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メイド達によると、カンナ嬢はツキナ嬢に懐き、一緒に本を読んだり城を散策したり、最近では子守唄をせがんで泊まって行ったりまでするようになったそうだ。ツキナ嬢は子供の扱いが上手いらしい。
カンナ嬢もツキナ嬢といる様になってからはヒステリーを起こす事もなく、元の世界を恋しがって不安になるとツキナ嬢とあちらに戻ったらあちこち一緒にいきましょう、と楽しそうに話す事で落ち着くようだ。
あちらの世界の歌も効果絶大だそうだ。
カンナ嬢のリクエストに答えてツキナ嬢が色々歌ってると聞いて少し興味が湧いたが絶対に人払いしてからしか歌わないと言われた。
「恥ずかしいからと言っておられましたが、とてもお上手なんですよ」
「綺麗な歌声でしたよね」
なんで知ってるんだ?
「こっそり聴いたんです」
「でも、ツキナ様は鋭くて、すぐに気配に気付いて止めてしまわれるんですよね」
残念そうに話すメイド達の様子を微笑ましく思う。
ツキナ嬢は良い主人なのだろう、最近はツキナを慕うメイドも増えカンナも一緒の事が多い為そちらのメイドも一緒になって二人の世話をやいている。
この宮でこの辺りだけがギスギスしていない。二人の望みが叶えばいいと思った。
そう思っていたところで、候補の中でハルカという娘に僅かだが魔法が発動した。カリンと年は同じくらいだが地味で目立たず、部屋からほとんど出ない娘だっだ。城中が一気に色めきたった。
♢♢♢
ーーここにきたばっかの時と大して変わらない光景だな。
ハルカに魔力が発動した祝賀パーティー。違うのは中心の人の輪がカリンでなくハルカを囲んでいる事。
周りに僅かながら取り巻きを残すカリンはくやしそうだがハルカもカリンには色々据えかねていたのだろう、自信に満ち溢れ、周りと私は違うのよ感が半端ない。
まあ、わかるけどね。
自分が特別な存在だと言ってもらえるのは嬉しい。
この城には王子様もいる事だし?
因みに第一王子は中立、第二王子はハルカの横に立ち、熱心に持ち上げている。
ハルカは頬を染めているがあいつカリンの時もああだったよね?いいのかハルカ。因みに第三王子はカリンの横に残ってる。
この国の王子様達は全員金髪碧眼で美形だ。違うのは年齢と髪の長さくらい。
上から23短髪、21長髪、17セミロング、うん眺めるだけなら眼福。別に会話したいとか思わないけど。
私は相変わらずモブAを楽しんでいる。違いといえば横にスイーツ山盛りの皿をかかえたカンナちゃんがいる事ぐらいだ。
「凄い光景ですわねぇ……」
「ーー全くね」
わかりやすすぎて、引く。カリンの存在が鼻についてた方がほとんどなので皆意趣返しのつもりなのだろう、ひたすらカリンを無視してハルカを持ち上げている。かわいそうにカリン達御一行様は隅へ追いやられ気味だ。
まあ、あれだけ「いずれ聖女の力を顕現してこの世界を救ってみせますわ!!」
とか大言壮語吐いときながら何の成果もないカリンと念じると目の前の水の入ったコップを持ち上げる程度の魔力が顕現したハルカでは現状ハルカの方が有利なのか。
その程度では、聖女かどうか測れない軽微な魔力でも。
因みにこの某少年漫画の水見式みたいな魔力調査は必須授業内にあるので私達もやっている。もちろん変化ないけど。
「これで私達帰れるのかしら?」
「だと良いね。ディ◯ニーランドこっちにないしねぇ」
そう、私とカンナちゃんは色々な約束をした。向こうに戻ったらどこそこに買い物行こうとか誰それのライブに行こう、話題のVRマシン、カンナちゃんは中学生にならないと体感出来ないからあと何年ちょっとだねとか。じゃあ何月何日どこそこで待ち合わせしましょうとか。
楽しみな約束をいっぱいしたのだ。あちらに戻る時記憶は消されてしまうかもしれないけど、無事に戻れる保証もないけれどーー必要だったのだ、私達には。そういう希望が。
だから早くレベルアップしてちゃちゃっと魔物退治してきてくれ、ハルカさん。
私は心からそう思った。
私はもう30年以上生きてるから良いけど、カンナちゃんはまだ小学生なんだからさ?
