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9.エスパーガール
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★★★
「ビックリ、バッチリ⁉
タイムカプセル探し見学~」
マナトの影の中で、ノワールがいつかみたいにのほほんと宣言する。
「前回のあらすじ。
うっかりジュエルドラゴンのタマゴを掘り当ててしまった人間たち。
怒るジュエルドラゴン!
しかし、わしの必死の説得で、
ジュエルドラゴンとの和解が成立。
ジュエルドラゴンは、タマゴをもって魔法界に去っていったのじゃった」
「いや、全然違うが⁉」
前回、オマエがいなかったせいで、たいへんな目に合ったんだからな!
という気持ちをこめて、ツッコミをいれる。
「報告書では、そうなっとる。
報告書=事実。
わしの活躍」
見えないけど、影の中ではきっとノワールが胸をはっているだろう。
「ごめん、そうなっちまった……」
マナトは遠い目をしていた。
うう、すまんマナト。
おれのことを隠すためには、そうするしかないか。
おれはいたわりの気持ちをこめて、マナトの肩をぽんっとたたいた。
さて、気持ちを切り替えよう。
今日のタイムカプセル探しは、
エスパーがくるってウワサがたって、見学希望の人が続出した。
でも、テレビ局側は、
基本的にタイムカプセルをうめた当事者だけ見学を許可したんだ。
あまりに見学者が多くて、混乱が起きると悪いだろ?
だから、そうなった。
ちなみに、おれとマナトは特別枠。
前回も見学してたからな。
あとは、タイムカプセルを見つけた時に、コメントがほしいらしい。
エスパーへのコメントとか、タイムカプセルについてのコメントとか。
今日は学校の全部活はお休み。
そのかわり、テレビ局の人たちが機材をもってぱたぱたしている。
「お、やってきたぞ!」
だれかの声に、そちらへ注意をむける。
校庭にワンボックスカーが入ってきた。
これも、特別に入る許可を得たのだろう。
カメラマンと、アナウンサーがそちらへ向かう。
ガチャっととびらがひらかれて、そこから出てきたのは……。
ふわふわしたウェーブがかった髪。
小さい顔。
ぱっちりした瞳に、つやっとした唇。
だれがどう見ても、めちゃくちゃな美少女だった。
「わ~!」、「かわいい!」とおとなたちから歓声が上がる。
「さあ、この少女こそが、今日活躍してくれる、姫野(ひめの)エマさんです!
エマさん、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますっ!」
にこやかにアナウンサーにあいさつするエマ。
エマの服装は、あれ、なんてーの? ロリータ服、だっけ?
ひらひらでふわふわだ。
「ちなみにエマさんは、アイドルとしても活躍してるんですよね」
「は~い! ちなみに、この六月、初めてのCDも出ます!
応援、よろしくね☆」
……宣伝かよ。
おれのテンションが一気にさがっていく。
こりゃ、エスパーとして、期待できそうにないな……。
マナトが胸をこぶしでたたいてるのをみて、テレパシーモードに切り替える。
【なんだよアレ。宣伝?
図太い。ある意味すげーな】
マナトもおれと同意見か。
あきれの感情が伝わってくる。
【こりゃ、期待はできそうにねーな。
テレビ局のしこみとか、やらせもありそう】
【確かに】
【あ、そうだ。リキ、アイツの心を読んでみたら?】
【え?】
心を読む……か。
普段はマナー違反だから、やらないんだよな。
母さんに
「いい? リキくん。
勝手に人の心を読んではいけません。
それは、とってもお行儀の悪いことなのよ」
って、物心ついた時から何度も言い聞かせられてたから……。
でも、あのエマってやつ、どう考えてもエスパーじゃなさそうだし……。
何かしでかして、父さんの番組がお蔵入り、
つまり、放送できなくなっても困るしな。
これからの動きを観察するためにも……いいか、読んじゃって。
【よっしゃ、やってみる】
マナトとのテレパシーを打ち切り、
今度はエマへむかって、心を読むために集中する。
「今日は、みなさんのタイムカプセル、
ばっちし見つけちゃいますよ~!」
なんて言って、ひらひらと手を振るエマ。
さて、何考えてるんだ、コイツ。
【大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫やって、エマ。
落ち着いて、いつも通りやればいいんや。
カンタンやん】
んん? 関西弁? とは、何か違うような……。
なんか、ハデできらきらした外見と言葉のわりに、
心の中は緊張と不安でいっぱいだな。
【『エスパーガール』で売り出そうってマネージャーとも決めたやん!
