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第2章 勇者と最悪な出会い編
第15話 言葉の壁を飛び越えろ!
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「きゃああああああぁぁぁぁぁぁ!」
アニメや漫画じゃあるまいし、両手を上げてそんな声を出すなんて、一生起こらないとヒロも思っていた。
だが右も左も分からない異世界に放り込まれ、初めて出会った人が手に血だらけの肉塊を片手に現れたら、どう思うか? しかも地面には血の跡が点々と続き、その人物の頬に血がベッタリ付いていたら? さらにその人がニッコリ笑顔で現れたら? ……軽くホラーである!
情けない声を上げたとしても……仕方がない!
「縺ェ窶ヲ窶ヲ縺ェ繧薙〒縺吶°?溘%縺ョ莠コ縺ッ?」
(な……なんですか? あなたは?)
「縺ェ繧薙〒遘√r隕九※謔イ魑エ繧偵≠縺偵k縺ョ縺ァ縺吶?よ勸騾夐??〒縺吶h縺ュ?
(なんで私を見て、悲鳴をあげているのですか? 普通、逆ですよね!)
「縺昴l縺ォ菴輔〒荳。謇九r荳翫£縺ヲ繧「繧ス繧ウ繧定ヲ縺ォ蝗ー繧九?縺ァ縺吶′窶ヤリバヲ窶ヲ繝上縺輔′縺薙l縺悟凾縺ォ閨槭¥螟芽ウェ閠?→險?縺?些縺ェ縺?シゥ縺ァ縺吶°?」
(それに何で両手を上げてアソコを見せつけているんですか? 丸見えで目のやり場に困るのですが……ハッ! まさかこれが噂に聞く、変質者と言う危ない輩ですか⁈)
「え? この子、何を言っているんだ?」
「菴募?縺ョ蝗ス縺ョ險?闡峨〒縺吶°?溯◇縺?◆莠九′縺ェ縺?ィ?闡峨〒縺吶′窶ヲ窶ヲ
縺ゥ縺?〒繧り憶縺?〒縺吶′蜑阪r縺?>蜉?貂幃國縺励※荳九&縺?シ」
(どこの国の言葉ですか? 聞いた事がない言葉ですね。どうでもいいですけどいい加減……前を隠してください!)
ヒロは聞いた事がない言葉に困惑していた。
自分のスキル欄に表示された言語習得スキルを見た時から何となく予想はしていたが……やはり言葉が分からないとなると、不便さを禁じ得ない。
思わず悲鳴を上げてしまったが、よく見ると女性である事にヒロは気づき、可愛いらしい顔立ちの女の子の顔を見て思わずドギマギする。
普段ゲームや仕事三昧で忙しいとは言え、女性に縁がないわけではないし、ゲーマー仲間や会社の女性と普通にコミュニケーションは取れる。
そんな彼が目の前に現れた少女の顔を見た瞬間、心に動悸が走っていた。手に持った血だらけの肉塊と頬に付いた返り血がなければ、すれ違い様に十人中十人が振り返るレベルの少女……ヒロは恐怖を感じつつも心を奪われてしまった。
なんとも言えない不思議な感覚に戸惑うヒロ……だがガイアで出会えた最初の人である。
友好的に接して、何かしら情報が得なければならない。できれば人のいる町まで連れて行ってほしいところであった。
まずは敵意がないことを伝える必要がある……ヒロは社会人として培ったコミニケーションをフルに発揮し、少女に話し掛ける。
「こんにちは、いい天気ですね。僕の名前は本上英雄と言います。怖がらないでください。あなたと話をしたいだけです」
僕はできるだけ少女を警戒させないよう、フレンドリーに両手を広げながら笑顔で近づく。
「蠕?▲縺ヲ荳九&縺?シ∽ス輔〒雋エ譁ケ縺ッ荳と謇九r蠎?£縺ヲ隨鷹。斐〒遘√↓危な代▼縺上?縺些縺ェ縺?ココ縺ァ縺吶°??シ」
(待ってください! 何であなたは両手を広げて笑顔で私に近づくのですか! やはり危ない人ですか⁈)
女の子は肉塊を地面に落とし後ずさる……その表情は険しいものへと変わっていた。
「申し訳ありません。警戒させてしまったみたいです。怖がらないでください。危害を加える気はありません」
敵意がないことをヒロは両手を上げて示す。
「なェ繧薙〒縺セ縺滉ク。謇九r荳翫£縺ヲ隕九○縺、縺代k縺ョ縺ァ縺吶°?√??縺ク窶ヲ窶ヲ螟画?遒コ螳壹〒縺呻シ?シ」
(なんで両手を上げて、見せつけるのですか! へ……変態確定です!)
