これは「甘え」というやつだ。
手を洗いながら、街行く人を眺める。
みんなソフィアと同じように優しい笑顔で挨拶を返してくれたり、時には手を振ってくれる人もいて、とても温かい気持ちになれる。
「ん?そんなににこにこしちゃってどうしたの?そんなにエーテルプラム気に入った?」
「なんでもなーい。あ、私がそれ持つよ!」
「あらそう?じゃあ、お願いしようかしら」
ソフィアが持っていたエーテルプラムの袋を受け取る。
「アリシアは力持ちだねー。お母さん助かっちゃうなー」
ソフィアはそう言って頭をなでてくれた。なんだか胸の奥が温かい。これは今まで知らなかった気持ちだった。
いままでソニカの世界に入ったときはこんな感情を覚えたことはなかった。
ソニカの世界に潜ったときも「あぁ、これは現実じゃないんだ」と感じてしまって、どうにも多分本当の意味で世界に入り込むことはできなかった。
でも、今の俺にとってはこの世界は、多分本物以外の何物でもない。俺が青山 実紗希に戻ることはもう、無い。
「あ、お母さん!私あれも食べたい!」
「はいはい」
見たことがない果物を指さすとソフィアは笑いながら俺の頭をなでた。
以前柚季に相談したときは『実紗希は冷めてるからねー』とか言っていた。
あの時はみんな大げさに言っているだけだと思ったりもしたけど、柚季もほかのみんなも世界に入ったときはこんな感情を感じていたのだろうか。
そうだとしたら、どれだけ幸せな世界を柚季は、みんなは、経験していたんだろう。
ーーーー少し、いや、正直すごいうらやましい。
その後も街を歩き続けて、色んなものを見た。
まるで失った時間を取り戻すかのように、多分必要以上にはしゃいでしまっていた。
だって今まで感じることができなかったんだ。それに最後の世界なんだしこうしても許されるだろう。
甘えるとソフィアはとても嬉しそうにしてくれた。
目が合うたびに嬉しそうな顔をして微笑んでくれるのが俺も嬉しかったし、それに甘えている自分がなんだか誇らしかった。
「こんにちは!」
「あら、こんにちは」
道ですれ違う人みんなに挨拶をする。みんな俺を見ると嬉しそうにしてくれるし、俺もそんな人たちを見て嬉しくなる。
「アリシアちゃんは今日も元気ねー。」
「うん!お母さんのご飯おいしいから!」
「それでお洋服にまでたべさせちゃったのかしら?」
「もー!そんなんじゃないってば!」
「ふふっ、ごめんなさいね」
俺は少しずつ『アリシア』になっていくのを感じた。
一日中、多分必要以上にはしゃいでしまった。
街中を散策し、街のはずれの畜産を行ってる地帯にまで足を延ばし、そこでソフィアが用意してくれたお弁当を食べ、また街に戻ってくる頃には日が暮れていた。
「お母さん、あの人なにしてるの?」
「貴族の方が街に灯をともしてくれてるのよ」
日暮れと共に街が灯りで照らされ、昼間とは違った顔を見せていた。
ゆらゆらと揺れる火は美しくて、見惚れてしまう。
(そっか、この世界……)
あこがれの世界の美しさに圧倒されて忘れていたけど、この世界には魔法があるんだった。
「私もあんなきれいな火の魔法が使えるようになりたいな」
ぽつりとつぶやいた。
「そしたら工房のほうも手伝ってもらえるわね。大丈夫よ。アリシアならきっとできるわ」
「ほんと!?うん、私頑張ってみる!」
『アリシア』の能力がそのまま引き継がれていたら俺も魔法が使えるはずだ。
もっとソフィアや街の人たちを喜ばせてあげれるかもしれないと思うと今から楽しみだった。
「おかーさん!見てみて!今日は洗濯物も干せたよ!」
「おかーさん!見てみて!部屋の隅まで綺麗でしょ!」
