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第一章 眩きレブレーベント
第二話 王女との出会いは疑いから⑤
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レブレーベント城地下には、巨大な書庫がある。
図書館を思わせるほど綺麗に整頓されており、どことなくワクワクするような空気を漂わせているが、一般には公開されておらず、国民のための図書館は別に存在する。ここは王族やその身近にいる者だけが踏み入ることのできる、国の機密までも整理した特別な書庫だ。
リシアに連れられて書庫に入ると、すぐに、ある人物が先に入っていることに気づいた。
誰あろう、アレイン王女である。リシアが丁寧に頭を下げると、アレインは煩わしそうに手を振った。
「気にしないで。ただ私も書物を読みたいの。邪魔をしないから、邪魔しないでね」
女王もそうだがレブレーベントの王族は、総司がイメージする王の一族よりも随分とフランクな印象を受けた。
にも関わらず、先ほどのカルザスもそうだったが、リシアは今も、どこかアレイン王女を警戒するような、不可解な仕草を、目つきをしている。
その理由を問いただしたいところだったが、アレイン王女本人を前に聞くわけにもいかず、総司はもどかしさを覚えた。
「――――ひとまずは、こんなものか」
「いや、こんなものってお前よぉ……」
目の前にうずたかく積み上げられた本の山を前に、総司はげんなりした様子で言った。
「何十冊あるんだよ」
「お前にはあまりにも知識がない。だがそれをいつまでも嘆いていられんし、この先言い訳もしていられんだろう。つまり詰め込むしかないということだ。なに、案ずるな」
リシアは一冊、本を手に取ってパラパラと開きながら、
「リスティリアにまつわる様々なこと――――歴史や地理など。それを子供向けに編纂したものが大半だ。苦にはならんだろう。文字は読めるのだな?」
「ああ、それは大丈夫だった」
シエルダの看板やレブレーベントの標識を見て、その事実は確認済みだ。
「まずはひたすら読んで覚えろ。夜には講師を招いて、リスティリアの現状を簡単に講義していただく予定だ」
「講師?」
「宰相閣下がお引き受けくださった。あの御方は大変厳しい故、気を引き締めて予習するように」
「げっ……マジかよ……」
「私にも多少の雑務があるのでな。一旦離れるが、サボると夜が怖いぞ」
「はいはい……」
リシアが足早に去っていく。総司は仕方なく、本の一冊を手に取って読むことにした。
読んでみると、なかなか面白い。それもそのはずか、と一人で納得する。
総司がいた世界と異なる世界の歴史や常識の話である。つまりはこれそのものが、総司にとっては「物語」なのだ。リスティリアの子供たちにとっては面倒なお勉強、という位置づけになるかもしれないが、総司にしてみれば娯楽小説を読んでいる気分なのである。
リスティリアの歴史――――というよりは、レブレーベントの成り立ちや歴史、という感じの本をまずは読んだ。
リスティリアの女神が地上に恵みをもたらした時、彼女は自らの力の残滓を更に七つに分け、七つの異なる国々へ与えた。その恵みが礎となって、リスティリアには力ある七の国々が出来上がった。
そのうちの一つがレブレーベントだ、という話を読んで、総司は女王の言葉を思い出す。
七つの鍵を集め神域への扉を開く。あのおとぎ話は、この物語を表現しているのではないかと思った。その話の道筋に従えば、七つの大国にある「恵み」の象徴とやらを集めなければならないということになるが、女王はあくまでも、「レブレーベントにはそう伝わっているだけ」と話していた。
レヴァンチェスカに、恐らく彼女の思念体じみたものであろうとは言え、直接会っているのだから、あの時この話の知識があれば、いろいろと質問も出来たのに。思い起こすほど、女神と二人で過ごした時間が悔やまれる。リスティリアの下界において「伝説」と称される物語の数々において、本当のところどうだったのかということを、レヴァンチェスカは知っているはずなのだから。
「児童書なんか読んで、何を学べるというのかしら」
不意に、総司が読み進めていた本がひょいっと掻っ攫われた。
アレイン王女が静かに総司の後ろに立ち、本を取り上げていた。
「あ、ちょっと。邪魔しないんじゃなかったんですか?」
「気分よ、気分。あぁ、それと」
