92 / 161
92*
しおりを挟む
焦らされるような時間に頭がどうにかなりそうだった。
意地悪とかじゃなくて、おれの躰を考えてくれてのことだってわかってるのに。
「んッう、うう……ん、あ、ッ」
そういえば、今日はまだちゃんとイってない。軽くしか。
だからこんなにぐるぐるしてるんだろうか。
早く出したい、すっきりしたい、もっと気持ちよくなりたい。
下半身に伸ばした手が止められ、待って、と今更頭上で縫い止められる。
えっ、と戸惑ってる間に、挿入るよ、と囁かれた。
大丈夫?と優しく訊かれ、頷く。
大丈夫、ずっと待ってた。
「……っん!あ……ッ」
ゆっくりとナカに挿入される感覚。
最初は苦しくて、次の瞬間にはもう腰が砕けそうになる。
「んあ……あ、ん……ッ」
びりびりする場所だ。
なんでそうなるのかはわからないけど。でもここ、考えられなくなるくらい、気持ちいいっていう感情にだけなっちゃう。
「あッ、まっ、や、きもちいっ……」
何度もそこを狙われ、達しそうになったところで奥に進まれる。
悔しい、イきたい、でも今イったら辛い、折角なんだからジルと一緒がいい、と唇を噛んで耐える。
「だから噛んじゃだめだって」
「らってっ……んうう、き、きもちぃ、いっ……」
「今日は下触らないでイける?」
「や、やあ、さわっ、さわりたっ……」
「ん、じゃあ俺が触ろうか?」
「っ、ん、じる、ジルがっ、触っ……んうッ」
すり、と頬を寄せる。
ジルが息を呑んで、素直なユキはやっぱりかわいいね、と呟いた。
そう、それでいいから、早く、もうちょっと……もう、早く動いて欲しい。
お願いした通り、ジルがおれのものに触れる。
びくんと躰が跳ねて、ナカがぎゅっとなったのが自分でもわかった。
それでまた気持ちよくなっちゃってるのが救われない。全部絶対気持ちいい。
「んあっ、あ、ッあ……は、ぁん、む、むり、あ、だめ、ジルぅ……」
「ん、よく我慢したね」
「……っはぁ、や、あぁッ……ん!」
奥を突かれて、ジルの優しい許可を得て、びゅく、と白いものを放出してしまう。
暫くお互いの荒い息だけを聞いていた。
躰を離すことはまだ出来ない。
ぴったりとくっついたまま、ちょっと眠いなと思いつつ、今寝ちゃうのは勿体ない、と眠気に抗う。
ふたりとも躰が熱くて、でもその熱さが心地好い。
「あ、お風呂……っ」
「大丈夫」
「や、躰べとべと……」
俺が片付けをするよ、と言うジルに首を振る。
寝てる時でもどうかと思う……というかだめなのに、起きてる状態でその許可を出す訳にはいかない。
それに今日はいつもより……その、長引かなかったから、まだ動ける。多分。
怠い体に鞭を打ち、シャワーに、と思っていると、外からばたばたばた、と走る音と、扉ががちゃん!と勢いよく開く音がして、何事、と思わずシーツにくるまってしまった。
……ジルまで一緒に。
「優希ーっ、早速寝に来っ…………えっ」
明るい声がぴたりと止まって……急に入ってきた遥陽の大きな瞳がおれたちを捉えた。
ななななんで急に!?寝に来た!?なんで!?いや良いって言ったけど、このタイミングで!?い、言い訳をしなきゃ!何で遥陽が!?急に!?いや言い訳!とぐるぐるしてる間に、ばたんと扉が閉められる。
……遥陽が出て行ってしまった。言い訳をさせて貰えぬ内に。
取り敢えずの安堵と、いやばっちり見られてしまったから、という焦りと、固まった遥陽の顔が頭から離れなくて、どうしようどうしようどうしようどうしよう、えっどうしたらいいの、と混乱する。
と、また勢いよく扉が開かれた。
「やっぱ待って、それは合意なの!?」
「へっ」
「合意だが」
「うわあああああ!」
「えええええ」
しれっと答えるジルに、遥陽が発狂し、おれはそんな簡単に答えるのかと驚いてしまう。
何この空間、地獄か。さっきまでの多幸感はどこにいった。
「まっ、待って、待って、えっ、あのさ……えっ、ふたりとも、えっ……その、えっ、えっちなこと、してたよね、それ?」
「……!」
「え、なんで、なんで?」
「理由がいるかな」
「うっ、うるさいっ、えっ、なに、なんなの、優希、これなに、え、つ、付き合ってる、の!?」
混乱したままの遥陽が声を震わせながら訊く。
もうこの場で落ち着いてるのはジルだけだった。なんか若干煽ってるようにも感じるけど、きっと気の所為だ。きっと。
「え、うそ、うそでしょ、優希が?」
「ごめん……」
「優希が謝るとこじゃないじゃん!」
「あ、あの、ふざけてるとかじゃなくて」
ばれてしまったのなら、ちゃんと遥陽にはわかってもらいたかった。
おれがちゃんとジルがすきなんだってことを。冗談とか流されてるとかじゃなくて。
「お、おれ、ジルと」
「……ッ、僕の方が絶対ぜったい優希のことだいすきなのに!」
「…………えっ」
ぼろっと大きな瞳から涙を零した遥陽の言葉に、また時がとまった。
一瞬で色々なことが頭を回り、いや、変な意味じゃなくて、幼馴染としてだ、と自分を落ち着かせる。おれだって遥陽のことがだいすきだ、一緒だ、と。
しかしそれはすぐにまた遥陽に打ち砕かれた。
「もっと大きくなってから言うつもりだったのにっ……!」
