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2.仲間との出会い?
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次の日、おれはソワソワしながら登校した。
昨日のマナトの「魔法使い」発言。
そのあと、おれたちはなんだかビミョーな雰囲気になってしまった。
お互いが、「え? 冗談だろ?」って言い合ってさ。
ちょっとマナトって、かわったヤツなのかも……。
でも、とにかく約束通り、明日会って直接話そうってことにして、
テレパシーを打ち切ったんだ。
教室に入り、マナトを探そうとして、はたと気づく。
アイツ、どんな見た目なんだ?
聞くの忘れたな……。
こっちの外見も伝えてない。
まあ、おれの外見ったって、黒髪つんつん頭に、ごく普通の顔立ち。
平均的な身長。
しいて言えば、左目の下に泣きぼくろがあるってことくらい?
でもそんなの、よっぽど近づいて顔見なきゃわかんないよな。
うーん、いったん教室を出て、どっかに隠れて念写(ねんしゃ)するか?
念写は、超能力の一種だ。
おれの場合、探しているものや人の姿を、
白い紙やスマホの画面に写し出すことができる。
でも、三分くらい時間がかかるんだよなー。
あと、念じている間は目を閉じて集中してるから、完全に無防備になる。
うん、めんどくさいな。
よし、違う小学校から来たやつに、
かたっぱしから
「宿木マナトって知らないか?」
って聞いてくか。
そう思ってきょろきょろしていると、肩をたたかれた。
ふりむくと、知らない男子。
背、高いな。百七十センチ以上あるんじゃねーか?
ハーフっぽい顔立ち。くせっ毛なのか、栗色の髪の毛がぴょんぴょんはねている。
なかなか、女子にモテそうなやつだ。
そいつは、周囲をちょっと見回して、口を開いた。
「あの……、リキ、だよな?」
こっそりと、でも確かにソイツはおれの名を呼んだ。
「もしかして……、マナトか?」
おれの言葉に、ソイツは大きくうなずいた。
おお、アッサリ会えた……。
「なんでおれの顔、わかったんだ? あ、他のヤツに聞いた?」
「いや、違う……」
マナトはまた周囲を警戒するように見回している。
あ、もしかしてコイツ、使えるのがテレパシーだけじゃないのか?
おれみたいに、ひと通りの能力……、念写とか、千里眼もつかえるのかも。
それでおれの顔がわかったのか。
うわ~、ますます「仲間」じゃん!
おれがじ~んと感動してると……。
「ほら、姿見(すがたみ)の魔法を使ったんだ。
そしたら、すぐわかった。
オマエ、妨害魔法とか使ってないんだな」
……、はい?
「とにかく、会えてうれしいよ、リキ」
マナトは笑みを浮かべて、手を差し出してきた。
あ、握手か。
おれはさっきの疑問を押しこめて、
「おれも、会えてよかった」と手をにぎり返した。
それとともに、テレパシーでマナトに話しかける。
【これからは心の中で話さないか?
周りのヤツに会話聞かれるのイヤだし……】
すると、マナトぱっと手をはなして、ものすごく驚いた顔をした。
なんだ? 昨日は普通に、こっちで話してたくせに。
【どうしたんだ?】
聞いても、やっぱりこたえない。
マナトはなんだか難しい顔をして、
ちょいちょいとこっちに近づいてこいのジェスチャーをした。
なんだ? と思いつつ近づいていく。
すると、マナトはかがんで、おれの耳元で話しかけてきた。
「なあ、リキ。リキって、祝福持ち?
それとも、高位魔法使いなのか?
杖も呪文もなしに、念話魔法ができるなんて……」
……。ちょっと待って、うん。
「シュクフクモチ」、「コウイマホウツカイ」、
「ツエ」、「ジュモン」、「ネンワマホウ」……。
……なんぞこれ。
「シュクフクモチ」とか、
「コウイ」、「ネンワ」とかところどころはわからん。
だけど、「魔法使い」、「杖」、「呪文」あとは「魔法」⁉
ファンタジー用語の嵐じゃねーか。
コイツ、いつまでそのネタひっぱんってんだ?
さすがに冗談が過ぎるぞ。
なんだかちょっとムカついてきた。
マナー違反だけど、テレパシーで心を読ませてもらおう。
会話するような表面的なものじゃなくて、もっと心の深いところをな。
よし、テレパシー、発動!
【祝福持ちなら納得できるな。
この年で高位魔法使いなんて、聞いたこともない。
飛び級したおれだって、異例なのに】
「えっ、おまえ、飛び級してんの?」
驚きのあまり、おれは思わず声を出してしまった。
マナトは目を見開き、がしっとおれの両肩をつかむ。
「今、おれに何をした?」
ぎらりとにらまれる。
やべ、怒らせた。
「ごめん、オマエがふざけてると思って、心を読んじまった」
「心を読んだ⁉」
マナトは叫んだあと、はっとして口を手でおさえた。
幸い、さわがしい教室ではだれも気にしていないようだ。
「人の心を読めるなんて……、本当におまえってエスパー……、なのか?」
おそるおそる、マナトは言った。
うん、おれもマナトの心を読んでわかった。
こいつは、冗談を言ったり、ふざけていたりしたわけじゃない。
本当に、コイツは……。
魔法使い、なんだ。
昨日のマナトの「魔法使い」発言。
そのあと、おれたちはなんだかビミョーな雰囲気になってしまった。
お互いが、「え? 冗談だろ?」って言い合ってさ。
ちょっとマナトって、かわったヤツなのかも……。
でも、とにかく約束通り、明日会って直接話そうってことにして、
テレパシーを打ち切ったんだ。
教室に入り、マナトを探そうとして、はたと気づく。
アイツ、どんな見た目なんだ?
