いや、無理。 (3/27・0時完結)

詩海猫(9/10受賞作発売中!)

文字の大きさ
7 / 7

それぞれの結末


推敲甘いかもです。気付き次第直しますのでお許しを。


*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*



「お前が“ミーナはわかってくれているから大丈夫だ“などと言うからっ!」
「そのはずだったんです!俺が任務だと言えばミーナは頷いて……」
「頷いていただけで“許す“などとはひと言も言っていなかったのではないのかっ!?」
何しろ相手は切れすぎて読めないあの伯爵の娘だ。幼い頃からの婚約者という立場に甘えてこのバカ息子の所業を野放しにしていた自分にも責任だあることはわかっているが、損害があまりにも大き過ぎる。

皇太子は既にその座を追われた。皇家は当てにならない。
リンデン伯爵にも敵認定された今、我が家を守ってくれる壁は砂と化した。

「リンデン伯爵も承知のうえだと貴様が言うから、我が家は静観していたというのにーーあのざまはなんだ!?よりによって卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されるとは、この愚か者がっ!」
息子が「絶対大丈夫だ」と言うから、私と妻もあのパーティーに出席していた。
「このパーティーでミーナと仲直りするつもりだ。贈り物も用意したんだ」と息子が嬉しそうに言うから。
「皇太子殿下もあと推ししてくださると仰ってくださった」と。
だが、蓋を開けてみれば待っていたのは断罪の場。
裁かれたのは不正が明るみにでたハイドラ公爵だけでなく、皇太子と我が家の息子。皇帝はあの場に出席していなくて命拾いしたというべきだろう、城の自室で締め上げられているだろうが、パーティー会場でやられるよりはマシだろう。
「とにかく、お前はタイガー家から除籍する。慰謝料が高すぎてとても一代で払える額ではない。この家は次男ハーディに継がせるが、こんな家を継がされるとはあいつもとんだ貧乏くじだ。おそらくあいつの子供か孫の代まで返済は続くだろう」
「……っ、申し訳、ありません……」
頭を下げることしかできない。
ほんの数日前まで、ミーナとの未来を夢見ていたのに。
だが、皇太子殿下もその座を追われたいま、自分に何が出来るのだろう。
「……陛下が辺境ではあるが、寮付きの騎士団への推薦状を用意してくださった。今までよりずっと危険地帯での任ではあるが、その分給料も多いそうだ。毎月できるだけ送金しろ」
「……わかりました……」
「我が家の口座にじゃないぞ、リンデン伯爵の指定した口座へ直接だ。手数料が勿体ないからな」
我が家はそこまで逼迫しているのかと顔をあげると、厳しい面持ちの父の向こうに質素なドレスに身を包んだ母の姿が映る。華美なドレスは売り払うしかなかったのだろう、口にこそ出さないが目は冷たい怒りに燃えていた。

どこで間違ったんだろう。
何故必要以上にコンスタンツァに尽くして、ミーナに辛くあたってしまったんだろう。

盲目的にミゲルの命に従っていたハワードは、己がいかにシチュエーションに踊らされていたか未だ自覚しきれないでいた(ある意味幸せな脳)。



当のコンスタンツァだが、父親の公爵が処刑され、母親である夫人は女性の力で出来る仕事の中で一番過酷な労働場所へ送られた。一種の島流しだ。
他、関わっていた一族郎党は皆「少しでも働いて慰謝料払え」と言わんばかりにそれぞれ死なない程度の労働現場に送られたが、コンスタンツァに関しては『親や周囲が操り人形にしやすいよう、躾らしいことを全て怠って育てた』うえでの仕上がりであり、自分の贅沢や我儘には際限がないが不正を指示できるほどの頭がないうえに皇子が正式に破棄する前に別の婚約を結んだということで減刑された。

田舎の領主の館の洗濯女から始めたが、生来の傲慢さが急に矯正されるわけもなく、「こんな使えん召使いはいらん」と返品され、次に広大な農場の厩舎の掃除婦に配されたがそこでも癇癪を起こして返品、馬鹿でも出来るゴミ拾いでも「なんで私がこんな下民のいる町のゴミを拾わなきゃいけないのよ!」と暴れて逆にゴミを撒き散らす始末。
ここまでで当初手入れの行き届いていた容姿も劣化していたので娼館でも受け付けず、最終的には炭鉱所行きになった。
力がないので炭鉱を掘削するのでなく、炭鉱夫たちの気晴らし要員である。



