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悠真さんの瞳におれが映ってるのがわかる。
少し緊張しているようで、でもやっぱり安心させるかのように笑顔は崩さなかった。
ぐっと悠真さんのものが押し当てられて、ゆっくりおれのナカに沈んでいく。
圧迫感と、その大きいものがナカを擦りながら入っていく感覚が声にならないくらい気持ちよくて、奥歯を噛み締めて挿入りきるのを待った。
少しして、全部が挿入っても、悠真さんはすぐには動かない。
馴染むのを待ってから。
ナカが十分に濡れていても、悠真さんは慎重だった。それは全て、おれが痛くないよう、傷つかないようにしてるから。
おれが少しくらい、と言っても、譲らないところだ。
ただ優しいだけかと思ってた。皆にそうなんだって。
でもそうじゃない、こんなことするのは、噛んだのは、おれだけ。
……おれだけなんだって。
「ッ、」
悠真さんが息を呑んだ。おれのお腹がきゅう、となってしまって、悠真さんを締め付けてしまったからだと思う。
その締め付けのせいで、おれだって気持ちいい。
「ゆぅ、まさん」
「うん……?」
「……手ェ、えっと、ぎゅって……したい」
腕を伸ばすと、少し考えたように悠真さんは上半身を近付けてくれた。
その首に腕を回す。成程、こうやっておれは悠真さんの背中に傷を残したのか。
……ちゃんと爪、切ろう、明日、明後日、発情期が終わって動けるようになったら。今日は気を付ける、少なくとも意識がある内は。
「んァ、う、」
ゆる、と悠真さんの腰が動いた。
背中が逸れて、悠真さんと躰が重なる。それをいいことに、更に腕の力を込めてぎゅう、と抱き着いた。
やっぱりおれ、くっついてる方がすきかも。かおが見れるのもいいけど、においでちゃんと悠真さんだって、わかるし。安心する。
「っあ、う、すっ、すぐイっちゃ、いそ、っ」
「いいよ、すきなだけ」
「あ、ンぅ、う、っは、あ、やら、くち、して、くちもっ……んゔ」
強請ると何でもしてくれるのではないか。
それくらい悠真さんはおれの言葉を聞いてくれた。無茶なお願い以外は。
何回も啄むようなキスを繰り返すのは、おれの息が荒いから。苦しくないように、軽いものを何度か繰り返した。
「は、う……んっ、あ、ゆうまさっ、あ、ゆーまさんっ……」
「ん、なあに」
「あ、は、ッあ、ぅ、なんかっ……あ、おなかっ、やば、やばい、かもっ……」
「やばい?痛い?止める?」
「いやっ、やめ、ん、止めない、でっあ、ちが、んッ、きもちい……!」
「どこら辺?こことか?」
「んゔ~……!」
下腹部が撫でられて、薄い腹の少し膨らんだところを軽く押される。
頭が、奥の方がちかちかして、爪先がシーツを蹴った。
「ん、あ、あ、う……?あ、ぅあ……」
「お腹が気持ち良かった?」
「ンっ、ゔ、う、ん……?」
「奥の方でイくの上手になったねえ」
「あっ、あ、や、おなかっ……あ、や、またっ……まだ、っきもちい……っ」
うん、俺も、と悠真さんが切羽詰まったように声を漏らす。
奥の方がぎゅうぎゅうしてるのもわかるし、それが気持ちいいのを終わらせない原因で、ぎゅう、とする度に悠真さんを締め付けて自分も気持ちよくなって。
その度に悠真さんが吐く息が甘くて、今度は胸がきゅう、となる。
「ゆうまさんっ……あ、お、奥ッう、おく、」
「うん……和音の気持ちいいとこね」
「んっ、ん、う、奥、ゆーまさんの、ほし、いっ」
「……もうちょっとだけ、和音のナカ、入るね」
「ん……っ」
頭がどろどろする、もうおれ、多分限界だと思う。何も考えられなくなると思う。
