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アルベールが笑うと胸がきゅうっとなる。
痛いとか苦しいとか、そういうのと違って、でも似てるといえば似ているような。
「ん……っ」
「そりゃあイヴが我慢出来なくて自分で触っちゃうとかあるかもしれないけど」
「ないっ……」
「準備をするのも楽しいものだよ、僕とレオンさまの特権だし、ほらこうやってかわいいイヴがよく見れる」
「んや……っ、ンう、」
「ふふ、今締まった」
「……ッんあ!」
褒めたりとか、好意的な言葉とか。
そういうの、言ったらおれが悦ぶって、もう知ってる癖に。
「どれ、俺にも見せてくれ」
「ンっう、」
すぐ後ろを支えていたレオンがおれを滑らせる。
レオンの膝に頭を載せるような格好になり、笑みを浮かべるレオンのかおがよく見えるようになった。
ということはつまりレオンにもよく見えるということ。
思わず腕を上げて隠そうとしたけれど、掴まれたままの腕ではそれは叶わなかった。
「ぅあ……!」
「ん、これでかわいいイヴが見やすくなったな」
「んー……ッ」
「気持ちいいとこ触って貰ってよかったねえ」
片手でおれの腕をがっしり掴んでおきながら、もう片手を胸元に這わす。
ぞわぞわして、肩口に力が入る。
アルベールは気持ちいいとこ、と言うけれど、レオンの指は肝心なところには触れていない。
わざとかな、意地悪かな、これ。
そんなところ触ったって女のひとじゃないし、そんな真っ平らな胸、揉むだけじゃあ……いや、これで女のひとも気持ちいいのかどうかなんて、おれは知らないけれど。
「ん……はっ、ぁう、」
そう思うのに、息が上がるのは何でだろう。
動かないアルベールの指を締め付けちゃうのは何でだろう。
おれ、触られるだけでも気持ちよくなっちゃってんのかな。
「レオン、さまっ……」
「んー?」
「……触り方っ、」
「触り方?」
そこじゃなくて、先端の方触って、なんて言える筈もなくて、唇をぎゅうと噛み締めてしまう。
アルベールならわかってくれるのに。
いや、レオンだって、わかってるけど、そうしてくれないだけ。
ふいと視線を避けると、頬を掴み、真上を向かせられる。
強引で、でもぶつかった視線は酷く甘ったるいもの。
そうやって愛しそうに口元を緩ませる癖に、触れる指先だけ焦れったい。
もっとちゃんと触ってほしい。
「んっ」
その思いが通じたのか、指先がつんと先端に触れて、びくんと腰が跳ねた。
その衝撃でまたアルベールの指を締め付ける。
そのお返しのようにナカでその指が開いて、進んで、擦られる。
固く閉じてしまっても、もう知ってしまってるからかな、前よりも拓かれるのは容易く感じた。
「手、離して……」
「お前はすぐ隠すから駄目だ」
「やだ、離して」
「駄目」
「これいやだ……」
「イヴがもうちょっとどろどろになったら離してやろうな」
「……っ」
確かにすぐにかおや口を隠してしまうけど、でもずっと腕を掴まれているのはしんどい。
自分の意思でその手を動かせないのは辛い。
気持ちよくてもこわくても、力を逃がすことも安心することも出来ないのは辛い。
「こ、これより、ぎゅってしてくれる方がいいっ……」
「ぎゅって?手を?」
「ん、うん……っ」
「……どこで覚えてくるんだろうなあ、そういうの」
ほら、と手首を離されて、すぐにそのレオンの指に自分のものを絡ませる。
すり、とその掴んだ手を頬に寄せると、溜息を吐いたのがわかった。
こんなことでも笑うふたりに簡単だな、と思う。相手はおれなのに。
ここは無条件に愛されるゲームの中じゃあないのに。
イヴじゃなくてごめんね、とも思うけれど、殆ど似たようなものだから。
ちゃんとこの記憶もイヴに残る筈だから。
イヴだってちゃんとふたりのこと、だいすきだから。
だっておれはイヴだし、わかるから。
「すき……」
離れたくないな、と思う。
だってこんなにおれのことを愛してくれるひとなんて、ひとたちだなんてきっともういないんだろう。
夢のように優しい家族と、戸惑うくらい愛を伝えてくれるひと。自分を信用してくれるひと。
愛莉以外の欲しいものは全てこの世界にあって、それはおれのもので、おれのものじゃあない。
返さなきゃとわかっていても、返したくないと思ってしまっても、変える力をおれは持ってない。
よくわからない力でここに連れてこられて、また何かよくわからない力で、ここから離れるんだろうなあとぼんやり思うだけ。
何かの間違いでこのままここに居たいし、愛莉に会いたいし、イヴに返してあげたいし、……そんなもの全てが叶うことはある訳ないのに。
「……レオンさまも、アル兄さまも、みんな」
消えるようなその声に、レオンですら揶揄わなかった。
そうか、と優しく頷いて、頬を撫でる。
「俺も、お前もアルベールも愛してるよ」
そうストレートに言葉にしてくれるのが嬉しい。
ちょっと気障で、でも真っ直ぐな言葉。
イヴだけを愛してるよというより、ずっとずっと嬉しい。
「ええ、愛してます」
口元を綻ばせてアルベールも続ける。
擽ったくて、胸の奥がきゅうきゅうするような、甘い声。
忘れないように、全部仕舞っておきたい。
