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ライツァルト・ゼア・ヒガンテ・ジルヴィオ五歳

ライツァルトと四人の従者

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特に語ることも無く、三日ほど過ぎた。

ライツァルトは色々あってよく分からないながら落ち込んでいる。
小僧は今も王城の一室で檻の中。
全く面倒なことだ。

まあライツァルトはそのうち小僧に会いに行くと思うから、あまり心配はしていない。

そうして今日もライツァルトの膝の上、くぁ、とあくびをする。

「ライツァルト、お父様から従者を贈られましたよ」
「?おとうさま?」

きょとんと首を傾げるライツァルトは─────まるで父親という存在を頭から全消去しているように、「おとうさま?なにそれおいしいの?」とでも言いたげな顔をしていた。
オルガリーチェの顔がひきつり、少し震えた声で、「お父様ですよ、お父様」と優しく囁いた。

「ジルヴィオの子は、契約獣を得たら自分の従者を四人得ます、従者を得てから一人のジルヴィオとして認められ、婚約者を得ることが許されるのです」

「私もそうして出会ったのですよ」と頬を染めるオルガリーチェ······悪いが、その言い方はおそらく······。

「······」

やはり、ライツァルトが少し不機嫌そうにむくれた。
わかってないだけだとばかり思っていたが、案外ライツァルトは利口だ。
わかっていて無視していたらしい。

「いらないッ!」
「······え?」

ライツァルトがぷい、とそっぽを向いた。

「おとーさまのごじひはうけないもんっ!」
「ら、ライツァルトッ······?」

座っていたソファからワタクシを手放して飛び降りたライツァルト。
その小さい体を活かして誰にも捕まらず外へと出ていった。

······はぁ、仕方の無い。

ライツァルトの言うところの“お父様のご慈悲”たちが近づいているのがわかる。
このままだとエンカウントすることだろう。
ワタクシは渋々飛び上がって、オルガリーチェに目配せしてから部屋を出た。

そうしてその先で。

ライツァルトが白銀の髪の少年に思い切り突っ込んでいくのを見た。

······あ。



◆◆◆



「ご無事ですか、ライツァルト様」
「?え、えっと?ごぶ······?」
「おい“ミハイル”、難しい言葉使うんじゃねぇ······ダイジョーブか?ライツァルト様」
「?えっと······」
「お前らな······ライツァルト様、はじめまして、“デューク”と申します」
「“カノン”ですわ」
「本日より貴方様の従者として──────っておい!“メノウ”!どこ行くんだ!」
「だってここの庭園風が気持ちぃんだモーン」
「勝手に動くな!評価が下がる!」
「はいはいこれだから猫かぶり野郎が······」

······。

視界の先で目を回すライツァルトと、それより少し大きい少年少女が四人。
ふむ、止めるまもなくエンカウントしてしまったようだ。
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