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私の視線に気付いた王妃様は、ぱちんとウインクをして寄越し、軽く扇子を振って見せた。
__これからもっと楽しくなるわよ?
楽しみにしてらっしゃい。
そう言っているようだった。
(楽しめと言われても……)
地獄絵図にしか見えないんだが。
奇しくもアルスリーアとエドワードは同時に思ったが、口にすることはなかった。
今口を挟むのは火に油を注ぐ行為だと、理解していたから。
だが、どこにでも空気を読まないb、いや“鈍感力“という無敵の天性を持つ者はいるもので、
「えぇいどけ!私を誰だと思っておる!早く通さんかっ!」
と、どこかの馬鹿殿様のような台詞を吐きながら人の群れを押しのけて広間に踊り出てきた人がいた。
着ているローブが豪華なものなので身分高い人なのは間違いないのだろうが、衛兵に止められていたということは招待客ではないのだろうか?
「もう出てきてしまったのか……呼びに行くまで控室で待つよう言ったものを」
国王陛下がため息を吐くのが聞こえ、
「堪え性がないのは相変わらずなのですねぇ、あの方の出番はもう少し先ですのに」
と王妃様が扇子を揺らしながら微笑んでいるので単なる出番待ちの招待客だったようだ……ん?
出番待ち?
何の??
この“余興“の出番待ちということは即ち__、
「レベッカ!なぜこんなところで蹲っているのだ?それに誰も駆け寄りもしないとは、この国の騎士や貴族はどうなっておるのだ!エドワード殿?それにイリアス!これはどういうことだっ!?」
まさかのミレスナ国王、ほんとに“殿様“だった。
しかも、“イリアス“と国王陛下を呼び捨てにした。
二人はどうやら既知らしい。
「学生時代のような物言いは止めよ。ここは公の場だ」
「くっ……、だが、我が国の至宝である王女を粗略に扱ったことに関しては正式に抗議させてもらうぞっ!」
「粗略に扱った覚えはない」
「どころか、随分寛大に遇してきましたわ。その礼儀も貞操、頭……いえ貞淑さの足りてないお嬢さんを」
貞操、頭のあたりで言い回し考えてましたね王妃様?
「なっ……、王妃陛下!貴女様が我が妻となったミレスナ王妃を学生時代からよく思ってなかったのは知っておるが、それを娘に八つ当たるのはあまりにもみっともな「お黙りなさい」のdっ?!?」
「全く……いつまで学生時代のつもりでいるの?もう孫がいてもおかしくないトシだというのに。若気の至りで済まされる時期はとうに過ぎておりましてよ?あなたはもちろん、その娘である王女もね。それが通じるのはせいぜい十代まで。もう二十三だというのにいきなり先触れもなく他国の城に押しかける、いきなり要望を言う、まともな挨拶ひとつ出来ず、既婚の男性に懸想してその妻に離婚を迫る。どれかひとつとっても抗議だけではすまない重罪でしてよ?我が国内だからこそ拘束さえされずに済んでいるのですよ、そこの王女は」
__これからもっと楽しくなるわよ?
楽しみにしてらっしゃい。
そう言っているようだった。
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地獄絵図にしか見えないんだが。
奇しくもアルスリーアとエドワードは同時に思ったが、口にすることはなかった。
今口を挟むのは火に油を注ぐ行為だと、理解していたから。
だが、どこにでも空気を読まないb、いや“鈍感力“という無敵の天性を持つ者はいるもので、
「えぇいどけ!私を誰だと思っておる!早く通さんかっ!」
と、どこかの馬鹿殿様のような台詞を吐きながら人の群れを押しのけて広間に踊り出てきた人がいた。
着ているローブが豪華なものなので身分高い人なのは間違いないのだろうが、衛兵に止められていたということは招待客ではないのだろうか?
「もう出てきてしまったのか……呼びに行くまで控室で待つよう言ったものを」
国王陛下がため息を吐くのが聞こえ、
「堪え性がないのは相変わらずなのですねぇ、あの方の出番はもう少し先ですのに」
と王妃様が扇子を揺らしながら微笑んでいるので単なる出番待ちの招待客だったようだ……ん?
出番待ち?
何の??
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「くっ……、だが、我が国の至宝である王女を粗略に扱ったことに関しては正式に抗議させてもらうぞっ!」
「粗略に扱った覚えはない」
「どころか、随分寛大に遇してきましたわ。その礼儀も貞操、頭……いえ貞淑さの足りてないお嬢さんを」
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「なっ……、王妃陛下!貴女様が我が妻となったミレスナ王妃を学生時代からよく思ってなかったのは知っておるが、それを娘に八つ当たるのはあまりにもみっともな「お黙りなさい」のdっ?!?」
「全く……いつまで学生時代のつもりでいるの?もう孫がいてもおかしくないトシだというのに。若気の至りで済まされる時期はとうに過ぎておりましてよ?あなたはもちろん、その娘である王女もね。それが通じるのはせいぜい十代まで。もう二十三だというのにいきなり先触れもなく他国の城に押しかける、いきなり要望を言う、まともな挨拶ひとつ出来ず、既婚の男性に懸想してその妻に離婚を迫る。どれかひとつとっても抗議だけではすまない重罪でしてよ?我が国内だからこそ拘束さえされずに済んでいるのですよ、そこの王女は」
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