聞くの忘れたな……。
こっちの外見も伝えてない。
まあ、おれの外見ったって、黒髪つんつん頭に、ごく普通の顔立ち。
平均的な身長。
しいて言えば、左目の下に泣きぼくろがあるってことくらい?
でもそんなの、よっぽど近づいて顔見なきゃわかんないよな。
うーん、いったん教室を出て、どっかに隠れて念写(ねんしゃ)するか?
念写は、超能力の一種だ。
おれの場合、探しているものや人の姿を、
白い紙やスマホの画面に写し出すことができる。
でも、三分くらい時間がかかるんだよなー。
あと、念じている間は目を閉じて集中してるから、完全に無防備になる。
うん、めんどくさいな。
よし、違う小学校から来たやつに、
かたっぱしから
「宿木マナトって知らないか?」
って聞いてくか。
そう思ってきょろきょろしていると、肩をたたかれた。
ふりむくと、知らない男子。
背、高いな。百七十センチ以上あるんじゃねーか?
ハーフっぽい顔立ち。くせっ毛なのか、栗色の髪の毛がぴょんぴょんはねている。
なかなか、女子にモテそうなやつだ。
そいつは、周囲をちょっと見回して、口を開いた。
「あの……、リキ、だよな?」
こっそりと、でも確かにソイツはおれの名を呼んだ。
「もしかして……、マナトか?」
おれの言葉に、ソイツは大きくうなずいた。
おお、アッサリ会えた……。
「なんでおれの顔、わかったんだ? あ、他のヤツに聞いた?」
「いや、違う……」
マナトはまた周囲を警戒するように見回している。
あ、もしかしてコイツ、使えるのがテレパシーだけじゃないのか?
おれみたいに、ひと通りの能力……、念写とか、千里眼もつかえるのかも。
それでおれの顔がわかったのか。
うわ~、ますます「仲間」じゃん!
おれがじ~んと感動してると……。
「ほら、姿見(すがたみ)の魔法を使ったんだ。
そしたら、すぐわかった。
オマエ、妨害魔法とか使ってないんだな」
……、はい?
「とにかく、会えてうれしいよ、リキ」
マナトは笑みを浮かべて、手を差し出してきた。
あ、握手か。
おれはさっきの疑問を押しこめて、
「おれも、会えてよかった」と手をにぎり返した。
それとともに、テレパシーでマナトに話しかける。
【これからは心の中で話さないか?
周りのヤツに会話聞かれるのイヤだし……】
すると、マナトぱっと手をはなして、ものすごく驚いた顔をした。
なんだ? 昨日は普通に、こっちで話してたくせに。
【どうしたんだ?】
聞いても、やっぱりこたえない。
マナトはなんだか難しい顔をして、
ちょいちょいとこっちに近づいてこいのジェスチャーをした。
なんだ? と思いつつ近づいていく。
すると、マナトはかがんで、おれの耳元で話しかけてきた。
「なあ、リキ。リキって、祝福持ち?
それとも、高位魔法使いなのか?
杖も呪文もなしに、念話魔法ができるなんて……」
……。ちょっと待って、うん。
「シュクフクモチ」、「コウイマホウツカイ」、
「ツエ」、「ジュモン」、「ネンワマホウ」……。
……なんぞこれ。
「シュクフクモチ」とか、
「コウイ」、「ネンワ」とかところどころはわからん。
だけど、「魔法使い」、「杖」、「呪文」あとは「魔法」⁉
ファンタジー用語の嵐じゃねーか。
コイツ、いつまでそのネタひっぱんってんだ?
さすがに冗談が過ぎるぞ。
なんだかちょっとムカついてきた。
マナー違反だけど、テレパシーで心を読ませてもらおう。
会話するような表面的なものじゃなくて、もっと心の深いところをな。
よし、テレパシー、発動!
【祝福持ちなら納得できるな。
この年で高位魔法使いなんて、聞いたこともない。
飛び級したおれだって、異例なのに】
「えっ、おまえ、飛び級してんの?」
驚きのあまり、おれは思わず声を出してしまった。
マナトは目を見開き、がしっとおれの両肩をつかむ。
「今、おれに何をした?」
ぎらりとにらまれる。
やべ、怒らせた。
「ごめん、オマエがふざけてると思って、心を読んじまった」
「心を読んだ⁉」
マナトは叫んだあと、はっとして口を手でおさえた。
幸い、さわがしい教室ではだれも気にしていないようだ。
「人の心を読めるなんて……、本当におまえってエスパー……、なのか?」
おそるおそる、マナトは言った。
うん、おれもマナトの心を読んでわかった。
こいつは、冗談を言ったり、ふざけていたりしたわけじゃない。
本当に、コイツは……。
魔法使い、なんだ。
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