ひとりえっちが好きな♀と結婚して子供がいる♀の百合話(仮)

木村 卯月

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少女の行為はもう終わったのか

彼女の坂本円さんについて

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 彼女の名前は、坂本まどか。三十六歳。

 彼女は結婚しており、旦那との間に今年中学生になった子供がいる。彼女曰く、子供が進学して落ち着いた事で、自分の時間に少し余裕ができたのだとか。それが主に私と会う時間に費やされているのだろう……

 前述の様に見た目は「長い黒髪と切れ長な目をした物静かな和風美人」なのだが、付き合いが長くなるにつれて良くも悪くも意外な面が見えてくる。一応、自己申告によると身長は167センチあるらしく、172センチある私と並んでもあまり差を感じない。おまけに脚が異様に長く、私の部屋着を履くと「丈が短い」とぼやく。私も脚は長い方なのだが、彼女の方が股下の部分が若干高かったりする。この人一体何頭身あるんだ……
 その他の特徴としては……

・艶のあるその美しい黒髪は、行きつけの千円カットの理容室でカットしている。

・仕事上やむを得ず化粧をするが、すっぴんの方が圧倒的に綺麗である。子供の学校の式典等で服装に合わせてガチ化粧をすると、ニューハーフに間違われる。

・お風呂に入るのが面倒で、仕事がない時は夏でも二~三日は入らない事がある。しかしエッチをする時は必ず体を洗うので発情している状態がわりと分かり易い。

・シャンプー、石鹸等自分で泡立てるのが面倒で、一緒にお風呂に入った際には私から泡を横取りする(流石に家族とは絶対にしないらしいが)

くるぶし丈の靴下を履いているが、左右の模様が違っていても全く気にしない。と言うか、同じ模様の靴下を探すのが面倒な様だ……私の方が気になってしまうので正直やめてほしい。

・私は煙草を吸わないが彼女はエコーとワカバが好きである。

・他人の体毛が好きらしく、多少生えている私の腋毛を処理させてくれない。

・私がいる時はドリンクバーの飲み物を自分で取りに行かない。

・焼肉は大好きだが自分で焼くのが面倒だ(つまり私に焼かせる)

・一緒に買い物に行っても私が手一杯になるまでは荷物を持たない。やむを得ず荷物を持つ時は軽い物から持つ。

・「寒い」と言ったので咄嗟に貸した上着は帰ってこないが彼女は愛用している。

・仕事用具?の入ったお揃い(彼女が真似した)の小物入れを持っているのだが、私の方だけ先に壊れてしまったので新しく同じ物を買ったところ、その新品を彼女に取られた。後日、使い古しの方が帰ってきた。

・「私は座高が低いから」と言って、トイレットペーパーの紙切れの際、態々呼び出して私に棚の上の新品と交換させる。垂れるのが嫌らしい。

・更にこれは一度しかないが、うちのトイレでとてつもなく長いウ〇コをした時に、流す前に態々呼び出して見せやがった(本当に長かった)

 ……何だか書いているうちに無性に腹が立ってきたが、それでも実際一緒にいると全く気にならないくらい相性が良かった。箇条書きにすると彼女の悪い部分ばかり際立ってしまうが、あからさまに不快なやり方をしてくる分けでもない。

 彼女は、金銭感覚が良くも悪くもテキトーであり、特に外食をする際もあまり気を遣う必要がなかった。
 以前に付き合った女性は私より一歳年上だった。生涯一緒に生活する事も視野に入れていたのだが(狩谷美紀[※注1]の事ではない)食事代の折半等、金銭感覚にシビアで、払う順番が決まっていたりしてそれに合わせる事が個人的にものすごく面倒だった。はっきり言って、相手がお金を払うのが嫌なら私が毎回全額負担する方がよっぽどマシだと思っていた。その点、今の彼女はテキトーだ。

 それからちょっと下品な話だが、彼女は私の前で決しておならを我慢しない。なので私もおならを我慢する事がなくなった。正直なところ、今更他の人と付き合って「おならをしないで」と言われても、もう無理だと思う……

 何より決定的なのが、喧嘩した後に仲直りをする必要がなかった事だ。彼女とはたまに言い争いになるのだが(喧嘩する時なんてどちらも悪いと思ってないですし)怒っている事に疲れ、堂々巡りになっている言い争いに飽きると何事もなかったかの様に日常会話が始まる。面倒くさがりもここまでくると、最早長所である。

 それからもう一つ。私の事が好きだという気持ちが往々にして伝わってきて、本当に愛されているのだなという事が実感できる。例えば一緒に街を歩いていても、人目がなくなっててチャンスだと思えばここぞとばかりにくちづけをせがんできたりする。実はこれが、私の方からも彼女を愛し続けられる最も大きな理由であると思っている。身も蓋もない言い方をすると、結局のところ愛してくれる人を愛するのが一番楽なのであり……別にこの愛情が偽物であっても構わないと思っている。それを貫き通しさえしてくれるのであれば。

 そして、彼女はスマホを使用してのソシャゲと某動画サイト以外のIT関連に疎い。この文章が掲載できるのもその事実があってこそなのだが、何より私が自宅でパソコンを使用する上で履歴やセキュリティを気にする必要がないのが楽だ……「下手に触ったら壊れる」くらいの認識しか持っていないと思う。

 そんな分けで、彼女と一緒にいるのは居心地の良さを忘れてしまうくらい日常生活の一部になっていた。だからこそ、問題でもあるのだ。私はいつか、彼女のいない生活を強いられる時がくるのではないかと考えてしまう事がある。いや、考えなくてはいけないのだ。しかしその時に訪れるであろう虚無感など、想像したくもなかった。



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注釈1.狩谷美紀・・・前作「ガールズライフ」の主人公(当時高校2年生)お互いの利害が一致した結果、暫くの間同棲していた。
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