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おたがいの真実【志乃】01
しおりを挟む「信じられない……」
近くから聞こえた声は凌ちゃんのものだった。
何だか怒ってる? いつも温厚で優しい凌ちゃんにしては珍しく、トゲのある冷たい口調だ。
その声に続けて、ぱしゃんと水の跳ねるような音も聞こえた。そういえば、身体の周りがぽかぽかと温かい。
どうやらお風呂に中みたいだった。
「……凌ちゃん?」
「あ、志乃くん。気がついた?」
広い湯船の中、ボクは凌ちゃんの腕に抱えられていた。
二人の体格は同じぐらいだから、抱き合うみたいな体勢なんだけど。どうしてこんなことになってるんだろう?
ぼんやりと、間近にある凌ちゃんの顔を眺める。
「身体は痛くない? 平気?」
凌ちゃんの気づかうような声に、ボクはようやく直前の記憶を思い出した。
そういえば、身体のあちこちが少し痛くて、お尻の孔にはまだ何かが入っているような感じもする。
「……え、っと。あ、そっかぁ。ボク……シュウに抱いてもらって」
それで気を失ったんだった。
夢じゃないよね? だって、凌ちゃんもここにいるし。
「……へへ。やっと、叶った」
「志乃くん?」
「やっとシュウに抱いてもらえた……ずっと好きだったから、だからね……嬉しいんだ」
小さい頃から、凌ちゃんとこうしてるときが一番落ち着いた。泣き虫なボクを、凌ちゃんはよくこうやって抱きしめてくれたから。だからその腕に安心して、思わず本音がぽろりとこぼれる。
ビッチとして振舞っているオレじゃなくて、凌ちゃんとずっと一緒にいたときと変わらないボクの本音だ。
「秋也のこと、ずっと好きだったの?」
「うん。そうだよ……高校生のときから、ずっと」
通学途中に見かけるシュウに一目惚れして、それからずっと。受験する大学を一緒にするほど好きだったんだ。ボクの学力じゃ結構難しかったのに、それでも頑張ってここに入ったんだよ。
それで、やっと付き合えて、抱いてもらって―――、
「……ねぇ、凌ちゃん。どうやったらまたシュウに抱いてもらえるかな? ボク、うまくできたかな?」
「―――志乃くん、本当に初めてだったの?」
「そうだよ。あ、……もしかして、凌ちゃんもボクの噂、信じてた?」
「え……っと、だって。そんなに見た目も変わっちゃったから」
そっかぁ。凌ちゃんも信じてたんだ。
それなのに、シュウのことは騙せてなかった。いつからバレてたんだろう。初めてだって気づかれてた。面倒がらずに抱いてもらえてよかったけど。
こんなボクに二度目はあるんだろうか。
「……でもまぁ、大丈夫だと思うよ」
「え?」
「……凌、もういいだろ」
「っ……ぇえッ?」
後ろから聞こえた低い声は、紛れもなくシュウの声だった。同時に身体をぐいっと引かれて、気づけばシュウの腕の中に抱かれている。
待って、いつからそこにいたの? ホントにこれはどういうこと?
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