カンナ嬢もツキナ嬢といる様になってからはヒステリーを起こす事もなく、元の世界を恋しがって不安になるとツキナ嬢とあちらに戻ったらあちこち一緒にいきましょう、と楽しそうに話す事で落ち着くようだ。
あちらの世界の歌も効果絶大だそうだ。
カンナ嬢のリクエストに答えてツキナ嬢が色々歌ってると聞いて少し興味が湧いたが絶対に人払いしてからしか歌わないと言われた。
「恥ずかしいからと言っておられましたが、とてもお上手なんですよ」
「綺麗な歌声でしたよね」
なんで知ってるんだ?
「こっそり聴いたんです」
「でも、ツキナ様は鋭くて、すぐに気配に気付いて止めてしまわれるんですよね」
残念そうに話すメイド達の様子を微笑ましく思う。
ツキナ嬢は良い主人なのだろう、最近はツキナを慕うメイドも増えカンナも一緒の事が多い為そちらのメイドも一緒になって二人の世話をやいている。
この宮でこの辺りだけがギスギスしていない。二人の望みが叶えばいいと思った。
そう思っていたところで、候補の中でハルカという娘に僅かだが魔法が発動した。カリンと年は同じくらいだが地味で目立たず、部屋からほとんど出ない娘だっだ。城中が一気に色めきたった。
♢♢♢
ーーここにきたばっかの時と大して変わらない光景だな。
ハルカに魔力が発動した祝賀パーティー。違うのは中心の人の輪がカリンでなくハルカを囲んでいる事。
周りに僅かながら取り巻きを残すカリンはくやしそうだがハルカもカリンには色々据えかねていたのだろう、自信に満ち溢れ、周りと私は違うのよ感が半端ない。
まあ、わかるけどね。
自分が特別な存在だと言ってもらえるのは嬉しい。
この城には王子様もいる事だし?
因みに第一王子は中立、第二王子はハルカの横に立ち、熱心に持ち上げている。
ハルカは頬を染めているがあいつカリンの時もああだったよね?いいのかハルカ。因みに第三王子はカリンの横に残ってる。
この国の王子様達は全員金髪碧眼で美形だ。違うのは年齢と髪の長さくらい。
上から23短髪、21長髪、17セミロング、うん眺めるだけなら眼福。別に会話したいとか思わないけど。
私は相変わらずモブAを楽しんでいる。違いといえば横にスイーツ山盛りの皿をかかえたカンナちゃんがいる事ぐらいだ。
「凄い光景ですわねぇ……」
「ーー全くね」
わかりやすすぎて、引く。カリンの存在が鼻についてた方がほとんどなので皆意趣返しのつもりなのだろう、ひたすらカリンを無視してハルカを持ち上げている。かわいそうにカリン達御一行様は隅へ追いやられ気味だ。
まあ、あれだけ「いずれ聖女の力を顕現してこの世界を救ってみせますわ!!」
とか大言壮語吐いときながら何の成果もないカリンと念じると目の前の水の入ったコップを持ち上げる程度の魔力が顕現したハルカでは現状ハルカの方が有利なのか。
その程度では、聖女かどうか測れない軽微な魔力でも。
因みにこの某少年漫画の水見式みたいな魔力調査は必須授業内にあるので私達もやっている。もちろん変化ないけど。
「これで私達帰れるのかしら?」
「だと良いね。ディ◯ニーランドこっちにないしねぇ」
そう、私とカンナちゃんは色々な約束をした。向こうに戻ったらどこそこに買い物行こうとか誰それのライブに行こう、話題のVRマシン、カンナちゃんは中学生にならないと体感出来ないからあと何年ちょっとだねとか。じゃあ何月何日どこそこで待ち合わせしましょうとか。
楽しみな約束をいっぱいしたのだ。あちらに戻る時記憶は消されてしまうかもしれないけど、無事に戻れる保証もないけれどーー必要だったのだ、私達には。そういう希望が。
だから早くレベルアップしてちゃちゃっと魔物退治してきてくれ、ハルカさん。
私は心からそう思った。
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