ひとりえっちが好きな♀と結婚して子供がいる♀の百合話(仮)

木村 卯月

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女の子には、センチメンタルなんて感情はない

女の子には、センチメンタルなんて感情はない

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 時間と共に、呼吸をするのも苦しいような状態からは、何とか解放された。
 車に乗って家に帰り、シャワーを浴びて一息つくと、先ほどの記憶が今度は私の精神的を犯していく。本当はゆっくりお風呂に入りたかったのだが、浴槽でぼーっとしている時間が耐えられそうになかったのだ。
 私はあの時、ヒロミさんの事が怖いと思った。
 不意打ちさえ喰らわなければ、あんなに悲惨な思いをする事はなかった。
 真面まともにやりあってさえいれば、絶対に私の方が強いんだ。
 そもそも、土屋さんのお父さんなのだから手を出す分けにいかない。
 それに、一緒に仕事をしていた時は私がいちばん尊敬していた、好きだった人なんだ。
 ……分かっている。全部言い訳だ。例えあの後立ち上がる事ができたとしても、私は一方的に的にヒロミさんにボコボコにされていただろう……あの人が発していた異常な雰囲気に、完全に呑まれてしまったのだ。
 認めたくないだけで、本当は、恐怖で足がすくんでやり返す度胸なんて到底なかったんだ。
 あまりにも情けなすぎて、最早もはや涙も出てきやしない。
 このまま眠れる筈もなく。かといって、何か気分が変えられる方法がある分けでもない。
 私は床に倒れ込み、気を紛らわす為にテレビを点けていたが、頭の中には内容が全く入って来なかった。


 そしてヒロミさんとの約束通り、あれから土屋さんと仕事以外で絡む事はなかった。
 もともと18歳の女の子と付き合う事自体が、普通ではなかったんだ。
 私は自分にそう言い聞かせていたのだが、本当に困惑していた当初の気持ちとは裏腹に、土屋さんと……妃斗美と一緒にいる事ができない寂しさに自分でも薄々気付いていた。
 これはただ単に、不本意な形で引き裂かれてしまったから反抗したいだけなのだろうか。今となっては、知る由もない。
 そんな重い気分のまま一週間が過ぎ、先日の事も妃斗美の事も、もうこのまま有耶無耶になっていくのかと思っていた。


 とある日のお昼前、妃斗美から電話が掛かってきた。
 私は気付いていたが、出るのを躊躇ためらってしまった。
 少し間を置いて2度目の着信があり、ようやくそれに応えた。
「……今日はもう卯月さんのところに行っても大丈夫なので、今から会いに行ってもいいですか?」
 妃斗美はそう言っていたが、当然の如くそう易々やすやすと受け入れる事はできなかった。
「……大丈夫ってどういう事?今、私はヒロミさんが仕事を辞めて何をしているのかも知らないし……」
 ヒロミさんが今何をしているのか。それよりもどうしてあんな風に変貌してしまったのか。それが妃斗美と会うにあたって、現状で最も大きな隔たりとなっていた。
「それはそのうち全部話します。できれば今は、何も聞かないで下さい……」
 そんな一方的な言い分で、納得できる分けもない。
「何それ……」
 気が滅入ってしまい、適当に言葉を並べて電話を切ってしまおうかと思った。

「気が収まらないなら、あたしに当たってもいいですよ……」

 彼女の声は心を撫でるように優しく、決して嫌味などではなく。私の事を思ってくれているのだと痛感してしまった。
 9つも年下の女の子にこんな事まで言わせて、私はもう彼女に全てを委ねて降参するしかなかった。不思議と、晴れやかな気分だった。

