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断罪とは(前)
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卒業パーティー会場でガブリエラはリハーサルでも他科の代表と会わない様に細心の注意を払った。
控え室が別れていて良かった。
一番目だったミカエルのスピーチはやはりというか予想通りというか もう酷い のひと言である。
「この学園の淑女科には淑女とは思えない高慢な者が混じっているが是非染まらないでいただきたいと心から願う」
だの
「そもそも女性とは男性を一歩引いて引き立てるための存在であり、」
だの
「淑女科などただの花嫁修業の一環に過ぎない、お気楽なものだが我々特進科と過ごすことで実りある学園生活になったものと__」
こんな演説、街頭でやろうものなら即石打ちの刑だ。
良く途中で壇上から引き摺りおろされなかったものである。
まぁ、私が根回ししといたんだけどね?
「何人たりともスピーチの邪魔はするべからず」って。
私のやろうとしてることは、ヤツがこっちを馬鹿にするほど効果があがりますから?
二番目のスピーチは騎士科の代表で、無難な言い回しでどちらかに偏ってはいけないということをアピールすることで清廉な騎士らしく纏めた。
三番目の淑女科代表ガブリエラは、ミカエルの言い分を真っ向否定する言葉から始まった。
「皆さま、本日は卒業おめでとうございます。先程の特進科代表のスピーチに憤った方も多いことでしょう、心中お察しもうしあげますわ」
ミカエルはその言葉に目を剥いたが両側をがっちり騎士科の役員が固めているので動けない。
勉学(と浮気)に生きる男は腕っぷしが強くない。
振り払って動けるくらいの体力はつけるべきだったわね、ざまぁごらんあそばせ。
「特進科首席とそのご友人何人かの方においては在学中、ひたすら淑女科を貶め、自らを賞賛し続けてまいりましたが、卒業式においてもその性根が矯正されなかったこと、非常に残念に思います__人前、それもその場にいて反論も出来ない立場の者を一方的に貶める、それが紳士と言われる方のなさりようでしょうか?」
ミカエルのもの言いに憤っていた生徒たちはうんうんと頷き、与していた生徒の何人かはばつが悪そうに俯いた。
「淑女科はお気楽な科ではありません。淑女の会話とはすなわち情報戦、頭の固い勉学だけを学び、人の心の在りようを学ばなかった者に社交界は務まりません」
ガブリエラが一旦言葉を切ると、拍手喝采が浴びせられた。
それに笑顔で応えつつ、ひき続きガブリエラは口を開く。
「またそのように自分を侮り、馬鹿にする者を助け共に歩もうというもの好きもいないでしょう__私はこれまでの多くの侮辱を許すつもりはありません。私ガブリエラ・フォンテールは今を持って婚約者ミカエル・アズデールとの婚約破棄を宣言致します」
ザワッ と場内がどよめいた。
卒業スピーチでここまで火花が散ったのも初めてだが、婚約破棄宣言されるのも初めてだ。
何より、
「ミ、ミカエルの婚約者があのガブリエラ・フォンテールだって?!」
「ガブリエラ様の婚約者があの嫌味なミカエル・アズデールだったなんて……!」
と驚愕の声が方々からあがった。
二人は学内で顔を合わせることがなかった。
ミカエルは婚約者を罵り続けたが、名前は言わなかった。
ガブリエラはそもそも婚約者について何も語らなかった。
だから、知られていなかった。
控え室が別れていて良かった。
一番目だったミカエルのスピーチはやはりというか予想通りというか もう酷い のひと言である。
「この学園の淑女科には淑女とは思えない高慢な者が混じっているが是非染まらないでいただきたいと心から願う」
だの
「そもそも女性とは男性を一歩引いて引き立てるための存在であり、」
だの
「淑女科などただの花嫁修業の一環に過ぎない、お気楽なものだが我々特進科と過ごすことで実りある学園生活になったものと__」
こんな演説、街頭でやろうものなら即石打ちの刑だ。
良く途中で壇上から引き摺りおろされなかったものである。
まぁ、私が根回ししといたんだけどね?
「何人たりともスピーチの邪魔はするべからず」って。
私のやろうとしてることは、ヤツがこっちを馬鹿にするほど効果があがりますから?
二番目のスピーチは騎士科の代表で、無難な言い回しでどちらかに偏ってはいけないということをアピールすることで清廉な騎士らしく纏めた。
三番目の淑女科代表ガブリエラは、ミカエルの言い分を真っ向否定する言葉から始まった。
「皆さま、本日は卒業おめでとうございます。先程の特進科代表のスピーチに憤った方も多いことでしょう、心中お察しもうしあげますわ」
ミカエルはその言葉に目を剥いたが両側をがっちり騎士科の役員が固めているので動けない。
勉学(と浮気)に生きる男は腕っぷしが強くない。
振り払って動けるくらいの体力はつけるべきだったわね、ざまぁごらんあそばせ。
「特進科首席とそのご友人何人かの方においては在学中、ひたすら淑女科を貶め、自らを賞賛し続けてまいりましたが、卒業式においてもその性根が矯正されなかったこと、非常に残念に思います__人前、それもその場にいて反論も出来ない立場の者を一方的に貶める、それが紳士と言われる方のなさりようでしょうか?」
ミカエルのもの言いに憤っていた生徒たちはうんうんと頷き、与していた生徒の何人かはばつが悪そうに俯いた。
「淑女科はお気楽な科ではありません。淑女の会話とはすなわち情報戦、頭の固い勉学だけを学び、人の心の在りようを学ばなかった者に社交界は務まりません」
ガブリエラが一旦言葉を切ると、拍手喝采が浴びせられた。
それに笑顔で応えつつ、ひき続きガブリエラは口を開く。
「またそのように自分を侮り、馬鹿にする者を助け共に歩もうというもの好きもいないでしょう__私はこれまでの多くの侮辱を許すつもりはありません。私ガブリエラ・フォンテールは今を持って婚約者ミカエル・アズデールとの婚約破棄を宣言致します」
ザワッ と場内がどよめいた。
卒業スピーチでここまで火花が散ったのも初めてだが、婚約破棄宣言されるのも初めてだ。
何より、
「ミ、ミカエルの婚約者があのガブリエラ・フォンテールだって?!」
「ガブリエラ様の婚約者があの嫌味なミカエル・アズデールだったなんて……!」
と驚愕の声が方々からあがった。
二人は学内で顔を合わせることがなかった。
ミカエルは婚約者を罵り続けたが、名前は言わなかった。
ガブリエラはそもそも婚約者について何も語らなかった。
だから、知られていなかった。
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