女の子は完全に、汚物を見る目で僕を睨むと、距離を取り離れ始めた。
完全に警戒させてしまったようだ。
(まずい、このままだと逃げられかねない)
町を目指して歩いていたはずが、いつの間にやら森に入り込み、迷い続けてはや三時間……町の方角も分からず、途方に暮れていた所で、ついに自分以外の人に出会えたのだ!
「このチャンス、見逃すわけにはいかない……町まで、何が何でも連れて行ってもらわないと!」
ヒロは考えた……言葉は通じなくても、友好的な感じをアピール出来る方法を……その時、思案するヒロの脳裏にあるイメージがよぎった!
「これしかない!」
突然声を上げたヒロが右手を前に差し出し、女の子の目を見ながら一歩前へ足を踏み出した。
元の世界では世界共通の友好を表す行為、『握手』である! ……これでダメなら最終兵器『土下座』までやる覚悟のヒロ! なりふり構っている余裕など彼にはなかった。
「繝偵ャ?√↑繧薙?縺、繧ゅj縺〒謇九r蜑阪↓手を縺励※霑代▼縺上s滂シ∫ァ√↓菴輔r縺吶k豌励〒縺吶°?私にシ滂シ?シ」
(ヒッ! なんのつもりですか? 何で手を前に出して近づくんですか? 私に何をする気ですか⁈)
「警戒しないでください。僕の名前はヒーロー、ヒーローです」
僕は空いた左手で自分を指差し、まず名前を教えることから始めた。
すると女の子は名前に反応してくれた。
僕は笑顔で何度自分を指差し、名前を連呼した。
「そうです。ヒーロー、ヒーローです。」
「ヒーロー?」
(変態?)
「YES! ヒーロー!」
「ヒーロー⁈」
(変態⁈)
「縺薙莠コ縲∬?蛻?r謖?キョ縺励※閾ェ蛻?′螟画縺縺」縺ヲ險縺縺励◆溘@縺九b貅?驕阪?隨鷹。斐〒蠖ヒーロー縺ョ讒倥↓窶ヲ窶ヲ邨カ蟇セ縺ォ髢「繧上▲縺ヲ関わっ縺¢縺ェ縺ココ縺ァ縺呻シシ」
(この人、自分を指差して、自分が変態だって言いましたか⁈ しかも満遍の笑顔で当たり前のように……絶対にかかわってはいけない人です!)
少女は険しい顔になると、さらに後ずさる!
「ちょっ、待ってください。冷静に話し合いましょう!」
だが、少女は視線をヒロに向けたまま、足元に落とした血だらけの肉塊に手を伸ばし掴むと……後方に一気に跳んで距離を明ける!
「さ縺輔h繧縺吶」
(さよならです)
「ようやく出会えた人だ! これ以上、森を彷徨う訳にはいかない! Bダッシュ!」
ヒロは女の子が跳躍すると同時に、Bダッシュを発動していた。前方へと急加速することで、少女に追いすがる!
「縺ェ縲∵早いシ」
(な、早い!)
後方へ跳び下がる少女に空中で追いつき、その細い手首をヒロが掴む。驚愕した様子の女の子と同時に地面に着地する。
「何か誤解があったみたいです。まずは話し合いましょう」
ヒロはできるだけ怖がらせないよう、少女に笑顔で話し掛けた。
「隗ヲ繧峨↑縺?〒荳九&縺まさか縺輔°隘イ縺?ー励〒縺吶°?溘d繧√※荳九&今なシ?シ滉サ翫↑繧峨∪縺?險ア縺励※縺から縺セ縺」
(触らないでください! まさか襲う気ですか? やめてください! 今ならまだ許してあげますから!)
「お願いです。町まで連れて行ってください!」
「わか縺励◆縲ゅb縺?ョコ繧九@縺九↑縺?〒縺吶?ょ、画?縺ォ髢「繧上jョコ繧峨燕縺ォ谿コ殺ら繧九′遘√?繝「繝?ヨ繝シ縺ァ縺呻シ」
(分かりました。もう殺るしかないです。変態に関わりたくはないですが、殺られる前に殺るが私のモットーです!)
少女が何かつぶやくと雰囲気が急に変わり、困惑していた顔が笑顔へと変わった。
「分かってくれましたか。良かっ『ドゴォォォォ』」
突然、強烈な腹パンチがヒロに炸裂していた。
下から突き上げるフック気味のパンチは、足の踏み出しで発生した力を、腰と腕の捻りで増幅させ、ヒロの腹を撃ち抜いていた!
声も出せず、崩れて落ちたヒロは地獄の痛みに悶絶する。
「決まり繧した縺励◆渾身のクセ霄荳謦です」
(決まりました。渾身の一撃です!)
「変態は病逞?です。早めに治してくださいね♪」
(変態は病気です。早めに治してくださいね♪)
痛みで気絶するヒロの目に最後に映ったのは、天使のような可愛らしさに、悪魔の笑みを浮かべる少女だった……。
〈ガイア大陸標準言語を習得しました〉
「世界は平和になりました♪」
〈危ない男と少女が出会う時、運命が始まるのであった!〉
アニメや漫画じゃあるまいし、両手を上げてそんな声を出すなんて、一生起こらないとヒロも思っていた。
だが右も左も分からない異世界に放り込まれ、初めて出会った人が手に血だらけの肉塊を片手に現れたら、どう思うか? しかも地面には血の跡が点々と続き、その人物の頬に血がベッタリ付いていたら? さらにその人がニッコリ笑顔で現れたら? ……軽くホラーである!
情けない声を上げたとしても……仕方がない!
「縺ェ窶ヲ窶ヲ縺ェ繧薙〒縺吶°?溘%縺ョ莠コ縺ッ?」
(な……なんですか? あなたは?)
「縺ェ繧薙〒遘√r隕九※謔イ魑エ繧偵≠縺偵k縺ョ縺ァ縺吶?よ勸騾夐??〒縺吶h縺ュ?
(なんで私を見て、悲鳴をあげているのですか? 普通、逆ですよね!)
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(それに何で両手を上げてアソコを見せつけているんですか? 丸見えで目のやり場に困るのですが……ハッ! まさかこれが噂に聞く、変質者と言う危ない輩ですか⁈)
「え? この子、何を言っているんだ?」
「菴募?縺ョ蝗ス縺ョ險?闡峨〒縺吶°?溯◇縺?◆莠九′縺ェ縺?ィ?闡峨〒縺吶′窶ヲ窶ヲ
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(どこの国の言葉ですか? 聞いた事がない言葉ですね。どうでもいいですけどいい加減……前を隠してください!)
ヒロは聞いた事がない言葉に困惑していた。
自分のスキル欄に表示された言語習得スキルを見た時から何となく予想はしていたが……やはり言葉が分からないとなると、不便さを禁じ得ない。
思わず悲鳴を上げてしまったが、よく見ると女性である事にヒロは気づき、可愛いらしい顔立ちの女の子の顔を見て思わずドギマギする。
普段ゲームや仕事三昧で忙しいとは言え、女性に縁がないわけではないし、ゲーマー仲間や会社の女性と普通にコミュニケーションは取れる。
そんな彼が目の前に現れた少女の顔を見た瞬間、心に動悸が走っていた。手に持った血だらけの肉塊と頬に付いた返り血がなければ、すれ違い様に十人中十人が振り返るレベルの少女……ヒロは恐怖を感じつつも心を奪われてしまった。
なんとも言えない不思議な感覚に戸惑うヒロ……だがガイアで出会えた最初の人である。
友好的に接して、何かしら情報が得なければならない。できれば人のいる町まで連れて行ってほしいところであった。
まずは敵意がないことを伝える必要がある……ヒロは社会人として培ったコミニケーションをフルに発揮し、少女に話し掛ける。
「こんにちは、いい天気ですね。僕の名前は本上英雄と言います。怖がらないでください。あなたと話をしたいだけです」
僕はできるだけ少女を警戒させないよう、フレンドリーに両手を広げながら笑顔で近づく。
「蠕?▲縺ヲ荳九&縺?シ∽ス輔〒雋エ譁ケ縺ッ荳と謇九r蠎?£縺ヲ隨鷹。斐〒遘√↓危な代▼縺上?縺些縺ェ縺?ココ縺ァ縺吶°??シ」
(待ってください! 何であなたは両手を広げて笑顔で私に近づくのですか! やはり危ない人ですか⁈)
女の子は肉塊を地面に落とし後ずさる……その表情は険しいものへと変わっていた。
「申し訳ありません。警戒させてしまったみたいです。怖がらないでください。危害を加える気はありません」
敵意がないことをヒロは両手を上げて示す。
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女の子は完全に、汚物を見る目で僕を睨むと、距離を取り離れ始めた。
完全に警戒させてしまったようだ。
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町を目指して歩いていたはずが、いつの間にやら森に入り込み、迷い続けてはや三時間……町の方角も分からず、途方に暮れていた所で、ついに自分以外の人に出会えたのだ!
「このチャンス、見逃すわけにはいかない……町まで、何が何でも連れて行ってもらわないと!」
ヒロは考えた……言葉は通じなくても、友好的な感じをアピール出来る方法を……その時、思案するヒロの脳裏にあるイメージがよぎった!
「これしかない!」
突然声を上げたヒロが右手を前に差し出し、女の子の目を見ながら一歩前へ足を踏み出した。
元の世界では世界共通の友好を表す行為、『握手』である! ……これでダメなら最終兵器『土下座』までやる覚悟のヒロ! なりふり構っている余裕など彼にはなかった。
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「警戒しないでください。僕の名前はヒーロー、ヒーローです」
僕は空いた左手で自分を指差し、まず名前を教えることから始めた。
すると女の子は名前に反応してくれた。
僕は笑顔で何度自分を指差し、名前を連呼した。
「そうです。ヒーロー、ヒーローです。」
「ヒーロー?」
(変態?)
「YES! ヒーロー!」
「ヒーロー⁈」
(変態⁈)
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(この人、自分を指差して、自分が変態だって言いましたか⁈ しかも満遍の笑顔で当たり前のように……絶対にかかわってはいけない人です!)
少女は険しい顔になると、さらに後ずさる!
「ちょっ、待ってください。冷静に話し合いましょう!」
だが、少女は視線をヒロに向けたまま、足元に落とした血だらけの肉塊に手を伸ばし掴むと……後方に一気に跳んで距離を明ける!
「さ縺輔h繧縺吶」
(さよならです)
「ようやく出会えた人だ! これ以上、森を彷徨う訳にはいかない! Bダッシュ!」
ヒロは女の子が跳躍すると同時に、Bダッシュを発動していた。前方へと急加速することで、少女に追いすがる!
「縺ェ縲∵早いシ」
(な、早い!)
後方へ跳び下がる少女に空中で追いつき、その細い手首をヒロが掴む。驚愕した様子の女の子と同時に地面に着地する。
「何か誤解があったみたいです。まずは話し合いましょう」
ヒロはできるだけ怖がらせないよう、少女に笑顔で話し掛けた。
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(触らないでください! まさか襲う気ですか? やめてください! 今ならまだ許してあげますから!)
「お願いです。町まで連れて行ってください!」
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(分かりました。もう殺るしかないです。変態に関わりたくはないですが、殺られる前に殺るが私のモットーです!)
少女が何かつぶやくと雰囲気が急に変わり、困惑していた顔が笑顔へと変わった。
「分かってくれましたか。良かっ『ドゴォォォォ』」
突然、強烈な腹パンチがヒロに炸裂していた。
下から突き上げるフック気味のパンチは、足の踏み出しで発生した力を、腰と腕の捻りで増幅させ、ヒロの腹を撃ち抜いていた!
声も出せず、崩れて落ちたヒロは地獄の痛みに悶絶する。
「決まり繧した縺励◆渾身のクセ霄荳謦です」
(決まりました。渾身の一撃です!)
「変態は病逞?です。早めに治してくださいね♪」
(変態は病気です。早めに治してくださいね♪)
痛みで気絶するヒロの目に最後に映ったのは、天使のような可愛らしさに、悪魔の笑みを浮かべる少女だった……。
〈ガイア大陸標準言語を習得しました〉
「世界は平和になりました♪」
〈危ない男と少女が出会う時、運命が始まるのであった!〉
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