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*貴方を愛した罪
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ながいながい、夢をみていた。
わたしが、おとなになる夢だ。
キレイになって、美しいヒトと結ばれて、しあわせになる夢。
かわいい女の子が生まれた。
白いはねをもったかわいい子。
まっしろなやわらかいベッドの上で、目がさめた。
「・・・ここ、どこ?」
外からさしこむ天上の光が、キレイだ。
懐かしい・・・
そう思ってから、はたときづいた。
「わたし、天上から出たことはないわ」
そう、そのはずだ。
やわらかいベッドからとびおりて、小さい体に見あわないほど大きなふくをきていることに気がついた。
しかもかみもみょうに長くて、くろいかみがこんがらがってほどけない。
しばらくかくとうしてみるも、キレイにならなくてあきらめた。
それより、ここはどこだろう。
ガチャリと、音がひびいた。
入ってきたのは、みおぼえのある、はいぎんいろのかみをした女の人。
すごくキレイな人で、きらきらとした翠の目をしている。
・・・あの色が、うらやましかった気がする。
「・・・起きられましたか、シュツァーニア様」
たんたんとした声、かんじょうのないひとみが悲しい。
わたしの知るあの子は、いつもわらっているけど、この人は何もない。
「・・・えれいん・・・?」
「っぇ?」
「・・・ちがう?」
ずっとなかよくなりたかった女の子。
夢の中では大きなっていたけど、わたしはけっきょくなかよくはなれなかった。
そういえば、夢の中ではかのじょにはこどもがいた。
美しい子。
かわいくて、わたしのむすめだった女の子となかがよくて、だきしめあう二人を見るのがすきだった。
二人がずっとずっと小さいころに、あったことがあることをしっているのはわたしだけだったけど、ひみつをもっているのがとても好きだった。
「・・・私を、覚えておいででしたか・・・」
ふるえる声。
なんで泣いているのかわかんなくて、そばに行って頭をなでてあげた。
「どうしたの?だいじょぶ?」
「っ・・・ぅっ・・・ふ、ぅ・・・っ大、丈夫、です・・・私は、許されないことを、してっ・・・あなたに、ずっと、ずっと、謝り、たくて・・・」
大切だったのに、あなたにずっと焦がれていたのに、誤解をとくことすらしなかった、あなたの悲しみに気がつけなかった。
本当にごめんなさい・・・本当に、本当に。
そうくりかえすエレインを、たくさんたくさんなでてあげた。
ことばのいみは分からない。
これからもきっと分からない。
何がただしくて、なにがわるいのかも、きっときっと分からない。
でも、とびらから入ってきて、なみだをこぼれさせたミルクティーブロンドのかれを見て、そのうでが、エレインごとだきしめてくれたときに、なんだかとっても幸せだったから。
なんだかもういいやって、そう思った。
わたしが、おとなになる夢だ。
キレイになって、美しいヒトと結ばれて、しあわせになる夢。
かわいい女の子が生まれた。
白いはねをもったかわいい子。
まっしろなやわらかいベッドの上で、目がさめた。
「・・・ここ、どこ?」
外からさしこむ天上の光が、キレイだ。
懐かしい・・・
そう思ってから、はたときづいた。
「わたし、天上から出たことはないわ」
そう、そのはずだ。
やわらかいベッドからとびおりて、小さい体に見あわないほど大きなふくをきていることに気がついた。
しかもかみもみょうに長くて、くろいかみがこんがらがってほどけない。
しばらくかくとうしてみるも、キレイにならなくてあきらめた。
それより、ここはどこだろう。
ガチャリと、音がひびいた。
入ってきたのは、みおぼえのある、はいぎんいろのかみをした女の人。
すごくキレイな人で、きらきらとした翠の目をしている。
・・・あの色が、うらやましかった気がする。
「・・・起きられましたか、シュツァーニア様」
たんたんとした声、かんじょうのないひとみが悲しい。
わたしの知るあの子は、いつもわらっているけど、この人は何もない。
「・・・えれいん・・・?」
「っぇ?」
「・・・ちがう?」
ずっとなかよくなりたかった女の子。
夢の中では大きなっていたけど、わたしはけっきょくなかよくはなれなかった。
そういえば、夢の中ではかのじょにはこどもがいた。
美しい子。
かわいくて、わたしのむすめだった女の子となかがよくて、だきしめあう二人を見るのがすきだった。
二人がずっとずっと小さいころに、あったことがあることをしっているのはわたしだけだったけど、ひみつをもっているのがとても好きだった。
「・・・私を、覚えておいででしたか・・・」
ふるえる声。
なんで泣いているのかわかんなくて、そばに行って頭をなでてあげた。
「どうしたの?だいじょぶ?」
「っ・・・ぅっ・・・ふ、ぅ・・・っ大、丈夫、です・・・私は、許されないことを、してっ・・・あなたに、ずっと、ずっと、謝り、たくて・・・」
大切だったのに、あなたにずっと焦がれていたのに、誤解をとくことすらしなかった、あなたの悲しみに気がつけなかった。
本当にごめんなさい・・・本当に、本当に。
そうくりかえすエレインを、たくさんたくさんなでてあげた。
ことばのいみは分からない。
これからもきっと分からない。
何がただしくて、なにがわるいのかも、きっときっと分からない。
でも、とびらから入ってきて、なみだをこぼれさせたミルクティーブロンドのかれを見て、そのうでが、エレインごとだきしめてくれたときに、なんだかとっても幸せだったから。
なんだかもういいやって、そう思った。
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