今までの現実世界でも、それにソニカで作った世界でも家事なんてものやったことなかったけど、今では簡単な料理や洗濯ならできるようになった。
そして、それを逐一ソフィアに報告した。
ソフィアはそんな俺を見ていつも嬉しそうに笑ってくれる。
毎日が新しい発見で、そのどれもが新鮮だった。
ソフィアはそんな俺をいつも褒めてくれたし、俺は少しずつ誇らしくなってきた。
「アリシア、今日はお外に行ってみない?」
そんな生活が2週間ほど続いたある日のこと、朝食を食べ終わった俺にソフィアはそう言った。
そういえばこの家でこうしてソフィアと話すことで満足していていたけど、ソフィア以外の人はまだ見たことがない。
十分以上に守られているはずだった現実世界の俺も、あの突然の事故で死んでしまった。
ニカにも何も守られてない外の世界は少し怖かった。
この世界ですら死んでしまったら、俺はどうなるんだろうか。
(ま、いっか)
この世界にも少しずつ慣れていけばいい。
「うん!行きたい!」
「じゃあ、準備してらっしゃい。お母さんもすぐ準備してくるから」
ソフィアが用意してくれたのは白いワンピースだった。
実にアリシアらしい。袖を通すと少し大きいけど、コレはコレで年相応に見える。
鏡の前で軽やかに一回転すると、スカートがふんわりと膨らみ、それに合わせて髪も空中で優雅に舞った。
少しのくすぐったさと幸せな気持ちが全身に広がる。
「んーっ!」
深呼吸して大きく伸びをする。
敷地を一歩踏み出すと、心地よい風が全身を優しく撫でる。
街を流れている小川は太陽の光を反射してきらきらと輝いている。
川には見たことがあるような、ないような、そんな魚たちも元気に泳いでいた。
「わぁ……きれい……」
『アリシア』の故郷を訪ねるイベントで見たことがある景色が、スチルの様な切れ目もなくずっと広がっている。
現実世界はもちろん、いままでソニカでもっと壮大な景色も見たことはあったけど、そのどれよりもこの景色は輝いて見えた。
「あら、アリシアちゃんじゃない」
にぎわっている街を歩いていると、八百屋のおばさんに声をかけられる。
「あ、こんにちは!……んっと、マイラおばさん!」
少しだけ心の中に問いかけるとすんなりと名前が出てきた。ソニカの最後の気遣いなのか、それとも『アリシア』のおかげなのかはわからないけれど、おかげでこうしてこの世界でもさほど戸惑うことなく生活することができている。
「今日もかわいいわね。はい、これ持っておいきよ」
そういうとマイラは真っ赤に熟れた果実を一つ手渡してくれた。
「やったー!ありがとう!」
手に取るとみずみずしくてひんやりとした感覚が伝わってくる。
そのまま勢いよくかぶりつくとかぐわしい香りが鼻に抜ける。
そして、口の中に広がる甘みと酸味がとても心地よい。
「あー、ほらそんなに勢いよく食べると」
「あらあら」
あふれた果汁が腕を伝って袖を赤く染め上げていく。顎から滴った雫がお腹あたりにもシミを作っていった。
「あ、ごっ、ごめんなさい!」
慌てて家を出るときに持たせてくれたハンカチを取り出そうとするが、手がべたべたでまた服を汚してしまう。
「ちゃんとおうちに帰ったら洗うから大丈夫よ。ほら、お顔見せて?」
「あ……うん……」
ソフィアが優しく顔をぬぐってくれる。
「はい、これで大丈夫。食べ終わったら手を洗いに行きましょうね」
「はーい」
「マイラさん、アリシアも気に入ったみたいだからエーテルプラムをすこしいただけますでしょうか」
「ええ、もちろん」
ソフィアはマイラと仲よさそうにおしゃべりをしている。
その間にべとべとになった手を洗いに水場へ歩きだす。
「ぷっ……。あははっ」
こんな風に顔を汚して、服を汚して。こんなこといままで考えられなかった。