アレインは悪戯っぽく笑って、
「敬語は結構。歳も近いでしょうしね、気楽にどうぞ」
総司は結局のところ、リシアの部下として騎士団に所属する立場になる。王族に気軽に声を掛けるというのは憚られるところだろうが、アレインの有無を言わさない口調には何故か、下手に逆らえない気がした。
「……わかった。で、とりあえず返してくれ。何の用だ?」
「興味が湧いたの。こんなものを真剣な顔で読みふけるあなたにね」
アレインは本を総司に返して、続けて聞いた。
「伝説やおとぎ話が知りたいの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど」
「……その剣。どこで手に入れたものかしら」
「答える必要があるか?」
「あるわ。王女の質問よ?」
「おっと……恩人から貰ったものだ。大事なものだよ」
「そう……ええ、そうね」
アレインは謎めいた相槌を打った。どこか会話の流れがおかしい。しかし、総司にはその違和感の正体がわからなかった。
「“彼女”の意図するところがどうであれ、既に幕は上がったということ。女神の楔が下界にあるのだから、決戦もそう遠くないのでしょうね」
「……何の――――話をしている……?」
「あら、わからない?」
今度こそ気のせいではなかった。
アメジスト色とはつまり、透き通るような紫色。その眼光に、ただ美しいはずの瞳に。
雷光のような“紫電の光”が、一瞬、確かに煌めくのを見た。
テーブルに立てかけていたリバース・オーダーに、総司が飛びついた。
だが、アレインは妖しい笑みを浮かべるだけ。
彼女に敵意はない。殺意めいたものも、総司に叩き付けるような魔力の気配も微塵もない。
だというのに、彼女の目は、笑みは、あまりにも冷たかった。それが彼女の生来持って生まれた特徴なのだとしても――――
「ちょっと待て、オイ、それは……!」
「神域に辿り着く方法は一つではないわ」
総司の警戒も、むき出しの敵意もどこ吹く風。アレインは茶飲み話でもするかのような気楽さで、テーブルに腰を落ち着け、体重を預けながら語る。
「国によって、地域によってその伝わり方が違うのは、複数の手段を切り取っておとぎ話に起こしたからに過ぎない。しかしそのいずれの手段でも、必要となるものは似ている」
古ぼけた表紙の本を、一冊、アレインが手に取った。
彼女がぴっと指を弾くような動きをすると、本が空中を滑り、総司の手元に収まった。
総司はここでようやく――――アレインが、“彼女”と同じ紫電の力を湛えているというだけではない、もう一つの違和感の正体に気づいた。
アレインは、カルザスやリシアの前で、総司のことを「たまたまシエルダの悲劇に居合わせた旅の者」と聞いていたふりをしていたはずだ。リシアも、その認識を正しいものとしていた。
つまり、リシアや女王だけでなく、ビスティーク宰相にも知らされていた総司の素性を、アレインは知らされていなかったということ。
にも関わらず彼女は今、間違いなく、総司を「女神の騎士」として扱い、話している。
彼女は知っているのだ――――総司のことも、恐らくはあの紫電の騎士のことも。
「よく読んでおきなさい。あなたにとって、決して無駄ではない情報がその中にある。気が向いたら私の部屋に来るといいわ。興味を持ってもらえる話がないわけではないしね」
「……アレイン」
もう、“様”と付ける気分にもなれなかった。
彼女は総司の敵だと判断できるわけではない。微笑む彼女にはやはり何ら、敵対的な行動も言動もないからだ。
しかし、油断できなかった。もう気を許す気にはなれなかった。
「あんたはいったい何者だ」
「レブレーベントの王女よ。その身分に嘘偽りはないし、何かにとりつかれているわけでもない。私は昔からの私のままよ、リシアやカルザスが警戒する通りのね」
アメジスト色の瞳の中に、さっき確かに垣間見えた紫電の光はもう見えなかった。
「そうね、私のことはあの二人に聞いておきなさいな。損はしないと思うわ、多分ね。それじゃ、そろそろ失礼しましょうか」
アレインは静かに、ふわりとテーブルから降りて、出口の扉へ向かった。
「あぁ、そうそう」
出ていく直前、振り向くことなく、彼女はこんなことを言う。
「まあ別に、過度に隠すほどのことでもないけれど、リシアには、私があなたのことを“よく知っている”ってことは報告しないでくれる? さっきも言った通り、あの子には警戒されているの」
「……それが、俺やリシアの利益になるか?」
「さあ、そこまではわからないけど」
アレインは相変わらず気楽な調子でそう言って、総司の前から消えた。
総司は、未だリバース・オーダーの柄を握りしめたまま、必死で思考を巡らせていた。
図書館を思わせるほど綺麗に整頓されており、どことなくワクワクするような空気を漂わせているが、一般には公開されておらず、国民のための図書館は別に存在する。ここは王族やその身近にいる者だけが踏み入ることのできる、国の機密までも整理した特別な書庫だ。
リシアに連れられて書庫に入ると、すぐに、ある人物が先に入っていることに気づいた。
誰あろう、アレイン王女である。リシアが丁寧に頭を下げると、アレインは煩わしそうに手を振った。
「気にしないで。ただ私も書物を読みたいの。邪魔をしないから、邪魔しないでね」
女王もそうだがレブレーベントの王族は、総司がイメージする王の一族よりも随分とフランクな印象を受けた。
にも関わらず、先ほどのカルザスもそうだったが、リシアは今も、どこかアレイン王女を警戒するような、不可解な仕草を、目つきをしている。
その理由を問いただしたいところだったが、アレイン王女本人を前に聞くわけにもいかず、総司はもどかしさを覚えた。
「――――ひとまずは、こんなものか」
「いや、こんなものってお前よぉ……」
目の前にうずたかく積み上げられた本の山を前に、総司はげんなりした様子で言った。
「何十冊あるんだよ」
「お前にはあまりにも知識がない。だがそれをいつまでも嘆いていられんし、この先言い訳もしていられんだろう。つまり詰め込むしかないということだ。なに、案ずるな」
リシアは一冊、本を手に取ってパラパラと開きながら、
「リスティリアにまつわる様々なこと――――歴史や地理など。それを子供向けに編纂したものが大半だ。苦にはならんだろう。文字は読めるのだな?」
「ああ、それは大丈夫だった」
シエルダの看板やレブレーベントの標識を見て、その事実は確認済みだ。
「まずはひたすら読んで覚えろ。夜には講師を招いて、リスティリアの現状を簡単に講義していただく予定だ」
「講師?」
「宰相閣下がお引き受けくださった。あの御方は大変厳しい故、気を引き締めて予習するように」
「げっ……マジかよ……」
「私にも多少の雑務があるのでな。一旦離れるが、サボると夜が怖いぞ」
「はいはい……」
リシアが足早に去っていく。総司は仕方なく、本の一冊を手に取って読むことにした。
読んでみると、なかなか面白い。それもそのはずか、と一人で納得する。
総司がいた世界と異なる世界の歴史や常識の話である。つまりはこれそのものが、総司にとっては「物語」なのだ。リスティリアの子供たちにとっては面倒なお勉強、という位置づけになるかもしれないが、総司にしてみれば娯楽小説を読んでいる気分なのである。
リスティリアの歴史――――というよりは、レブレーベントの成り立ちや歴史、という感じの本をまずは読んだ。
リスティリアの女神が地上に恵みをもたらした時、彼女は自らの力の残滓を更に七つに分け、七つの異なる国々へ与えた。その恵みが礎となって、リスティリアには力ある七の国々が出来上がった。
そのうちの一つがレブレーベントだ、という話を読んで、総司は女王の言葉を思い出す。
七つの鍵を集め神域への扉を開く。あのおとぎ話は、この物語を表現しているのではないかと思った。その話の道筋に従えば、七つの大国にある「恵み」の象徴とやらを集めなければならないということになるが、女王はあくまでも、「レブレーベントにはそう伝わっているだけ」と話していた。
レヴァンチェスカに、恐らく彼女の思念体じみたものであろうとは言え、直接会っているのだから、あの時この話の知識があれば、いろいろと質問も出来たのに。思い起こすほど、女神と二人で過ごした時間が悔やまれる。リスティリアの下界において「伝説」と称される物語の数々において、本当のところどうだったのかということを、レヴァンチェスカは知っているはずなのだから。
「児童書なんか読んで、何を学べるというのかしら」
不意に、総司が読み進めていた本がひょいっと掻っ攫われた。
アレイン王女が静かに総司の後ろに立ち、本を取り上げていた。
「あ、ちょっと。邪魔しないんじゃなかったんですか?」
「気分よ、気分。あぁ、それと」
アレインは悪戯っぽく笑って、
「敬語は結構。歳も近いでしょうしね、気楽にどうぞ」
