転生したので、とりあえず最強を目指してみることにしました。

和麻

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第二章  ~学園~

契約

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ふむ、魔力を流し始めたのはいいが、なかなか難しいな。

ナキリ先生は、水を注ぐかのようにと言っていた。

だけどそのイメージでやってみると、どうしてもキレイになぞれない。

線からはみ出してグチャグチャになったり、陣から魔力が溢れたりする。

5回目のチャレンジで心が折れた。

あー!イライラする!!

なんでキレイになぞれないんだよ!

イメージか!?イメージ力の問題か!?

はぁ、ペンみたいにインクつけて書くだけなら楽なのになー。

、、、ん?待てよ。

魔法ってイメージが大事なんだよな。

むしろイメージ力がなきゃ出来ない。

なら、魔力をインクに見立てて、指をペンだと思えば、いけるんじゃないか?

ふと思いついたにしては、なかなか名案に思えてきた。

成功するかどうかは分からないが、とりあえずやってみるか。

えっーと、指の先から魔力を出しながら、陣をなぞればいいよな。

スラスラスラ

6回目ともなると、簡単に書ける。

書くのは簡単なんだよ、書くのは。

問題は、魔力のコントロールだ。

ブレてないよな?

おおっ!?

上手い具合に魔力が固定されている。

よし、このままなら今度こそいける!

「おー、ユウト君は魔力操作が上手ですねー。皆さんも、この陣を見本に頑張ってくださいねー。」

いつの間にか隣に立っていた、ナキリ先生に誉められた。

あれ?ナキリ先生、さっきまで教室の反対側に居たよな?

気のせいか?

集中していたから気付かなかっただけか?

、、、そういうことにしておこう。

深く考えてはいけないような気がしたので、気を取り直して魔力のコントロールに集中する。

あと少し、あと少しだ。

この文字を書いて、、、よし!書き終わった!

陣を書き終えて、魔力を流すのを止めた。

これで、少し待てば精霊が召喚されるはずだ。

どんな精霊だろうか。

楽しみだな。

柄にもなく、浮かれて、ワクワクしてしまう。

すると、魔法陣がぼんやり光だした。

キタァァァ!やっと召喚か!

って、えっ!?

光だした魔法陣を見てると、どんどん大きく、光も強くなっていく。

なんかコレおかしくない!?

ヤバそうな感じがするんですけど。

そうこうしている間に、魔法陣は俺の顔くらいの大きさまで広がった。

これで止まるかな。

止まらないとないとヤバいよな。

、、、止まらないんですけど!?

さすがに異常に気づいたナキリ先生が叫ぶ。

というか、また移動してたの!?

いつの間に、、、。

「ユウト君!魔力を流すのをやめてくださーい!」

ちょっと衝撃を受けていた俺に向かって、先生が言った。

「えっ!?流してませんよ!?」

流してないはずだよな!?

「いえー、指から流れ出てますよー!」

「嘘っ!?」

俺は慌てて魔力に蓋をするイメージをした。

おおぅ、確かに漏れ出てたみたいだな。

ふと冷静になって隣を見ると、クイードはあっさり召喚し終わっていたようで、金色の獅子が隣にいた。

まだ子供だったけどな。

にしても金色の獅子か。

カッコいいな!

そんなことを考えていると、今度は魔法陣がさらに強い光を放ち始めた。

「えっ!?なんで!?」

魔力は流してないはずなのに!?

「ユウト君、皆さん!危ないから離れて!」

珍しくナキリ先生の、間延びしていない悲鳴のような声が聞こえた瞬間、魔法陣は一際強い光を放ち、耐えられなかった俺は目を閉じた。

ーーー、、、。

そろそろいいかな?

光が収まったようで、ようやく目が開けられそうだ。

だが、なにかおかしい。

そうか、さっきまでガヤガヤしていたはずの教室の人声が一切しないんだ。

俺は、慌てて目を開ける。

目に飛び込んできた世界は、全てが止まっていた。

「えっ!?なにコレどうなってんの!?」

みんなは、息をしてないのか微動だにしない。

「大丈夫だよー。時を止めてるだけだから。この話が終わったら、すぐに動き出すさ。」

ん?この声は、、、。

「そう!呼ばれてないけどジャジャジャジャーン、地球の神様改め、この世界の創造神だよ!」

「てっめぇ、何しに来たぁぁぁ!」

はっ!?思わず飛び蹴りを放ってしまった。

まぁ、いっか。あの自称神様の不審者だし。

あっ、クソッ、避けられた。

「ヒドイなぁ。なんで不審者までレベルアップしてんのさ。」

それレベルアップなの?

