【完結】エス★まほ ～エスパーと魔法使い、出会う～

6.タイムカプセル探し

6-1

「明日はね～、リキくんの学校の校庭に埋めた、
タイムカプセルを掘り返すのよ！」

　朝食の時、ニコニコしながら母さんが言った。
　父さんも、「いや～。楽しみだな」とうなずく。
　このふたりは同級生で、絵空学園の卒業生なのだ。

「あ～、ドキドキしちゃう！　
四十歳の自分に宛てた手紙なんて、もう覚えてないわ～」

「お父さんも、なんて書いたか忘れちゃったな。
でも、夢はかなえたぞ。テレビ局につとめられたからね」　　

「あら、それなら、わたしも夢をかなえたわ。
お父さんの……、サトシさんのお嫁さんになるって夢」

「ミサ……！」　

「うふふ」

　あ～、朝からあっつい。
　そういや、このふたり絵空学園の中等部から付き合って、
　それからず～っと一緒で、そのまま結婚したんだっけ。
　まあ、このふたりの夫婦仲がよかったから、
　おれが道を踏み外すことなく、今まで生きてこれたんだけどさ。

「でもね～、ちょっと心配なの。
ちゃんと、タイムカプセルが見つかるかしら……？」　

「そうだね、お父さんも、心配だ。　
高等部を卒業した時のだろう？　何年も前だからなぁ」

「改築もして、埋めた場所もうろ覚えだものねぇ」　

　ちらっと、母さんがおれを見る。　

「まあ、なんとかなるさ！」

　ちらちらっと、父さんもおれを見る。

「そうよね！　見つかると信じましょう！　　
ね、リキくん、見学に来ない？」

　……。はあ。