恋愛アラカルト

り。

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北木柚子の場合

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俺の名前は北木 柚子きたき ゆず。女っぽい名前をしてるけど男だ。兄弟の北木 澄子きたき すずもまた女っぽい名前をしてるけど男。兄貴は控えめで真面目な性格だけど俺は違う。俺は自分の意見をしっかり持ってるし目立つのが好きだ。学校でも割と目立ってる方。顔も悪くないからまあ何だ、アイドルみたいにちやほやされてる。

「柚子、おはよ!」

話し掛けてきたのは見古間 里玖みこま りく。俺の親友。学校では俺に並んで人気の俗に言う清純派アイドルって感じの奴。いつも元気で明るくて……あー、好きだ。大好きだ。愛してる。

「おはよう里玖、早いじゃん」

「柚子もね、俺は日直」

「俺は気分」

「はは、柚子らしい」

それは嘘。里玖が日直だから早く来るだろうと思って早く来た。一分でも一秒でも長く会いたい。

「俺日誌取りに行きたいから、黒板に日付書くのやっといてくれる?」

「いいよ」

「じゃ行ってきます」

「おう」

今日も可愛い。でも里玖は人気者だ。勿論、俺以外にも里玖を好きな奴がいて……。
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