絶対失敗できんよこれは!】
あ~、そっか。売り出し方で、こうなったワケね。
芸能人もたいへんだな……。
でも、テレビ局が何かをしこんでいるって情報は、
いまのところなしか。
「ビックリ、バッチリ⁉
タイムカプセル探し見学~」
マナトの影の中で、ノワールがいつかみたいにのほほんと宣言する。
「前回のあらすじ。
うっかりジュエルドラゴンのタマゴを掘り当ててしまった人間たち。
怒るジュエルドラゴン!
しかし、わしの必死の説得で、
ジュエルドラゴンとの和解が成立。
ジュエルドラゴンは、タマゴをもって魔法界に去っていったのじゃった」
「いや、全然違うが⁉」
前回、オマエがいなかったせいで、たいへんな目に合ったんだからな!
という気持ちをこめて、ツッコミをいれる。
「報告書では、そうなっとる。
報告書=事実。
わしの活躍」
見えないけど、影の中ではきっとノワールが胸をはっているだろう。
「ごめん、そうなっちまった……」
マナトは遠い目をしていた。
うう、すまんマナト。
おれのことを隠すためには、そうするしかないか。
おれはいたわりの気持ちをこめて、マナトの肩をぽんっとたたいた。
さて、気持ちを切り替えよう。
今日のタイムカプセル探しは、
エスパーがくるってウワサがたって、見学希望の人が続出した。
でも、テレビ局側は、
基本的にタイムカプセルをうめた当事者だけ見学を許可したんだ。
あまりに見学者が多くて、混乱が起きると悪いだろ?
だから、そうなった。
ちなみに、おれとマナトは特別枠。
前回も見学してたからな。
あとは、タイムカプセルを見つけた時に、コメントがほしいらしい。
エスパーへのコメントとか、タイムカプセルについてのコメントとか。
今日は学校の全部活はお休み。
そのかわり、テレビ局の人たちが機材をもってぱたぱたしている。
「お、やってきたぞ!」
だれかの声に、そちらへ注意をむける。
校庭にワンボックスカーが入ってきた。
これも、特別に入る許可を得たのだろう。
カメラマンと、アナウンサーがそちらへ向かう。
ガチャっととびらがひらかれて、そこから出てきたのは……。
ふわふわしたウェーブがかった髪。
小さい顔。
ぱっちりした瞳に、つやっとした唇。
だれがどう見ても、めちゃくちゃな美少女だった。
「わ~!」、「かわいい!」とおとなたちから歓声が上がる。
「さあ、この少女こそが、今日活躍してくれる、姫野(ひめの)エマさんです!
エマさん、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますっ!」
にこやかにアナウンサーにあいさつするエマ。
エマの服装は、あれ、なんてーの? ロリータ服、だっけ?
ひらひらでふわふわだ。
「ちなみにエマさんは、アイドルとしても活躍してるんですよね」
「は~い! ちなみに、この六月、初めてのCDも出ます!
応援、よろしくね☆」
……宣伝かよ。
おれのテンションが一気にさがっていく。
こりゃ、エスパーとして、期待できそうにないな……。
マナトが胸をこぶしでたたいてるのをみて、テレパシーモードに切り替える。
【なんだよアレ。宣伝?
図太い。ある意味すげーな】
マナトもおれと同意見か。
あきれの感情が伝わってくる。
【こりゃ、期待はできそうにねーな。
テレビ局のしこみとか、やらせもありそう】
【確かに】
【あ、そうだ。リキ、アイツの心を読んでみたら?】
【え?】
心を読む……か。
普段はマナー違反だから、やらないんだよな。
母さんに
「いい? リキくん。
勝手に人の心を読んではいけません。
それは、とってもお行儀の悪いことなのよ」
って、物心ついた時から何度も言い聞かせられてたから……。
でも、あのエマってやつ、どう考えてもエスパーじゃなさそうだし……。
何かしでかして、父さんの番組がお蔵入り、
つまり、放送できなくなっても困るしな。
これからの動きを観察するためにも……いいか、読んじゃって。
【よっしゃ、やってみる】
マナトとのテレパシーを打ち切り、
今度はエマへむかって、心を読むために集中する。
「今日は、みなさんのタイムカプセル、
ばっちし見つけちゃいますよ~!」
なんて言って、ひらひらと手を振るエマ。
さて、何考えてるんだ、コイツ。
【大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫やって、エマ。
落ち着いて、いつも通りやればいいんや。
カンタンやん】
んん? 関西弁? とは、何か違うような……。
なんか、ハデできらきらした外見と言葉のわりに、
心の中は緊張と不安でいっぱいだな。
【『エスパーガール』で売り出そうってマネージャーとも決めたやん!
絶対失敗できんよこれは!】
あ~、そっか。売り出し方で、こうなったワケね。
芸能人もたいへんだな……。
でも、テレビ局が何かをしこんでいるって情報は、
いまのところなしか。
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