意地悪とかじゃなくて、おれの躰を考えてくれてのことだってわかってるのに。
「んッう、うう……ん、あ、ッ」
そういえば、今日はまだちゃんとイってない。軽くしか。
だからこんなにぐるぐるしてるんだろうか。
早く出したい、すっきりしたい、もっと気持ちよくなりたい。
下半身に伸ばした手が止められ、待って、と今更頭上で縫い止められる。
えっ、と戸惑ってる間に、挿入るよ、と囁かれた。
大丈夫?と優しく訊かれ、頷く。
大丈夫、ずっと待ってた。
「……っん!あ……ッ」
ゆっくりとナカに挿入される感覚。
最初は苦しくて、次の瞬間にはもう腰が砕けそうになる。
「んあ……あ、ん……ッ」
びりびりする場所だ。
なんでそうなるのかはわからないけど。でもここ、考えられなくなるくらい、気持ちいいっていう感情にだけなっちゃう。
「あッ、まっ、や、きもちいっ……」
何度もそこを狙われ、達しそうになったところで奥に進まれる。
悔しい、イきたい、でも今イったら辛い、折角なんだからジルと一緒がいい、と唇を噛んで耐える。
「だから噛んじゃだめだって」
「らってっ……んうう、き、きもちぃ、いっ……」
「今日は下触らないでイける?」
「や、やあ、さわっ、さわりたっ……」
「ん、じゃあ俺が触ろうか?」
「っ、ん、じる、ジルがっ、触っ……んうッ」
すり、と頬を寄せる。
ジルが息を呑んで、素直なユキはやっぱりかわいいね、と呟いた。
そう、それでいいから、早く、もうちょっと……もう、早く動いて欲しい。
お願いした通り、ジルがおれのものに触れる。
びくんと躰が跳ねて、ナカがぎゅっとなったのが自分でもわかった。
それでまた気持ちよくなっちゃってるのが救われない。全部絶対気持ちいい。
「んあっ、あ、ッあ……は、ぁん、む、むり、あ、だめ、ジルぅ……」
「ん、よく我慢したね」
「……っはぁ、や、あぁッ……ん!」
奥を突かれて、ジルの優しい許可を得て、びゅく、と白いものを放出してしまう。
暫くお互いの荒い息だけを聞いていた。
躰を離すことはまだ出来ない。
ぴったりとくっついたまま、ちょっと眠いなと思いつつ、今寝ちゃうのは勿体ない、と眠気に抗う。
ふたりとも躰が熱くて、でもその熱さが心地好い。
「あ、お風呂……っ」
「大丈夫」
「や、躰べとべと……」
俺が片付けをするよ、と言うジルに首を振る。
寝てる時でもどうかと思う……というかだめなのに、起きてる状態でその許可を出す訳にはいかない。
それに今日はいつもより……その、長引かなかったから、まだ動ける。多分。
怠い体に鞭を打ち、シャワーに、と思っていると、外からばたばたばた、と走る音と、扉ががちゃん!と勢いよく開く音がして、何事、と思わずシーツにくるまってしまった。
……ジルまで一緒に。
「優希ーっ、早速寝に来っ…………えっ」
明るい声がぴたりと止まって……急に入ってきた遥陽の大きな瞳がおれたちを捉えた。
ななななんで急に!?寝に来た!?なんで!?いや良いって言ったけど、このタイミングで!?い、言い訳をしなきゃ!何で遥陽が!?急に!?いや言い訳!とぐるぐるしてる間に、ばたんと扉が閉められる。
……遥陽が出て行ってしまった。言い訳をさせて貰えぬ内に。
取り敢えずの安堵と、いやばっちり見られてしまったから、という焦りと、固まった遥陽の顔が頭から離れなくて、どうしようどうしようどうしようどうしよう、えっどうしたらいいの、と混乱する。
と、また勢いよく扉が開かれた。
「やっぱ待って、それは合意なの!?」
「へっ」
「合意だが」
「うわあああああ!」
「えええええ」
しれっと答えるジルに、遥陽が発狂し、おれはそんな簡単に答えるのかと驚いてしまう。
何この空間、地獄か。さっきまでの多幸感はどこにいった。
「まっ、待って、待って、えっ、あのさ……えっ、ふたりとも、えっ……その、えっ、えっちなこと、してたよね、それ?」
「……!」
「え、なんで、なんで?」
「理由がいるかな」
「うっ、うるさいっ、えっ、なに、なんなの、優希、これなに、え、つ、付き合ってる、の!?」
混乱したままの遥陽が声を震わせながら訊く。
もうこの場で落ち着いてるのはジルだけだった。なんか若干煽ってるようにも感じるけど、きっと気の所為だ。きっと。
「え、うそ、うそでしょ、優希が?」
「ごめん……」
「優希が謝るとこじゃないじゃん!」
「あ、あの、ふざけてるとかじゃなくて」
ばれてしまったのなら、ちゃんと遥陽にはわかってもらいたかった。
おれがちゃんとジルがすきなんだってことを。冗談とか流されてるとかじゃなくて。
「お、おれ、ジルと」
「……ッ、僕の方が絶対ぜったい優希のことだいすきなのに!」
「…………えっ」
ぼろっと大きな瞳から涙を零した遥陽の言葉に、また時がとまった。
一瞬で色々なことが頭を回り、いや、変な意味じゃなくて、幼馴染としてだ、と自分を落ち着かせる。おれだって遥陽のことがだいすきだ、一緒だ、と。
しかしそれはすぐにまた遥陽に打ち砕かれた。
「もっと大きくなってから言うつもりだったのにっ……!」
201
あなたにおすすめの小説
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる