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勉強が出来るのと馬鹿は違うらしい
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その後三年間、手紙のやり取りさえなく過ごした二人だったが王立アカデミーへの入学が迫り、「このままではいかん」とばかりに両家の親が“入学を祝う会”とやらを企画し二人を引っ張りだした。
王立アカデミーとは十二~十八歳までの主な貴族が通う学園で、文官を目指す特進科、淑女マナーを主とした淑女科、騎士を目指す騎士科などに別れる。
ミカエルは特進科、ガブリエラは淑女科である。
侯爵家が主催とあって多くの入学予定の他の子供達も来ていたが、共に十二歳になった二人を引き合わせた途端やはり開口一番「ふん……少しはマシになったみたいだな、せいぜい頑張れ。特進と違ってお気楽な淑女科か。俺に恥をかかせないようにな」と宣った為、ガブリエラはひと言も発することなく踵を返し、他の出席者達に笑顔で挨拶して回った。
すると、何を勘違いしているのか「おい、お前せっかく俺が話し掛けてやってるのにその態度はなんだ……!」と追い縋ってきた。
ガブリエラは一切振り返らず、「一方的な暴言は会話とは言いません。この場は共に入学する学友たちとの交流の場。自宅のサロンと勘違いされないで下さいませ」
お前ん家みたいに我儘勝手が通ると思うなよ?
と振り返ることはしなかった。
周囲からの視線に気付いたのかミカエルは無理矢理振り向かせようと肩に置いた手を離し、渋々引き下がった。
(やっぱり、見事にろくでなしに育ってるわね)
ガブリエラは心の中で快哉を叫んだ。
その後も「公式の場で侮辱しておいて正式な謝罪がないので」を理由にエスコートを断り続け、 顔だけはいいミカエルは別の女性を連れ歩く。
「私の婚約者は高慢ちきで可愛げがない」
「私以外に貰い手がない不良物件だ」
「彼女に君のような謙虚な美しさの半分でもあった良いのに」
と、いちいち引き合いに出しながら。
お前、他に言うこと無いの?
私は奴が出席するパーティーには出席せずに社交を行った。
ある日なんか出席せずにこっそり友達の祝いにだけ行ったパーティーで、私が来ていることを知らないミカエルが、
「私の婚約者は美しくもないのにプライドだけは一人前でね、困ったものだ__あれでは結婚したら再教育が必要だろう、せっかくアカデミーの淑女科に在籍しているというのに」
ガブリエラはバルコニーでこれでもかと自分の悪口を言いながらピンク髪の女性の手を取って熱烈に愛を囁く場面を目撃してしまい、(クズエルが)とその場で罵倒したいのを抑えてひっそりとその場を後にした。
今までの暴言は全て記録してある。
私が敢えて出て行く必要はない。
「傲慢が服着て歩いてるだけの癖に、良く口のまわること」
だが、まわるのは口だけではなかったようで、
「ミカエルが特進科の代表ですって?!」
ガブリエラ達の通う王立アカデミーの卒業式では各科の首席がスピーチを述べる伝統がある。
ガブリエラは淑女科の代表だが、ミカエルは特進科の代表に選ばれたらしい。
「不正、じゃないわよね……?」
ミカエルが、
「特進と違って淑女科はお気楽でいい」
「ろくに学んでなどいないのに、私達特進科と同じ年度の卒業生というだけでステイタスになるのだからな」
等々何かにつけ淑女科を貶めるので特進と淑女課の折り合いは当然良くない。もちろんミカエルの暴言に倣うものばかりではなかったが、同じように淑女科を馬鹿にする者が一定数いた。
「成る程、それなりに影響力はあったということね……」
自分とミカエルは連れ立って社交に出向いたことがない。
故に、
”ミカエルは婚約者を嫌っている“
“ガブリエラは婚約者と上手く行っていない”
という事実だけは認定されているものの、相手については知られていないのが実情だった。
「きっちり手を回しておかないとね……」
散々人を馬鹿にして生きてきたのだ、纏めて返されても文句は受け付けない。
王立アカデミーとは十二~十八歳までの主な貴族が通う学園で、文官を目指す特進科、淑女マナーを主とした淑女科、騎士を目指す騎士科などに別れる。
ミカエルは特進科、ガブリエラは淑女科である。
侯爵家が主催とあって多くの入学予定の他の子供達も来ていたが、共に十二歳になった二人を引き合わせた途端やはり開口一番「ふん……少しはマシになったみたいだな、せいぜい頑張れ。特進と違ってお気楽な淑女科か。俺に恥をかかせないようにな」と宣った為、ガブリエラはひと言も発することなく踵を返し、他の出席者達に笑顔で挨拶して回った。
すると、何を勘違いしているのか「おい、お前せっかく俺が話し掛けてやってるのにその態度はなんだ……!」と追い縋ってきた。
ガブリエラは一切振り返らず、「一方的な暴言は会話とは言いません。この場は共に入学する学友たちとの交流の場。自宅のサロンと勘違いされないで下さいませ」
お前ん家みたいに我儘勝手が通ると思うなよ?
と振り返ることはしなかった。
周囲からの視線に気付いたのかミカエルは無理矢理振り向かせようと肩に置いた手を離し、渋々引き下がった。
(やっぱり、見事にろくでなしに育ってるわね)
ガブリエラは心の中で快哉を叫んだ。
その後も「公式の場で侮辱しておいて正式な謝罪がないので」を理由にエスコートを断り続け、 顔だけはいいミカエルは別の女性を連れ歩く。
「私の婚約者は高慢ちきで可愛げがない」
「私以外に貰い手がない不良物件だ」
「彼女に君のような謙虚な美しさの半分でもあった良いのに」
と、いちいち引き合いに出しながら。
お前、他に言うこと無いの?
私は奴が出席するパーティーには出席せずに社交を行った。
ある日なんか出席せずにこっそり友達の祝いにだけ行ったパーティーで、私が来ていることを知らないミカエルが、
「私の婚約者は美しくもないのにプライドだけは一人前でね、困ったものだ__あれでは結婚したら再教育が必要だろう、せっかくアカデミーの淑女科に在籍しているというのに」
ガブリエラはバルコニーでこれでもかと自分の悪口を言いながらピンク髪の女性の手を取って熱烈に愛を囁く場面を目撃してしまい、(クズエルが)とその場で罵倒したいのを抑えてひっそりとその場を後にした。
今までの暴言は全て記録してある。
私が敢えて出て行く必要はない。
「傲慢が服着て歩いてるだけの癖に、良く口のまわること」
だが、まわるのは口だけではなかったようで、
「ミカエルが特進科の代表ですって?!」
ガブリエラ達の通う王立アカデミーの卒業式では各科の首席がスピーチを述べる伝統がある。
ガブリエラは淑女科の代表だが、ミカエルは特進科の代表に選ばれたらしい。
「不正、じゃないわよね……?」
ミカエルが、
「特進と違って淑女科はお気楽でいい」
「ろくに学んでなどいないのに、私達特進科と同じ年度の卒業生というだけでステイタスになるのだからな」
等々何かにつけ淑女科を貶めるので特進と淑女課の折り合いは当然良くない。もちろんミカエルの暴言に倣うものばかりではなかったが、同じように淑女科を馬鹿にする者が一定数いた。
「成る程、それなりに影響力はあったということね……」
自分とミカエルは連れ立って社交に出向いたことがない。
故に、
”ミカエルは婚約者を嫌っている“
“ガブリエラは婚約者と上手く行っていない”
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散々人を馬鹿にして生きてきたのだ、纏めて返されても文句は受け付けない。
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