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神の子である理由
しおりを挟む「へえ、ここがリュオンの部屋?」
「リュオン様と呼べと言っ───────あー!おい、土足で上がんな、ベッドに登るなー!!!」
黒髪に黒目の美しい少年はリュオンの部屋として与えられている大変広い大聖堂の一室に入った途端、リュオンの使っている一人で使うには明らかに大きすぎるベッドに登った。
「おほほ、リュオン様、今日から同じベッドで眠る仲になるんですからもう少し歩み寄って差しあげてくださいまし」
「は!?何それ聞いてない!」
「いきなり部屋なんて用意できませんよ・・・」
「お前たちが寝起きしてる部屋に突っ込んどけよ!」
「やですよ眠るとこねぇし」
「じゃあ廊下に放り出せ」
「うわっ、リュオンサイテー、知ってる?それ虐待だよ?」
「うるせーてめえは黙っとけ!」
ズカズカと近寄ってネロをつまみ上げる。
姿かたちに見合わない力にネロが目を見張った途端、リュオンはネロを放り投げた。
「わっ」
「ちょ、リュオン様!?」
「ふん」
見事にネロを抱き留めたルキスに咎められるが、何処吹く風のリュオンは気にしない。
シュネーにシーツを変えるよう支持すると別室にある仮眠室に入って扉を閉めた。
リュオンにはさっき居た寝室兼その他の部屋であるクソほど広い部屋の他に、寝るためだけの仮眠室がある。
本来は有事の際の脱出経路などを置くための部屋なのだが、神の子の命令で仮眠室に変更されたのだ。
そこに置かれたシングルベッドに飛び込むと、どっと疲れが襲ってくる。
リュオンに片割れがいるかもしれない。
その話が出たのはリュオンが久々に実家に行ったその日だった。
「うーん・・・やっぱりおかしいのよねぇ」
「何が」
美しい顔を困惑に歪める母上にそう尋ねると、よくわかっていないような顔で母上はこんなことを言い出した。
「リュオン、多分あなたがよく眠るのは、力を使いすぎてるからよ」
「仕方ないじゃんか、母上みたく制御出来ねぇもん俺」
リュオンは感情を垂れ流しにする。
そうした方が感情は常に均等になり、押さえ込んでいた感情が爆発しないからだ。
昔嫌なことを我慢していたリュオンが癇癪を起こした時、屋敷が半壊した。
誰も怪我をしなかったのが奇跡と言われるほどの惨状だった。
対して生粋の聖女として力を使いこなす母上は、たとえ最愛の父上と大喧嘩をしようが、空が曇る程度で終わる。
どれだけ感情を爆発させてもコントロールがある程度効くのだ。
けれどもリュオンにはそれがない。
母上と並ぶ、もしくはそれ以上の力を持ちながら、一切の制御が聞かない。
なのでリュオンの機嫌は朝一番に空を見ればよくわかる。
寝足りなくて機嫌が悪くなる時はそれは真っ黒に分厚い雲でおおわれ、時折雷が鳴るからだ。
大聖堂の頭上でも、よく似た現象が頻発している。
まあそれがリュオンを神の子と言わしめる一因でもあるのだが。
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