全部受け入れてくれる母親という存在のソフィアがいて、多分、これは「甘え」というやつだ。
手を洗いながら、街行く人を眺める。
みんなソフィアと同じように優しい笑顔で挨拶を返してくれたり、時には手を振ってくれる人もいて、とても温かい気持ちになれる。
「ん?そんなににこにこしちゃってどうしたの?そんなにエーテルプラム気に入った?」
「なんでもなーい。あ、私がそれ持つよ!」
「あらそう?じゃあ、お願いしようかしら」
ソフィアが持っていたエーテルプラムの袋を受け取る。
「アリシアは力持ちだねー。お母さん助かっちゃうなー」
ソフィアはそう言って頭をなでてくれた。なんだか胸の奥が温かい。これは今まで知らなかった気持ちだった。
いままでソニカの世界に入ったときはこんな感情を覚えたことはなかった。
ソニカの世界に潜ったときも「あぁ、これは現実じゃないんだ」と感じてしまって、どうにも多分本当の意味で世界に入り込むことはできなかった。
でも、今の俺にとってはこの世界は、多分本物以外の何物でもない。俺が青山 実紗希に戻ることはもう、無い。
「あ、お母さん!私あれも食べたい!」
「はいはい」
見たことがない果物を指さすとソフィアは笑いながら俺の頭をなでた。
以前柚季に相談したときは『実紗希は冷めてるからねー』とか言っていた。
あの時はみんな大げさに言っているだけだと思ったりもしたけど、柚季もほかのみんなも世界に入ったときはこんな感情を感じていたのだろうか。
そうだとしたら、どれだけ幸せな世界を柚季は、みんなは、経験していたんだろう。
ーーーー少し、いや、正直すごいうらやましい。
その後も街を歩き続けて、色んなものを見た。
まるで失った時間を取り戻すかのように、多分必要以上にはしゃいでしまっていた。
だって今まで感じることができなかったんだ。それに最後の世界なんだしこうしても許されるだろう。
甘えるとソフィアはとても嬉しそうにしてくれた。
目が合うたびに嬉しそうな顔をして微笑んでくれるのが俺も嬉しかったし、それに甘えている自分がなんだか誇らしかった。
「こんにちは!」
「あら、こんにちは」
道ですれ違う人みんなに挨拶をする。みんな俺を見ると嬉しそうにしてくれるし、俺もそんな人たちを見て嬉しくなる。
「アリシアちゃんは今日も元気ねー。」
「うん!お母さんのご飯おいしいから!」
「それでお洋服にまでたべさせちゃったのかしら?」
「もー!そんなんじゃないってば!」
「ふふっ、ごめんなさいね」
俺は少しずつ『アリシア』になっていくのを感じた。
一日中、多分必要以上にはしゃいでしまった。
街中を散策し、街のはずれの畜産を行ってる地帯にまで足を延ばし、そこでソフィアが用意してくれたお弁当を食べ、また街に戻ってくる頃には日が暮れていた。
「お母さん、あの人なにしてるの?」
「貴族の方が街に灯をともしてくれてるのよ」
日暮れと共に街が灯りで照らされ、昼間とは違った顔を見せていた。
ゆらゆらと揺れる火は美しくて、見惚れてしまう。
(そっか、この世界……)
あこがれの世界の美しさに圧倒されて忘れていたけど、この世界には魔法があるんだった。
「私もあんなきれいな火の魔法が使えるようになりたいな」
ぽつりとつぶやいた。
「そしたら工房のほうも手伝ってもらえるわね。大丈夫よ。アリシアならきっとできるわ」
「ほんと!?うん、私頑張ってみる!」
『アリシア』の能力がそのまま引き継がれていたら俺も魔法が使えるはずだ。
もっとソフィアや街の人たちを喜ばせてあげれるかもしれないと思うと今から楽しみだった。
0
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる