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本編

24話

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一部を除いて解除出来たことに嬉しい反面、何とも言えない複雑な気持ちもあって正直微妙である。

全員解除出来なかったことにより、長でもあるおばあちゃんからは何も言われなかった。
最初に伝えておいたこともあり被害が少なく済んでいるほうが群れを率いる者として多少の犠牲は仕方がないのだという。本当にそうなのかな?


『おい!そこの下賤げせんな人間!!』

「え?」

『「え?」じゃない!! 俺たちの仲間を返せ!!』

『これ、お前達やめるんじゃ。守護神様がお決めになったことじゃて、このおのこを責めるものではないぞぃ』

『でも!こんな得体の知れない人間がこの森に立ち寄らなければ、こんなことにならなかったじゃないか!コイツを責めて何が悪いんだよ!!』

「・・・さぃ・・・」

『何か文句でもあるのか!? 文句言う前に俺たちの仲間を返してから言え!!』


話せるようになったらなったでまくしたてる様に責め言が増していく。
そんな中、空気がピシッと割れるような音が鳴ったのと僕の怒りの一言が重なり聞こえなかったようだ。

そして、もう一度。見渡す限り騒ぐ羽虫共にも聞こえるように今度はハッキリと言い放つ。


「煩い!喧しい!黙れ!二度と発言するな!!」


明確な意思を持って紡いだ言葉はあまりにも強力で、かけた本人が心から許さない限り発言は二度と出来ない。
それを知らずに両者、売り言葉に買い言葉で二度目の「お口チャック」である。

一度目は寝ぼけて無意識にスキル発動してしまったが二度目は意識がハッキリしている。
文句を言ったり同意して頷いてた者らが声を失った。
話せなくなるだけだと思っている者も少なくはないと思う。ただ僕のスキルはネタをぶっ込んでくる神様が仕込んでくるので自力でどうこう出来ないのが現状なのだ。

そんなワケの分からない状態で頑張ってスキルを発動し助けることだけを専念したのに、解けた途端文句を言われたのでは堪ったものじゃない。
元々妖精は心を通わせ互いに信頼関係を築き上げなければ警戒を解くことは叶わない。
それでも、礼儀としてお礼の一言くらいあってもいいと思うのは僕だけなのかなぁ。

あ、そうそう。今度は呼吸は出来るみたいだから死にはしないよ。
僕の目の入る場所で所狭しと屍骸の山作られたら、メ・イ・ワ・クだからね♪


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