俺の恋路を邪魔するなら死ね

ものくろぱんだ

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神の子の片割れ

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「あのね、リュオン・・・これは仮説なんだけど・・・」

そう前置した母上は、こんなことを言い出した。

「もしかしたらリュオンには、その力を抑え込む片割れがいるのかもしれないわ」
「はあ?何そのおとぎ話的な思考回路。大丈夫?ちゃんと仕事してる?」
「してるわよ失礼するわね・・・じゃなくって、これはお兄様も言ってることなの」

そう言った母上に水を向けられたのは向かいのソファーでアリシアと並んで座る伯父上だった。

両親とは色が全く違うリュオンだが、伯父上とはたまに親子に間違われるほどに似ている。
とは言っても瞳の色は正反対なのだが。

「うーんとね・・・リュオン、多分君は天使寄りだと思うんだ。それも大天使ね」
「・・・はい?」
「大天使と大悪魔が相反する存在であることを知っているよね?」

まるで夢物語のような理解不能なことを言い出す伯父上にドン引きしていると、話はどんどん熱を帯び出す。

「エルは大天使寄り・・・というか本人で、多分ステファーニエが大悪魔になるのかな・・・大天使と大悪魔は相反する存在であり、どちらか片割れだけだと力が過ぎて暴発してしまうんだ。だから大天使が死んだら後を追うように大悪魔も亡くなり、主たる絶対の神は新しく子を産ませる。生まれた子が大天使なら次は大悪魔を、大悪魔なら大天使を・・・そんなふうにね」

・・・この話を前世・・・いや、前前前世?かなり昔の生を大天使として生きた母上がどんな心境で聞いているのか分からない。
少なくとも俺はドン引きだった。

・・・まあ確かに、昔から伯父上が語っていた大天使ウルドの物語的には当ってる・・・のか?

「で、言いたいのはもしかしたらその理論で君の片割れ・・・大悪魔寄りの人間がいるかもしれないってこと、いるかどうかはともかく探してみる価値はあると思う」
「はっ、何それ、有り得ねー・・・別にそこまでしなくていーのにさ」
「・・・まあ、リュオンならそう言うよねって思ってたわ」
「仕方ないなぁ、やる気ゼロのリュオンのため、このお姉様が一肌脱ぎますかっ!・・・運が良ければリュオンと美形の・・・」

いつものように妄想を口走り始めたアリシア一度もお姉様なんて呼んだことは無いを置いておいて、伯父上はくすくすと笑った。

「まあ、リュオンらしくていいんじゃない?リュオンは何もしなくていいよ、僕らで勝手に動くから」
「いや、いいよ別に・・・」
「いいからいいから・・・変に首突っ込まれると難航しそうだし・・・言ったって言う既成事実があればいいや・・・」
「ん?何、聞こえなかった」
「いや、なんでもない、ともかくリュオンは僕らに任せておいて!ほら、エリスが呼んでるよ?」
「はあ?・・・ほんとだ」
「そら、行った行った」






・・・ん?もしかして俺は丸め込まれたのだろうか。
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