「それよりお前、勝手に思考読んでんじゃねぇよ!」

「えー、だって仕方ないじゃーん。神様なんだし。」

「その設定いつまで引っ張んの?」

「設定じゃないし!ホントに神様なんだよ僕!?」

あー、なんかこのやり取り前にもやった気がすんな。

でもあんときは、転生するときの手続きみたいのがあったからだよな?

コイツ自称神様は何しに来たんだ?

「あっ、やっと聞いてくれたね!」

「聞いてねぇ!言葉にしてねぇんだから思考読むな!」

「実はね、君の契約精霊の選定を手伝いに来たんだ!」

コイツ、スルーしやがった。

というか、はぁ!?

精霊の選定だと!?

「どういうことだよ。」

「実はねー、精霊ってのは、契約者の属性に左右されるんだよ。」

あー、なるほど。だから自分の属性以外の精霊は契約出来ないのか。

「そうそう。普通に生きていれば、属性は生まれつき持っていた物以外は身に付かないんだよ。だから、精霊は1番得意な属性の者がなることが一般的だ。」

なるほどなー。1番得意な属性か。

あれ?じゃあ俺は?

「一般的ってことは、俺の場合はなんなんだよ。」

一般的じゃないってことだろ?

「君の場合はね、使える属性は今後どんどん増えていくだろうし、得意な属性も変わってくるだろうし、色々不確定なんだよね。」

「属性って、火、水、風、土、雷、光、闇、時空、空間、だよな?」

「あー、それは君たちが発見してる範囲のモノでしかないね。ホントはもっとたくさんあるんだよ?」

「マジかよ。」

驚き過ぎて、なにも言えねぇ。

「そこで!色々不確定な君のために、僕が出てきたわけですよ。」

「なるほどねぇ。で、どうやって決めるんだ?」

「それはですねぇ、コレです!!ジャーン!」

ジャーンってなに?

セルフ効果音?

それより、そのルーレットどこから出した?

自称神様が出したのは、大小2台のルーレットとダーツの矢だった。

大きい方のルーレットは、火、水、風、土、雷、光、闇、時空、空間、全属性、その他、に分かれている。

小さい方は、獣型、人型、モンスター型、?、の4つだ。

「だいたい予想がつくけど、コレなに?」

「君の想像通り、君の精霊を決めるためのルーレットでーす!今から大きい方を回すので、このダーツの矢を投げてね!」

「まあ、それはいいけどさ。その他と?ってのはなに?」

「その他は、そのまままだ知られてない属性のことさ。?は当たったら説明するから。とりあえず投げちゃってよ。それじゃあ、いっくよー!ソレッ!」

グルグルグルグル

「ほら、早く早く!投げちゃって!」

「あー、はいはい。」

ヒュン

ストッ

「ん?おおお?これは!?」

パンパカパーン

「おめでとうございます!全属性です!」

「えっ、マジ!?」

「マジマジ。いやー、君運がいいね。僕の加護のおかげかな☆」

「認めたくないけどそうかもな。」

「認めたくないってなに?ヒドくない!?まっ、いいや。そんじゃ次いってみよー!」

「へーい。」

俺たちは、小さい方のルーレットの前に移動する。

「ソレッ!」

グルグルグル

ヒュン

ストッ

「ほっほーう。なるほどなー。」

パンパカパーン

「はーい、決まりましたよー。ハテナでーす。」

「なにそれ。」

「あー、ぶっちゃけて言うと卵ですね。卵。」

「は?」

「だいたい1年位で孵化するから、魔力与えて大事に育ててねー。魔法陣の上に置いとくからさ。」

「はあっ??」

「あっ、あとこれからステータス見せることも増えると思うから、【偽装】スキルもあげちゃうねー!それじゃ、さいならー。」

呆然としていた俺に一方的にまくし立てると、強い光が俺たちを包んだ。

えっ、これ言い逃げされた!?

、、、ふざけんな!!
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