そして皇太子の座を剥奪されたミゲルだが、皇籍から除籍はされなかった。
今の皇室には、ミゲルを含めて男児が二人しかいないからだ。
代わりに皇太子となった第二王子は現在十二歳。利発な少年ではあるが、スペアとして最低限の帝王教育までしかされていない彼に皇帝を継がせるわけにはいかず、十八まで皇帝になるための教育を施し、その教育は皇帝でなくリンデン伯爵が書類で推挙していった者たちに託された(デスクの書類をたまたま見つけた皇帝はその場でひっくり返った)。ーーただの推挙だけではなく、『⚪︎⚪︎と♢♢だけはやめとけ、国が潰れるのが早まるぞ』という一文が加えられていたからだ。

自分が今まさに指名しようとしていた相手を何日も前の手紙に否定された。

「怪物め……!」
遥か遠くからこの国の行く末を見ているのか、天上の神の如く。
稀にみる傑物をわずかな矜持のために手放してしまったことを嘆く皇帝にも陽は平等に当たるが、国の行く末は暗すぎて見えない。

天上かはともかく、遥か遠い場所というのは合っている。

ーーいずれ、国が潰れるというところも。



皇籍は書類上残ったものの、表向き全ての権利・財産剥奪のうえ追放の身となったミゲルは当初、アーニャを国に返そうとした。
だが、当のアーニャがそれを拒否した。
「あの国に戻っても、兄弟姉妹たちに嘲られ、適当な老人の後添えにでも出されるのが関の山ですわ。ならばお供させてくださいませ」
「今の俺には何の地位も財産もないんだぞ?!」
個人資産はすべて慰謝料の支払いにあて、手持ちの貴金属類も売り払って何とか工面した。
最北の果ての果てに送られる自分が借金を残していくわけにはいかない。
ミゲル本人が課された慰謝料とは別に、コンスタンツァに請求された慰謝料もミゲルに支払い責任が生じたので、金額は莫大なものとなったが、ハイドラ家から没収した財産もかなりのものだったので、父である皇帝とそれを分け合うような形でミゲルの負担分を先に支払った。
皇家に請求された残りの分は分割で払ってゆくことになる。
ミゲルに生活費の支給等は当然ない。この事態を招いた張本人なのだから。

だが、アーニャも引かなかった。
「それは私もです。王女として父が持たせてくださった持参金は、すべてリンデン伯爵令嬢にお渡ししました」
正確には、リンデン伯爵に、だ。ヴィルヘルミナの現在の居場所はおそらく家族しか知らないだろうから。
「何故、そんな馬鹿なことをっ……!君には何の責もないのだぞ!?」
「いいえ、あります。私は自分の思い描く幸せを求めてこの国に来ました。リンデン嬢がどんな目に遭っているかなど想像もしないままーー何より、私は貴方の婚約者ですから」
「……俺はもう、皇太子じゃない」
「皇太子でなくとも構いません。あの城で、私は兄弟姉妹との諍いに疲れて窒息しそうでした。その場所から、貴方は私を救い出してくださった」
「……君の身分は剥奪されていない」
「文無しの王女を、誰が今さらかえりみるでしょうか?」
「本当にいいのか?」
「良いのです。王女でも皇子でもなくなった今はむしろすっきりしています。ですがそうですね、もしひとつだけ許されるなら一度、リンデン嬢と話をしてみたかったです」

それはきっともう、永遠に叶わない願いだろうけど。

元気にされているだろうか。
三年も見続けさせられた婚約者の裏切りに人間不信に陥っていないだろうか。
皇族の傲慢なはかりごとに利用された己を自ら責めてはいないだろうか。

そんなではないことはあのパーティー会場での態度を見て分かりそうなものだが、彼女は真正の姫だったので、そこまでの考えは及ばなかった。


そして驚いたことに、リンデン伯爵家から減刑の嘆願書が届き、アーニャ王女へは「これからの生活の支度金に」と王女が渡した持参金の半分が返却され、残りは未払いの慰謝料としてとして受け取るという異例の計らいがあった。
「何も知らずに連れて来られた王女に、ヴィルヘルミナに対しての責任は生じない」というのがリンデン家の見解だったからだ。
さらにアーニャ王女がミゲルに付いて行くならば、環境があまりに過酷すぎるというのでミゲルの行き先も変更になった。

ミゲルとアーニャは今、とある中立地帯の港にいた。
どこの国も貴重な荷が行き交う場所で火種を撒くことはしないので治安は良い。
賊が狙いそうな場所だが、各国から警備の騎士や兵隊を選りすぐって置いているので賊は見つけ次第、鉱山送りか死刑だ。
ミゲルの行き先はもちろんこんな活気のある港ではなく、ここは単なる通り道だ。
二人の行く場所はここからさらに沖にある小さな島だ。管理用の塔が立っているだけの。
以前のように観光などは出来ず、船が出るまでの待ち時間を潰すだけだが、それでもアーニャは初めて見る港町を嬉しそうに見回した。
だが港は人でごった返していて、ミゲルの手を離してしまったアーニャは人混みに倒れこんだ。

