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本編
23話『懐かしい思い出』その①
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快楽の熱を放った後、千隼は眠りに落ちた。
またも夢の中にいるのだが、自分の手を見ると小さい・・・。
手だけじゃなく、足も周囲を見渡す視線も、どれもこれも幼かった記憶にある景色だった。
「キミ、結城さんとこの子だよな?」
声をかけてきてくれたのは、ハスキーボイスな康煕だった。
「ぅん・・・」
小さく返事をして俯くと、自然と悲しくなってきてポタリポタリと涙が零れ落ちた。
「どうして泣いてるんだ?何かあったのか?」
心配した彼に下から顔を覗き込まれ、そう聞いてくる。辛かった、悲しかった。助けてほしくても、子供の言う『SOS』は目に見えるものではないし、周囲からは仲の良い家族に見えるのだから・・・。
男の子なのに女装させられ連れ回される日々、男の子なのに躰を悪戯される日々。どちらも口にして訴えても、『千隼ちゃんのこと、とても愛してるのね』くらいにしか相手にしてくれない。
そんな時、康煕に声を掛けられた。
「僕お家に帰りたくない・・・。パパもママも嫌い・・・」
ポロポロと涙を流しながら、康煕に泣きついた。
彼は、そんな僕を優しく抱きしめて背中をトントンとゆっくりリズムをとって安心させてくれる。その手は、優しくて安心感を与えてくれた。
「何があったのか、教えてくれるかな?」
「ママは、僕に女の子の服を着せて連れ回すの・・・。パパは、僕の躰を触ってくるの・・・」
「キミのお母さんは、女の子が欲しかったのかな。お父さんに躰を触られるのは、健康管理か何かか?」
「違うの・・・。男の子だから楽しいんだって言ってた・・・」
「ご両親とも?」
そう最後に聞くと、千隼はコクンと首を縦に振った。
例え、どんなに愛されていても性的虐待に触れるようなことは誰でも嫌だと思う。
〔今回、夢の中は過去にしてみた。だが、読み返すと己の悲惨な経験の一部が脳裏に浮かぶ...〕
(((鴻上様は、一体どのような人生を歩んできたんですかな・・・)))
またも夢の中にいるのだが、自分の手を見ると小さい・・・。
手だけじゃなく、足も周囲を見渡す視線も、どれもこれも幼かった記憶にある景色だった。
「キミ、結城さんとこの子だよな?」
声をかけてきてくれたのは、ハスキーボイスな康煕だった。
「ぅん・・・」
小さく返事をして俯くと、自然と悲しくなってきてポタリポタリと涙が零れ落ちた。
「どうして泣いてるんだ?何かあったのか?」
心配した彼に下から顔を覗き込まれ、そう聞いてくる。辛かった、悲しかった。助けてほしくても、子供の言う『SOS』は目に見えるものではないし、周囲からは仲の良い家族に見えるのだから・・・。
男の子なのに女装させられ連れ回される日々、男の子なのに躰を悪戯される日々。どちらも口にして訴えても、『千隼ちゃんのこと、とても愛してるのね』くらいにしか相手にしてくれない。
そんな時、康煕に声を掛けられた。
「僕お家に帰りたくない・・・。パパもママも嫌い・・・」
ポロポロと涙を流しながら、康煕に泣きついた。
彼は、そんな僕を優しく抱きしめて背中をトントンとゆっくりリズムをとって安心させてくれる。その手は、優しくて安心感を与えてくれた。
「何があったのか、教えてくれるかな?」
「ママは、僕に女の子の服を着せて連れ回すの・・・。パパは、僕の躰を触ってくるの・・・」
「キミのお母さんは、女の子が欲しかったのかな。お父さんに躰を触られるのは、健康管理か何かか?」
「違うの・・・。男の子だから楽しいんだって言ってた・・・」
「ご両親とも?」
そう最後に聞くと、千隼はコクンと首を縦に振った。
例え、どんなに愛されていても性的虐待に触れるようなことは誰でも嫌だと思う。
〔今回、夢の中は過去にしてみた。だが、読み返すと己の悲惨な経験の一部が脳裏に浮かぶ...〕
(((鴻上様は、一体どのような人生を歩んできたんですかな・・・)))
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