だからその前に、ちゃんと言わなきゃって。
今まで悠真さんには口にしちゃいけないと思ってたこと。
これは絶対に、言わなきゃ。この気持ちはヒートに呑まれてるからじゃないんだって。
「あっ、あ、す、すき……!」
悠真さんの肩がびく、として、止まった。
あ、言えた、と思ったら、ほんの少しの間が空いて、……奥が?なんて言ってくる。それは間違えてないけど。
再度始まる抽挿に、もっとはっきり、ちゃんと言わなきゃ、伝わるまで何回でも、そう思ったそばから口にしていた。
「ゆっ、ゆうまさん、がっ、す、きっ、あう、あ、すき、すき、しゅっ、あ、ん、すき、っ」
ぎゅうと、抱きついてるお陰で悠真さんのかおは見えない。
けれど悠真さんの躰が、においが、反応している。
そお、と頭だけ動かして、ぎょっとした。
……泣いてる。
「うぇ、え……泣かっ……え、なんでえ」
「え、あ、ごめん、あ……っこれ、思ってたより、苦しい、かも……」
「や、やだった……?」
悠真さんの頬に触れる。
それを拭って、どうしていいかわかんなくて、おろおろするおれに、悠真さんは笑った。
「嬉しい、今いちばんしあわせかも」
それから、もう何度目かのごめん、も吐き出される。
「すきって言われるのがこんなに嬉しいなら、やっぱり俺、大分遠回りしてたよね……ごめん、ごめんね、いっぱい不安にさせて、さみしくさせて、我慢ばっかりさせて」
「悠真さ……」
「でもごめん、俺、良かったとも思ってるんだ、こんなことして、でも、和音がやっと手に入ったって、……逃げられないようにしようって」
狡いことばっかりしてごめん。
そう悠真さんは強くおれを抱き締めてまた少し泣いた。
おれだって、いっぱい狡いこと、考えたのに。
でも同じ、おれもさっき、嬉しくてしあわせだった。
少し緊張しているようで、でもやっぱり安心させるかのように笑顔は崩さなかった。
ぐっと悠真さんのものが押し当てられて、ゆっくりおれのナカに沈んでいく。
圧迫感と、その大きいものがナカを擦りながら入っていく感覚が声にならないくらい気持ちよくて、奥歯を噛み締めて挿入りきるのを待った。
少しして、全部が挿入っても、悠真さんはすぐには動かない。
馴染むのを待ってから。
ナカが十分に濡れていても、悠真さんは慎重だった。それは全て、おれが痛くないよう、傷つかないようにしてるから。
おれが少しくらい、と言っても、譲らないところだ。
ただ優しいだけかと思ってた。皆にそうなんだって。
でもそうじゃない、こんなことするのは、噛んだのは、おれだけ。
……おれだけなんだって。
「ッ、」
悠真さんが息を呑んだ。おれのお腹がきゅう、となってしまって、悠真さんを締め付けてしまったからだと思う。
その締め付けのせいで、おれだって気持ちいい。
「ゆぅ、まさん」
「うん……?」
「……手ェ、えっと、ぎゅって……したい」
腕を伸ばすと、少し考えたように悠真さんは上半身を近付けてくれた。
その首に腕を回す。成程、こうやっておれは悠真さんの背中に傷を残したのか。
……ちゃんと爪、切ろう、明日、明後日、発情期が終わって動けるようになったら。今日は気を付ける、少なくとも意識がある内は。
「んァ、う、」
ゆる、と悠真さんの腰が動いた。
背中が逸れて、悠真さんと躰が重なる。それをいいことに、更に腕の力を込めてぎゅう、と抱き着いた。
やっぱりおれ、くっついてる方がすきかも。かおが見れるのもいいけど、においでちゃんと悠真さんだって、わかるし。安心する。
「っあ、う、すっ、すぐイっちゃ、いそ、っ」
「いいよ、すきなだけ」
