転生したので、とりあえず最強を目指してみることにしました。

和麻

文字の大きさ
42 / 53
第二章  ~学園~

魔法陣 2

しおりを挟む
5分後


「フゥ、こんなもんでいいか」

俺はキレイに書き写した紙を見て満足げにうなずいた。

うん、いい出来だ。さすが俺。

隣を見ると、クイードも終わっている。

うわぁ、俺よりキレイじゃん。

忘れてた。

俺の美術の成績、3年間オールBの3だったわ。

つまり、凡人中の凡人。

中の中。むしろ下?みたいな。

すいません。調子にのってました。

一人で自己嫌悪に陥ってウジウジしてると、見かねたクイードが話しかけてきた。

「どうした?お前も終わったのか。」

「ハイハイ、終わりましたよー。」

俺はウジウジしながら答える。

「何だ、早いな。俺より早かったんじゃないか?さすがユウトだな。」

えっ、なに?俺、すねてると思われてんの?

でも、誉められて機嫌を直すほど単純じゃないし?

、、、。サーセン、俺って単純でした。

フツーに機嫌が戻りました。

いやね、中身は成人しててもね、一応12歳の子供なんですよ。

なんだかなぁ。身体年齢に精神年齢が引っ張られてんのかなぁ。

ま、それはともかく。

次は何すればいいんだろう?

次の指示を貰うために、ナキリ先生を探す。

他の子たちはまだ写し終えていないようで、先生は遅れている子に、書きやすいようにアドバイスをしていた。

何だか呼ぶのは申し訳ないな。

とりあえず、先生が指示を出すまで待ってるか。

視線を元に戻そうとすると。

「ん?」

俺の視線に気が付いたナキリ先生が、こちらを向いた。

「おやぁ~?クイード君とユウト君は終わっちゃったみたいですねー。」

「あっ、はい。」

「う~ん、他の子はどうかなー?」

ナキリ先生につられて、俺も回りを見る。

どうやら半数近くの子が、もうすぐ終わるようだ。

「見た感じ、ちょうどいいみたいですねー。それじゃー、次の説明をしておきましょうかー。」

ナキリ先生は黒板の前に立つと、次の指示を出した。

「はいはい、注目ー!えっとー、じゃあ次はー魔力流してみよっかー。」

えっ、なんか軽く言ってるけどどうやんのさ。

説明なしとか言わないよね!?

回りを見ても、みんな同じような顔をしてる。

「そんな不安そうな顔しなくても大丈夫だよー。ちゃんと説明するからさー。」

ナキリ先生は、笑いながら言った。

当たり前か。いきなりやれとかどんなムリゲー。

「そんじゃ、説明を始めるよー。」

そう言うと、チョークを手に取りスラスラと魔法陣を黒板に書く。

さすが先生、慣れてんな。一瞬で書き終えている。

「みんなはー、ここまで書き終えたわけですがー、ここと、あそこと、この文字をよく見てくださーい。」

注目すべき文字を赤いチョークで目立たせる。

「この文字はー、この陣の中でもー、特に大切な文字でーす。ここを間違えていたら大変なのでー、よく確認してくださーい。」

俺は慌てて自分の書いた陣を確認する。

うん、問題なしだ。ふぅ、一安心だ。

にしても、魔法陣の文字はどうなってるんだろう。

この国の公用語である、ランセル語ではないようだ。

かといって、都合よく日本語って訳でもないしな。 

「確認終わりましたかー?では、説明を続けまーす。」

黒板に向き直り、魔法陣を示す。  

「この文字はー、古代アーロン帝国の文字でーす。私が目立たせた文字はー、それぞれ『制御』『召喚』『契約』の意味を持ちまーす。これを間違えるとー、陣は意味をなしませーん。契約なんてできないしー、そもそも呼び出せませーん。」

なるほど。古代の文字なのか。

でも、アーロン帝国?なにそれ?

「今言ったー、アーロン帝国についてはー、歴史の授業の時間に説明しますのでー、詳しいことは歴史の先生に聞いてくださーい。」

まっ、丸投げ!?

別にいいけどさ。説明してくれるなら。

「それじゃー、陣の説明はこれまでにしてー、魔力の流し方の説明に移りまーす。」

ナキリ先生は一旦、黒板から離れて、教壇の上にあった紙を持って戻ってきた。

「この紙はー、君たちが書いた魔法陣とは違う陣の紙でーす。陣は違いますがー、やることは同じなのでー、よく見ていてくださーい。」

ナキリ先生は、紙を広げ机の上に置くと、両手をかざし魔力を流し込み始めた。

「私はー、陣をー、コップでー、魔力を水だとイメージして魔力を流し込んでまーす。イメージするものはー、人によってそれぞれですがー、上手くいけばー、とても早くー、正確にー、流し込められるかもしれません。」

なるほど。やはりイメージが大切なようだ。

と、先生が魔力を流し込んだ陣が淡く光始めた。

「ん?そろそろですねー。今回はー、この光がー、黄色になったところでー、魔力を流し込むのをやめてくださーい。」

ナキリ先生はかざしていた両手を下ろす。

ポンッ

すると、なんとも気の抜ける音と共に、陣の上に可愛らしい小鳥が立っていた。

「私が今使った魔法陣はー、契約精霊を呼び出すものでーす。皆さんはー、呼び出したあとにー、契約をー、交わさなくてはなりませーん。」

あっ、そうか。まだ契約している訳ではないもんな。

「契約の交わし方はー、精霊にー、自分の魔力をあげるだけでーす。」

えっ、そんなんでいいの!?

めっちゃ簡単だな。

「精霊たちのー、主食はー、主に魔力でーす。主人となるー、私たちが魔力を与えー、それを受け取ってもらえればー、契約成立でーす。」

なるほど。受け取ってもらえない可能性もあるわけだ。

ああ、簡単そうに見えて、案外難しいかもしれない。

「魔力操作が得意な人はー、魔法陣をなぞるかのように魔力を注いでくださーい。キレイになぞれた場合ー、強力な精霊がー、呼び出されるかもしれませんよー。」

強力な精霊!?

なんとも厨二心をくすぐるワードではないか!?

これは期待できそうだ。

「ではー、早速始めてくださーい。」

先生の声と共に、俺は魔力を流し始めた。












ーーーーー

すいません。本当にすいません。間違えて非公開になっていました。
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...