転生したので、とりあえず最強を目指してみることにしました。

和麻

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第二章  ~学園~

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再び光が俺を包む。

あのクソ野郎!次会ったらただじゃおかねぇ。

ガヤガヤ

ふと我に返ると、光は収まり教室の喧騒が蘇っていた。

「ユ、ユウト君!大丈夫ですか!?」

ナキリ先生が、顔を真っ青にさせて聞く。

「えっ?ああ、大丈夫ですよ。問題ないです。」

特に異常もないしな。

違いがあるとすれば、俺のステータスに偽装が増えたことと、魔法陣の上に鮮やかな藍色の卵があることぐらいか。

いや、それも十分異常だわ。

1人で納得していると、クイードがなんとも形容し難い表情で卵を見つめているのに気づいた。

なんというか、ワクワクした子供というか、未知の物に抱く不信感というか。

うーん、こんな表情のクイード見たことねーぞ?

まあ、そんなこと言えるほど付き合いが長い訳でもないんだけどね。

「なあ、ユウト。」

「なんだよクイード。」

「お前、その卵どうした?」

やっぱ聞くよなー。

「あー、一応俺の契約精霊かな?」

「この卵が?」

「この卵が。」

間違いなくそうなんですよ、残念なことに。

「どう見ても卵だよな。どうやったら中身が出てくるんだ?」

中身って、、、。せめて精霊とか言おうよ。まあ、いいけどさ。

「魔力与えて孵化させる。」

「本当か?どれくらいの期間で孵化できる?」

「1年程らしいよ。」

長いよな。その間、俺には契約精霊のいないまま過ごせと。

授業で契約精霊となんかしたりすんだろうな。

俺だけ卵とか泣けてくる。

「えっ、卵ですか?」

先生は、今卵に気づいたみたいだ。

、、、あれ?そういえば、ナキリ先生口調が戻ってない。

いつになったら戻るんだろう。

あの間延びした口調、結構好きなんだよな。

はっ!まさかキャラ作りだったのか!?

「ユウト君!どういうことなのか説明してください!!」

おっと、いけない。思考が脇道にそれた。

んー、でもなどういうことって言われてもな。

どう説明しよう。まさか本当のことを話すわけにもいかないしな。

あー、どうしよっかな。

適当にボカせばいいよね。

、、、よくよく考えたら、ボカしてもヤバい内容じゃないかこれ。

不審者に会って、ルーレット回して卵貰ったんだから。

正直に言っても疑われるだけだろうな。

ヤベェ、俺詰んだ。

「えー、光が強まった時にー、、、忘れました。」

これぞ最終手段の、『全部忘れちゃえ☆』作戦だ。

使いすぎると疑われるけどな。

今は良いだろう。なんてったって、本当のことを言えないんだし。

下手な嘘ついてもバレそうだし。

俺、嘘下手なんだよね。

自分のついた嘘すぐ忘れる。だから、即バレ。

そこっ!鳥頭と言うなよ!

俺の頭は無駄なことに容量使うスペースが無いだけだ!!

えっ?容量少ないねって?

知ってるよ、泣くぞこの野郎!

「忘れた!?忘れたって、、、。なぜですか?覚えている範囲でいいので教えてください!」

ヤバい、ナキリ先生超必死。

仕方ないよなー、自分の教えた魔法陣が問題あったら大変だもんな。

あれ?もしかして、危険と判断されたらこの授業消える?

まっ、いっか。俺には痛くも痒くもないし。

とりあえず、説明だ説明。

「光に包まれた後に、何か衝撃的な出来事があったはずなんですけど、衝撃的過ぎて忘れました。多分飼育方法とかは、無意識のうちに必要な情報として覚えてたんだと思います。」

衝撃的な出来事があったのは本当。

飼育方法を覚えてるのも本当。

忘れたのだけ嘘。

さすがに俺だって、このくらいの嘘ならつけるさ。

態度には出さないんだから。バレないよな。

嘘だって言う証拠もないし。

怪しまれるかもしれないけど、仕方ない。

説明できないしさ。

「そうですかー、忘れてしまったなら仕方ないですねー。」

「お役に立てなくて、申し訳ございません。」

ナキリ先生は、ものスッゴク肩を落として落ち込んでいる。

にしてもあの口調、なんだか久しぶりに聞いた気がする。

実際には数十分なんだけどな。

「で、この卵は何の卵なんだ?」

今度はクイードがまた聞いてきた。

「えっ?だから精霊。」

さっきからそう言ってるつもりなんだけどな。

「それは分かってるさ。」

あっ、分かってたのね。

「んじゃ、なにさ。」

「精霊と言っても色々いるだろう?獣型とか、人形とか、植物型とかな。」

それもそうか。でも、残念。

「俺にも正確なところはわからないんだ。でも、卵から生まれてくるなら獣型じゃない?」

「そうとも限らないぞ。精霊はみんな卵から生まれるらしいからな。」

えっ、なにそれ初耳。

植物型も卵生とかちょっと驚いた。

うわー、想像できねぇ。

俺は何型かなー。ワクワクすんな。早く会いたい。

「まぁ、問題もないようなのでー、授業を続けますがー、ユウト君は放課後職員室に来てくださーい。」

「ゲッ、なんでですか?」

「卵で召喚なんてー、前例がないのでー、色々聞きたいと思いまーす。」

色々ってナンですか。

先生、目が好奇心でギラギラしてます。

俺、嘘突き通せるかな。

俺は冷や汗をタラリと垂らすのだった。
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