「あ、ンぅ、う、っは、あ、やら、くち、して、くちもっ……んゔ」
強請ると何でもしてくれるのではないか。
それくらい悠真さんはおれの言葉を聞いてくれた。無茶なお願い以外は。
何回も啄むようなキスを繰り返すのは、おれの息が荒いから。苦しくないように、軽いものを何度か繰り返した。
「は、う……んっ、あ、ゆうまさっ、あ、ゆーまさんっ……」
「ん、なあに」
「あ、は、ッあ、ぅ、なんかっ……あ、おなかっ、やば、やばい、かもっ……」
「やばい?痛い?止める?」
「いやっ、やめ、ん、止めない、でっあ、ちが、んッ、きもちい……!」
「どこら辺?こことか?」
「んゔ~……!」
下腹部が撫でられて、薄い腹の少し膨らんだところを軽く押される。
頭が、奥の方がちかちかして、爪先がシーツを蹴った。
「ん、あ、あ、う……?あ、ぅあ……」
「お腹が気持ち良かった?」
「ンっ、ゔ、う、ん……?」
「奥の方でイくの上手になったねえ」
「あっ、あ、や、おなかっ……あ、や、またっ……まだ、っきもちい……っ」
うん、俺も、と悠真さんが切羽詰まったように声を漏らす。
奥の方がぎゅうぎゅうしてるのもわかるし、それが気持ちいいのを終わらせない原因で、ぎゅう、とする度に悠真さんを締め付けて自分も気持ちよくなって。
その度に悠真さんが吐く息が甘くて、今度は胸がきゅう、となる。
「ゆうまさんっ……あ、お、奥ッう、おく、」
「うん……和音の気持ちいいとこね」
「んっ、ん、う、奥、ゆーまさんの、ほし、いっ」
「……もうちょっとだけ、和音のナカ、入るね」
「ん……っ」
頭がどろどろする、もうおれ、多分限界だと思う。何も考えられなくなると思う。
だからその前に、ちゃんと言わなきゃって。
今まで悠真さんには口にしちゃいけないと思ってたこと。
これは絶対に、言わなきゃ。この気持ちはヒートに呑まれてるからじゃないんだって。
「あっ、あ、す、すき……!」
悠真さんの肩がびく、として、止まった。
あ、言えた、と思ったら、ほんの少しの間が空いて、……奥が?なんて言ってくる。それは間違えてないけど。
再度始まる抽挿に、もっとはっきり、ちゃんと言わなきゃ、伝わるまで何回でも、そう思ったそばから口にしていた。
「ゆっ、ゆうまさん、がっ、す、きっ、あう、あ、すき、すき、しゅっ、あ、ん、すき、っ」
ぎゅうと、抱きついてるお陰で悠真さんのかおは見えない。
けれど悠真さんの躰が、においが、反応している。
そお、と頭だけ動かして、ぎょっとした。
……泣いてる。
「うぇ、え……泣かっ……え、なんでえ」
「え、あ、ごめん、あ……っこれ、思ってたより、苦しい、かも……」
「や、やだった……?」
悠真さんの頬に触れる。
それを拭って、どうしていいかわかんなくて、おろおろするおれに、悠真さんは笑った。
「嬉しい、今いちばんしあわせかも」
それから、もう何度目かのごめん、も吐き出される。
「すきって言われるのがこんなに嬉しいなら、やっぱり俺、大分遠回りしてたよね……ごめん、ごめんね、いっぱい不安にさせて、さみしくさせて、我慢ばっかりさせて」
「悠真さ……」
「でもごめん、俺、良かったとも思ってるんだ、こんなことして、でも、和音がやっと手に入ったって、……逃げられないようにしようって」
狡いことばっかりしてごめん。
そう悠真さんは強くおれを抱き締めてまた少し泣いた。
おれだって、いっぱい狡いこと、考えたのに。
でも同じ、おれもさっき、嬉しくてしあわせだった。
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