痛いとか苦しいとか、そういうのと違って、でも似てるといえば似ているような。
「ん……っ」
「そりゃあイヴが我慢出来なくて自分で触っちゃうとかあるかもしれないけど」
「ないっ……」
「準備をするのも楽しいものだよ、僕とレオンさまの特権だし、ほらこうやってかわいいイヴがよく見れる」
「んや……っ、ンう、」
「ふふ、今締まった」
「……ッんあ!」
褒めたりとか、好意的な言葉とか。
そういうの、言ったらおれが悦ぶって、もう知ってる癖に。
「どれ、俺にも見せてくれ」
「ンっう、」
すぐ後ろを支えていたレオンがおれを滑らせる。
レオンの膝に頭を載せるような格好になり、笑みを浮かべるレオンのかおがよく見えるようになった。
ということはつまりレオンにもよく見えるということ。
思わず腕を上げて隠そうとしたけれど、掴まれたままの腕ではそれは叶わなかった。
「ぅあ……!」
「ん、これでかわいいイヴが見やすくなったな」
「んー……ッ」
「気持ちいいとこ触って貰ってよかったねえ」
片手でおれの腕をがっしり掴んでおきながら、もう片手を胸元に這わす。
ぞわぞわして、肩口に力が入る。
アルベールは気持ちいいとこ、と言うけれど、レオンの指は肝心なところには触れていない。
わざとかな、意地悪かな、これ。
そんなところ触ったって女のひとじゃないし、そんな真っ平らな胸、揉むだけじゃあ……いや、これで女のひとも気持ちいいのかどうかなんて、おれは知らないけれど。
「ん……はっ、ぁう、」
そう思うのに、息が上がるのは何でだろう。
動かないアルベールの指を締め付けちゃうのは何でだろう。
おれ、触られるだけでも気持ちよくなっちゃってんのかな。
「レオン、さまっ……」
「んー?」
「……触り方っ、」
「触り方?」
そこじゃなくて、先端の方触って、なんて言える筈もなくて、唇をぎゅうと噛み締めてしまう。
アルベールならわかってくれるのに。
いや、レオンだって、わかってるけど、そうしてくれないだけ。
ふいと視線を避けると、頬を掴み、真上を向かせられる。
強引で、でもぶつかった視線は酷く甘ったるいもの。
そうやって愛しそうに口元を緩ませる癖に、触れる指先だけ焦れったい。
もっとちゃんと触ってほしい。
「んっ」
その思いが通じたのか、指先がつんと先端に触れて、びくんと腰が跳ねた。
その衝撃でまたアルベールの指を締め付ける。
そのお返しのようにナカでその指が開いて、進んで、擦られる。
固く閉じてしまっても、もう知ってしまってるからかな、前よりも拓かれるのは容易く感じた。
「手、離して……」
「お前はすぐ隠すから駄目だ」
「やだ、離して」
「駄目」
「これいやだ……」
「イヴがもうちょっとどろどろになったら離してやろうな」
「……っ」
確かにすぐにかおや口を隠してしまうけど、でもずっと腕を掴まれているのはしんどい。
自分の意思でその手を動かせないのは辛い。
気持ちよくてもこわくても、力を逃がすことも安心することも出来ないのは辛い。
「こ、これより、ぎゅってしてくれる方がいいっ……」
「ぎゅって?手を?」
「ん、うん……っ」
「……どこで覚えてくるんだろうなあ、そういうの」
ほら、と手首を離されて、すぐにそのレオンの指に自分のものを絡ませる。
すり、とその掴んだ手を頬に寄せると、溜息を吐いたのがわかった。
こんなことでも笑うふたりに簡単だな、と思う。相手はおれなのに。
ここは無条件に愛されるゲームの中じゃあないのに。
イヴじゃなくてごめんね、とも思うけれど、殆ど似たようなものだから。
ちゃんとこの記憶もイヴに残る筈だから。
イヴだってちゃんとふたりのこと、だいすきだから。
だっておれはイヴだし、わかるから。
「すき……」
離れたくないな、と思う。
だってこんなにおれのことを愛してくれるひとなんて、ひとたちだなんてきっともういないんだろう。
夢のように優しい家族と、戸惑うくらい愛を伝えてくれるひと。自分を信用してくれるひと。
愛莉以外の欲しいものは全てこの世界にあって、それはおれのもので、おれのものじゃあない。
返さなきゃとわかっていても、返したくないと思ってしまっても、変える力をおれは持ってない。
よくわからない力でここに連れてこられて、また何かよくわからない力で、ここから離れるんだろうなあとぼんやり思うだけ。
何かの間違いでこのままここに居たいし、愛莉に会いたいし、イヴに返してあげたいし、……そんなもの全てが叶うことはある訳ないのに。
「……レオンさまも、アル兄さまも、みんな」
消えるようなその声に、レオンですら揶揄わなかった。
そうか、と優しく頷いて、頬を撫でる。
「俺も、お前もアルベールも愛してるよ」
そうストレートに言葉にしてくれるのが嬉しい。
ちょっと気障で、でも真っ直ぐな言葉。
イヴだけを愛してるよというより、ずっとずっと嬉しい。
「ええ、愛してます」
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擽ったくて、胸の奥がきゅうきゅうするような、甘い声。
忘れないように、全部仕舞っておきたい。
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