総司は結局のところ、リシアの部下として騎士団に所属する立場になる。王族に気軽に声を掛けるというのは憚られるところだろうが、アレインの有無を言わさない口調には何故か、下手に逆らえない気がした。
「……わかった。で、とりあえず返してくれ。何の用だ?」
「興味が湧いたの。こんなものを真剣な顔で読みふけるあなたにね」
アレインは本を総司に返して、続けて聞いた。
「伝説やおとぎ話が知りたいの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど」
「……その剣。どこで手に入れたものかしら」
「答える必要があるか?」
「あるわ。王女の質問よ?」
「おっと……恩人から貰ったものだ。大事なものだよ」
「そう……ええ、そうね」
アレインは謎めいた相槌を打った。どこか会話の流れがおかしい。しかし、総司にはその違和感の正体がわからなかった。
「“彼女”の意図するところがどうであれ、既に幕は上がったということ。女神の楔が下界にあるのだから、決戦もそう遠くないのでしょうね」
「……何の――――話をしている……?」
「あら、わからない?」
今度こそ気のせいではなかった。
アメジスト色とはつまり、透き通るような紫色。その眼光に、ただ美しいはずの瞳に。
雷光のような“紫電の光”が、一瞬、確かに煌めくのを見た。
テーブルに立てかけていたリバース・オーダーに、総司が飛びついた。
だが、アレインは妖しい笑みを浮かべるだけ。
彼女に敵意はない。殺意めいたものも、総司に叩き付けるような魔力の気配も微塵もない。
だというのに、彼女の目は、笑みは、あまりにも冷たかった。それが彼女の生来持って生まれた特徴なのだとしても――――
「ちょっと待て、オイ、それは……!」
「神域に辿り着く方法は一つではないわ」
総司の警戒も、むき出しの敵意もどこ吹く風。アレインは茶飲み話でもするかのような気楽さで、テーブルに腰を落ち着け、体重を預けながら語る。
「国によって、地域によってその伝わり方が違うのは、複数の手段を切り取っておとぎ話に起こしたからに過ぎない。しかしそのいずれの手段でも、必要となるものは似ている」
古ぼけた表紙の本を、一冊、アレインが手に取った。
彼女がぴっと指を弾くような動きをすると、本が空中を滑り、総司の手元に収まった。
総司はここでようやく――――アレインが、“彼女”と同じ紫電の力を湛えているというだけではない、もう一つの違和感の正体に気づいた。
アレインは、カルザスやリシアの前で、総司のことを「たまたまシエルダの悲劇に居合わせた旅の者」と聞いていたふりをしていたはずだ。リシアも、その認識を正しいものとしていた。
つまり、リシアや女王だけでなく、ビスティーク宰相にも知らされていた総司の素性を、アレインは知らされていなかったということ。
にも関わらず彼女は今、間違いなく、総司を「女神の騎士」として扱い、話している。
彼女は知っているのだ――――総司のことも、恐らくはあの紫電の騎士のことも。
「よく読んでおきなさい。あなたにとって、決して無駄ではない情報がその中にある。気が向いたら私の部屋に来るといいわ。興味を持ってもらえる話がないわけではないしね」
「……アレイン」
もう、“様”と付ける気分にもなれなかった。
彼女は総司の敵だと判断できるわけではない。微笑む彼女にはやはり何ら、敵対的な行動も言動もないからだ。
しかし、油断できなかった。もう気を許す気にはなれなかった。
「あんたはいったい何者だ」
「レブレーベントの王女よ。その身分に嘘偽りはないし、何かにとりつかれているわけでもない。私は昔からの私のままよ、リシアやカルザスが警戒する通りのね」
アメジスト色の瞳の中に、さっき確かに垣間見えた紫電の光はもう見えなかった。
「そうね、私のことはあの二人に聞いておきなさいな。損はしないと思うわ、多分ね。それじゃ、そろそろ失礼しましょうか」
アレインは静かに、ふわりとテーブルから降りて、出口の扉へ向かった。
「あぁ、そうそう」
出ていく直前、振り向くことなく、彼女はこんなことを言う。
「まあ別に、過度に隠すほどのことでもないけれど、リシアには、私があなたのことを“よく知っている”ってことは報告しないでくれる? さっきも言った通り、あの子には警戒されているの」
「……それが、俺やリシアの利益になるか?」
「さあ、そこまではわからないけど」
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