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おたがいの真実【凌】02
しおりを挟む「……両想いだって喜んだのに」
「両想い、だったの?」
「むしろ、なんだと思って俺と付き合ってたの?!」
力が抜けた。
本当に心底驚いている様子の颯斗の表情を見て、思わず笑いまで込み上げてくる。
「……笑った。よかったぁ」
頭の上に、へにょんと垂れた耳が見えたような気がした。
ほっと安心した表情の颯斗に僕の方からも抱きついて、ちゅっとその顎に唇を寄せた。
「許してくれる?」
「……もう、あんなことしない?」
「それは……、」
あれだけ謝ったのだから「もう絶対しない」と即答する思ったのに、頬をぽりぽりと掻きながら颯斗は途中で言葉を濁す。その視線を志乃くんと秋也の方へと向けた。
二人もこちらを見ている。
特に志乃くんは僕の方を真っ直ぐ見ていた。僕と目が合った瞬間、満面の笑みを浮かべる。秋也の腕の中から飛び出したかと思うと、お湯をぱしゃりと跳ねさせながら僕の方へと向かってきた。
僕に抱きついている颯斗を押しのけて、ぐっと僕の腕を取る。
「ボクはまたやりたい! 凌ちゃんと一緒がいい!」
「……志乃くんまで、何言って」
「だってー、すっごい気持ちよかったじゃん。颯斗くんので感じてる凌ちゃんの顔、ホントにエッチだったし……凌ちゃんはそんな嫌だったの?」
「―――それ、は」
嫌だった、と即答すればいいのに―――やっぱり、できなかった。そうじゃなかったからだ。確かに気持ちよかった。
志乃くんが気持ちよさそうにしてる横で抱かれるのは、その気持ちがシンクロしてるみたいで。普通に抱かれるのとは違う気持ちよさだった。
でも、こんなアブノーマルなこと、はっきりとは認められそうもない。
「ねぇ……ボクがやりたいの。凌ちゃん、付き合ってよ。他の人とは絶対嫌なの。凌ちゃんがいい。凌ちゃんじゃなきゃ嫌だ。お願い!」
そんな僕の気持ちを察したのか。志乃くんが言い方を変えた。
志乃くんは昔からそうだ。本当は僕がやりたがっていることを察してくれる。そして、まるで自分がやりたいかのように言って、そのわがままに付き合わせるような言い方で僕を誘ってくれるのだ。
志乃くんは……全然、変わってない。
「……ねぇ、だめ?」
「―――たまに、だけだよ?」
「やったぁ! やっぱり凌ちゃんは優しいね! ……ねぇ、次は騎乗位がいいな。凌ちゃんやったことある?」
優しいね、までは向こうの二人に聞こえる大きな声で言って、後半は僕の耳に耳打ちしてきた。こうやってヒソヒソ話をするのも、昔に戻ったみたいで何だか楽しい。
志乃くんに跳ねのけられた颯斗はいつの間にか、秋也の隣に移動していた。僕たちの声が急に聞こえなくなったのが気になっているようだったけど、僕も声があっちの二人に聞こえないように、そっと志乃くんの耳元に顔を寄せる。
「……ある、けど」
「じゃあ教えて。上手にやって、シュウをめろめろにさせないといけないから」
「めろめろ、って……そんなことしなくても、二人も両想いなんでしょ?」
「もうボクじゃないとだめって、言わせたいじゃん」
両想いだとわかった志乃くんは、もう新しい目標を決めたらしい。
僕もそうだ。お互い好きだとわかったからって、気を抜いていいわけじゃない。颯斗を繋ぎとめておけるかは、僕の努力にもかかってるんだ。
「二人で練習する?」
「……あ、それいいね」
そんなこと、たぶんあっちの二人が許してくれないだろうけど。
そう言って笑いあう僕たちの腕を颯斗と秋也がそれぞれ掴んで、自分の方へと引き寄せる。
「なんか、ちょっと妬けるんだけど」
「……二人は仲が良いんだな」
イケメン二人がそうやって拗ねているのは、何だか可愛い。
後ろから抱きしめられたまま、僕と志乃くんはまた視線を交わして笑いあった。
END.
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みんなの感想(4件)
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最高ですね?青春ですね??たまらんですね???
受け2人が仲良くて可愛くてエッチだし、攻め2人も一途で最高です。受け同士のキス最高です!騎○位の話も是非....!
あれよあれよと、でもとっても気持ちよくなっちゃった凌ちゃんすごく可愛かったです!
この四人のお話もっと読みたいと思いましたし、飲み会の場で告白してしまったという凌と颯斗のお付き合いするに至る話も読んでみたいなと思いました!
いこさん、ありがとうございます!!
出会いのお話もいいですね☺️いつか書いてみたいです!
受同士が仲良しなお話大好物です!
みんなラブラブで可愛い!
もっとこんな話が読みたいです♪
+.゚(´∇`人)゚+.゚
ねむねむさん、こんにちは!
お読みいただきありがとうございます!!( ´ ▽ ` )気に入っていただけて嬉しいです!
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