そこへ、「大丈夫?」と艶やかな声がかかり、アーニャを助け起こしてくれたのは女性の白い手だった。
「ありがとうございます……」
とその手を借りて立ち上がったアーニャは次の瞬間、息を呑んだ。

「ヴィ、」
と発したところでシッ!とばかりに唇に人差し指を立てたのは、間違いなく彼の令嬢だった。
島に行ってしまう前に唯一会いたいと願っていた相手。
「お互い、ここでは名乗らないでおきましょ。私たちはただの通りすがりーーね?」
そう屈託なく笑う顔に影はない。
今なら、言って良いだろうか。
許されるだろうか。
アーニャは握った手を離さず、意を決して口を開いた。

「あの!」
「?」
「あのね、私、お友達になりたい人がいたの。人伝にしか聞いていないけれど、私の夫の親友の婚約者で、とても素敵な人だって聞いてーー、一方的に友達みたいな気になっていたの。けど、それはただのひとりよがりで、私が世間知らずなだけだった。その人は私の夫の企てのせいで傷ついていたのに」
「ーーそう。それで?」
そう答える彼女の傍には優しく彼女の肩を抱く男性がいて、よくよく見れば周囲の人並に沢山の護衛が紛れているのに気付く。彼は貴人なのだ。
そう気付いて改めて相手の青年を見れば平民に扮してはいるが、王女だった頃に見かけたことのある顔と重なった。
(あぁ、彼女には今こうして守ってくれる人がいるんだーー良かった)
「彼女は国を出て行ってしまって、私は何も言えなかった。けれど伝えたかったの、『ごめんなさい』と『できれば友人になりたかった』とあとーー、『どうか幸せになって』」
それを聞いた青い瞳が僅かに見開かれて、驚愕の色が宿った。
「私にそんなことを願う資格はないことはわかってるけどーーもう、心配はいらないみたいで安心したわ。それじゃ、助けてくれてありがとう!」
握っていた手をぱっと離して、アーニャは身を翻してミゲルの元に戻った。

「さっきの女性と何を話していたんだい?」
「人混みに押されて倒れ込んだところを助けてもらったお礼を言っていたの」
「……そうか。大丈夫か?」
「大丈夫よ!行きましょう」
もう彼女のことを心配する必要はない。
私は王女ではなくなり、ミゲルも皇太子ではなくなった。
くだされた罰は、「平民となり、国交の要所である港の沖にある監視の塔の管理人として永代仕えよ。非常時には命と引き換えにしてでも港を守りぬけ」というもの。

彼女も恋人である王子とお忍びで遊びにくることがある、国の要所。
「ならば、守って見せましょう」
アーニャは不敵に笑った。

*・゜゚・*:。. .。:*・゜゚・*

その様子を遠目に見ていたシリウスは、
「あれでよかったのか?」
とヴィルヘルミナに訊ねる。
「良いですよ、もちろん。我が伯爵家は王女に恨みなんかないですから」
これは心からの本音だった。
何しろ王女とはあのパーティーが初対面、互いに存在を知らなかったのだから。
(まあ、向こうは色々聞いてたみたいだけど……こっちはハワードとまともな会話ってなかったのよね)
「……君が良いならいいが」

シリウスはヴィルヘルミナのラルススでの事情は全て知っていた。
だからこそ、「何者からも絶対に守る」と誓っていたし、もし元婚約者がしつこく縋ってきたら彼女の視界に入る前に消すつもりでいたし、ラルススから逆恨みする奴が来ようものならその首と罪状を携えて現皇帝の廃位(放っておいても没落するだろうが)を迫るつもりでいた。

それでいて(嫌われたくないので)ヴィルヘルミナを縛り付けることもよしとせず、行きたいという場所には出来るだけ連れて行くことにしていた。
この港もヴィルヘルミナが見てみたいというからお忍びで連れて来ていたが、何の冗談か諸悪の根源もこの港にちょうど来ていた。
元婚約者は諦めたくないと縋ってきたそうだし、元皇太子とその婚約者はソイツとの復縁を嘆願していたと聞いている。
だからこそ、目の前に現れた女に警戒を強めたが、見かけ通りの箱入り王女ではなかったらしい。
元婚約者も危険地帯に送られたという。
「あの様子なら、大丈夫そうだな」
と小さく呟いたあと、さらに小声で「だが、警戒は怠るな」と周囲の影たちに告げた。

視線の先には、はしゃいでいる婚約者のプラチナブロンドがきらきらと光を振り撒いていて、シリウスもまた微笑みを浮かべた。




*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*




それぞれの行く末に納得のいかない方、思ったのと違ったと思われる方もいるかと思いますがこれが当初から作者が考えていた結末でした。
お付き合いくださり、ありがとうございました。

これにて閉幕です。
というかキー叩く指が限界です。脳もちょっとヤバいかもです。

いや、これ、気軽な短編ですからね⁉️

何気にコンスタンツァ、この回が初台詞でした(笑)
名前はいっぱい出てきたのになぁ……ヽ(´o`;













感想 47

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(47件)

さくら夏目
2026.03.28 さくら夏目
ネタバレ含む
2026.03.30 詩海猫(9/10受賞作発売中!)

