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しおりを挟む僕は真実を知った日から何を信じれば良いのかわからなくなった。
何よりも信じていた相手からの裏切り。
マイカの事を簡単に忘れる事なんてできない。
今は、僕自身も僕の行動すらも信じる事が怖い。
そんな時だ。サブリナが目を覚ましたと報告が入った。
考えるよりも早く彼女の無事を確かめたくて、彼女の部屋へと急いでいた。
「サブリナ!サブリナ!!」
やせ細った手のひらに少しでも温もりを与えたくて優しく手を握る。
何か言いたいのか必死に口を開けているが声が出ない様だ。
僕らのせいで、純粋な彼女を巻き込んでしまった。
「サブリナすまない。君の体調が落ち着いたらまた話そう。それまではゆっくり休んでくれ」
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暫くして彼女の体調が落ちついたので、真実を話す時がきた。
「クロヴィス様長き間ご迷惑をおかけし申し訳ありません」
「いいんだ。君の体調が回復して本当に良かった」
以前よりも顔色が良くなった様で本当によかった。
「もう体調は大丈夫なのか?」
「ええ。もうすっかり良くなったのですが久しく寝たきりだと少し動くだけで筋肉痛になるみたいです。」
「そうか。あまり無理はしないでくれよ」
そういった彼女の手はまだ手折れる程か細く、彼女を繋ぎとめる様に優しく手を握った。
「それよりマイカ様はご無事ですか?」
そうか。僕が感じた違和感。
普通誰かの安否を心配する時は無事か確認するはずなのに
それなのにマイカは…
「ああ。彼女は無事だ。」
「良かったです。きっとマイカ様も寝たきりで身体がお辛いでしょうから、今度一緒に庭園のお散歩から初めた方がよさそうですね」
こんな時でも君は人の事を気にかけている。
彼女の澄んだ瞳を見るとこれから告げる真実に喉が重くなってしまう。
「今回の犯人はマイカだったんだ・・・」
それから僕は彼女が眠っている間に起きた事を、ゆっくりと話した。
マイカがは彼女を邪魔に思い、毒を盛り亡き者にしようとした事。
そもそもマイカは僕をを好いているわけではなく、お姫様や王太子の妃になれば楽して過ごせると思っていた事。そしてそんな彼女は、それでも聖女だから通常なら極刑だが今は東の棟に幽閉されていて一生外に出す事はないという事。
気付けば最初は撫でていた僕の手を今は彼女がそっと撫でている。
余りにも自分が情けなくて、彼女を巻き込んでしまった事に頭を下げた。
すると彼女はゆっくりと僕を抱き留め背中を摩った。
僕彼女の肩に顔を埋めながらすまないと肩を濡らした。
どのぐらい僕たちはそうしていたのだろう。
彼女が小さな声で僕に誓った。
「命のある限り真心を共に最後まで尽くし、愛しむ事を貴方と誓います」
ああ。そうだ。
僕はあの日彼女と誓ったのだ。
恋人とは違う同士として共にこれからも先を共に歩むと。
マイカの事は許されない。簡単には忘れられない。
それでも今まで彼女が尽くしてくれたから、彼女ならまた信じられる気がする。
あの日誓った様にこれからも、この国をそして貴女を支えぬく事を
「命のある限り真心を共に最後まで尽くし、愛しむ事を貴女と誓います」
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