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しおりを挟む身体が熱い。
溺れる様に重い。
それでも抗う様に重い瞼をそっと開けた。
「殿下!」
誰かの声が聞こえるが反応する事ができない。
それから一方的に話しかけられ、私は一週間以上眠ったままだったらしい。
やっと体が慣れてきたころクロヴィス様が部屋を訪れた。
「サブリナ!サブリナ!!」
クロヴィス様はまだ声が出ない私の手の平をそっと握りしめながら声を震わせ私の名を呼んだ。
そんな事はないのに、まるで彼が泣いているかの様に見えた。
彼に声をかけたくて口を開くも声は出ない。
「サブリナすまない。君の体調が落ち着いたらまた話そう。それまではゆっくり休んでくれ」
------------------------
「クロヴィス様長き間ご迷惑をおかけし申し訳ありません」
「いいんだ。君の体調が回復して本当に良かった」
私たちは今ベッドと彼は椅子に腰かけ久しぶりに言葉を交わしている。
「もう体調は大丈夫なのか?」
「ええ。もうすっかり良くなったのですが久しく寝たきりだと少し動くだけで筋肉痛になるみたいです。」
「そうか。あまり無理はしないでくれよ」
そういって彼はまた私の手を優しく撫でる。
「それよりマイカ様はご無事ですか?」
「ああ。彼女は無事だ。」
「良かったです。きっとマイカ様も寝たきりで身体がお辛いでしょうから、今度一緒に庭園のお散歩から初めた方がよさそうですね」
そう私が提案するも何故か彼の顔色は暗い。
「今回の犯人はマイカだったんだ・・・」
それから彼が話す内容に私は驚くばかりだった。
マイカ様は私を邪魔に思い、毒を盛り亡き者にしようとした事。
そもそも彼女はクロヴィス様を好いているわけではなく、お姫様やクロヴィス様の妃になれば楽して過ごせると思っていた事。そしてそんな彼女は、それでも聖女だから通常なら極刑だが今は東の棟に幽閉されていて一生外に出す事はないという事。
少しづつ話彼の手は僅かに震えていて時折恐れる様に強張りを繰り返す。
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彼の話を聞き終えたとき、すまなかったっと彼がそっと頭を下げた。
彼は自分を責め続けている。
そうだとしても彼も傷ついたはず。愛する人に裏切られたのだから。
正直マイカ様の事は未だに信じられない。私を殺そうというほどに憎んでいたのか。
私はゆっくりと彼を抱き留め背中を摩った。
彼は私の肩に顔を埋めながらすまないとゆっくりと肩を濡らした。
どれぐらい私たちはそうしていたのでしょう。
私はゆっくりと彼に問いました。
「命のある限り真心を共に最後まで尽くし、愛しむ事を貴方と誓います」
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