ありがとうございます!
短期決戦、確かに疲れました!
けど、一気に書いてしまった方がキャラがブレないのは確かなんですよね……ハワードが一番脳筋でおツムが残念なのも確か。

最終決定権持ってる皇帝が息子の甘言にのっちゃってすぐに悟ったリンデンパパは縁切りの準備を始めたでしょうから、確かに被害甚大ですね。
短編なので省きましたが婚約してすぐの頃はミゲルというか皇家はコンスタンツァを矯正しようとしたし、歩み寄ろうとはしました。長くはなかったけど。
城に留めて教育できれば違ったかも知れないけど、親は元々、後々傀儡にしやすいように育ててるわけで許可がおりないし、城で教育したところで家に帰ったらリセットされてしまうので早々に諦めたという経緯があります。

弱い階層から虐めはじめたら首とられるので大丈夫です。どこまで実感してるかわからないけど、確かにヴィルヘルミナの観察眼や行動力を侮りすぎてましたからね。

楽しく読んでいただけて良かったです✨

体力と相談しながら頑張ります💦他の連載も進めないとですね💧

解除
xたまx
2026.03.28 xたまx
ネタバレ含む
2026.03.30 詩海猫(9/10受賞作発売中!)

ありがとうございます!ヴィーと家族は皆(他国で)幸せになるので大丈夫です!

解除
与三振王
2026.03.27 与三振王
ネタバレ含む
2026.03.30 詩海猫(9/10受賞作発売中!)

感想ありがとうございます。
確かに、死人は出てないですね……暗い話にしたくなかったですし。
ミゲルは王女に助けられたのは確かです。女性を見る目はあったけど政治力は足りてなかったですね。
確かに子や孫世代でも話作れそうが、苦労話になりそう(^^;;

大事にします。ありがとうございました。

解除

あなたにおすすめの小説

何か勘違いされていませんか?

りのりん
恋愛
楽しかった日常に不穏な雰囲気が あんなに憧れていた兄様が…… ダブルざまぁでさようなら

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

ほんの少しの仕返し

turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。 アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。 アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。 皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。 ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。 もうすぐです。 さようなら、イディオン たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

うまくやった、つもりだった

ひがん さく
恋愛
四大貴族、バルディストン公爵家の分家に生まれたオスカーは、ここまでうまくやってきた。 本家の一人娘シルヴィアが王太子の婚約者に選ばれ、オスカーは本家の後継ぎとして養子になった。 シルヴィアを姉と慕い、養父に気に入られ、王太子の側近になり、王太子が子爵令嬢と愛を深めるのを人目につかぬよう手助けをし、シルヴィアとの婚約破棄の準備も整えた。 誠実と王家への忠義を重んじるこの国では、シルヴィアの冷徹さは瑕疵であり、不誠実だと示せば十分だった。 かつてシルヴィアはオスカーが養子になることに反対した。 その姉が後妻か商家の平民に落ちる時が来た。 王太子の権威や素晴らしさを示すという一族の教えすら忘れた姉をオスカーは断罪する。 だが、シルヴィアは絶望もせずに呟いた。 「これだから、分家の者を家に入れるのは嫌だったのよ……」  

【完結済】婚約者から病弱な妹に腹を貸せと言われました

砂礫レキ
恋愛
2026/03/28誤字脱字修正しました。 エイデン伯爵家の長女イアナには病弱な妹アリーシャと末弟のルアンが居た。 両親は病弱なアリーシャと後継者のルアンにかかりきりでイアナをかえりみない。贈り物さえイアナの分だけ使用人に適当に考えさせていた。 結婚し家を出れば自分も一人の人間として尊重して貰える。 そんなイアナの希望は婚約者クロスによって打ち砕かれる。 彼はイアナの妹アリーシャと恋仲になっていただけでなく、病弱なアリーシャの代わりにイアナに子供を産むようにと言った。 絶望の中イアナは一人の少年を思い出す。 いつのまにか消えてしまった義兄ルーク、彼だけがイアナに優しくしてくれた人だった。 自分が近い内に死ぬ夢を見たイアナは毒家族の元から去る決意をする。

9時から5時まで悪役令嬢

西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」 婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。 ならば私は願い通りに動くのをやめよう。 学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで 昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。 さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。 どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。 卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ? なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか? 嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。 今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。 冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。 ☆別サイトにも掲載しています。 ※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。 これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。