―――――――――――――――――――――

「本当は、私も会いたかった……」
 私は妃斗美の顔を見るなりそう言ったが、せっかく訪ねてきてくれた彼女に対して、改まってどう接していいのかまるで分らなかった。
 一応用意はあったのだが普段は全くやった事のない、お茶(ティーバックの紅茶なのだが)など出してみたりする。一緒にお菓子でもと思ったが、そちらは出せる様な物が何もなかった。
 妃斗美は出されたお茶を飲んでにこにこしているだけで、特に何か話し掛けてくるわけでもない。今は特に余計な事をあれこれ聞かれるよりも、余程その方が私も居心地が良い。思わず私の方が、彼女に対して心を開いてみたくなってしまったんだ。
「私、妃斗美よりも9つも年上なのに、全然頼りないっていうか……情けないよね」
 彼女は私の目を見つめたまま黙っていた。やはり、優しい表情をしていた。
「昔からそずっとそうで、自分で言うのも何だけど、ちょっと見た目がいいだけ。上辺もいいから大体の人は近づいて話し掛けてくるけど、中身が空っぽだからそのうちみんなまた距離を置いって、もうずっとその繰り返し。空手だって子供の時からずっとやってて強いと思われてるけど、実はハッタリで大した事ないって、まあこれはもう妃斗美にはばれちゃったけど……」
 態々わざわざ先日の話を持ち出すのは流石に難色を示すかと思ったが、それでも彼女はにこやかな顔のまま何も言わなかった。
「亡くなった母親の事も、本当は私が面倒見なきゃいけなかったのに……癌になる前には思い出そうとすらもしてなくて……」
 一応、母が亡くなった経緯について彼女に話した事はあるのだが、その時は自分に都合のいい説明の仕方だったと思う。
「前に付き合ってた人[※注1]も、実はヒロミさんに似てたから声掛けただけだったんだ……それで本当に彼女の事が好きだったなんて、自分で行っても信じられないでs」

「うるさい!」

 突然、妃斗美が怒鳴った。
 そして面食らっている私の横に来て、何をするのかと思えば両手を肩に当てて私の事を床に押し倒したのだ。
「お父さんの事も、昔付き合ってた人の事も聞きたくないです!」
 そこで私は、一方的に喋っているうちに自暴自棄になっていた事に気付いた。彼女が言う事はごもっともだ。特に彼女の父親であるヒロミさんに恋していたなんて、それは複雑な心境にもなるだろう。本当にうっかりしていたと思った。
「ごめん……」
 一応は謝ったのだが、やはりその程度では怒りが収まらなかったのだろうか……彼女は部屋にある物に当たり散らした。
 腰高の本棚を揺さぶって、整列されていた本を床にバラ撒く。
 その後、別の棚の上に並んでいる私の化粧品等を腕で薙ぎ払った。幸い割れるような物はなかったが辺りに飛び散った。
 それでも気が収まらなかったのか、ベッドの上の枕と布団を壁に向かって投げつけた。私は唖然としてそれを見ているしかなかった。
「……卯月さん。やっとあたしの事女として見てくれるようになって、いろいろ曝け出してくれるのは嬉しいです」
 えっ!?それ嬉しさの表現だったの!?いや絶対に違うと思ったが、それでも私は動けないどころか返事をする事すらできなかった。
 すると、今度はそそくさと自分で散らかした物の片付けを始めた。
 バラ撒かれた本を棚に入れ、散らばった化粧品を棚の上に並べる。最後に布団と枕をベッドの上に戻して……その間、私は未だに放心したままだ。
「……でも多分、まだ少しあたしの事を子供だと思ってる気がするんですけど……」
 妃斗美は私の腹部に馬乗りになり、両手で上腕の辺りを押さえ付けた。もっともこんなもの、私の力で取り外す事ができるのだが。彼女に支配されている感じが、妙に気持ち良かった。
 私が観念した事を知り、彼女はとろけるような甘い顔で唇を近付けてきた。私は目をつぶって彼女の唇を受け入れる。

 ゴツッ!!
「ぐぁっ!」

 額を鈍器のような物で叩かれ、脳に響くような振動と共にじんわりと痛みが押し寄せる。テレビの砂嵐みたいに視界がちらつき、私は彼女の頭突きを喰らった事に気が付いた。それも、全く遠慮のないとびきり強烈な一撃だ。未だに頭の周りを星が飛んでいる。
「これはさっきのお仕置きです。痛かったですか?」
 少しあざといと思えるやり方だったが、ここから先の彼女はそれ以上に凄かった。何というか、失礼ながらどちらかというと「受け専」なのかと思っていたのだが、実はとんでもない才能?の持ち主だったのだ。
「ごめんね」
 そう言いながら彼女は私の額に唇を当てる。
 そしてそのまま舌を這わせて、鼻、顎、頬と顔中をまるで猫のように音を立てて舐めまわした。
 こんな事、今までされた事もなく。未知の快楽に心まで裸にされてしまったようで、言葉にならないほど気持ちよかった。
 首筋から胸を舐められているうちに、彼女の誘導によっていつの間にか服が脱がされている。
 続けて臍部を舐めながら、下半身も脱がされて気が付いたら丸裸にされていた。
 私はもうされるがまま、どうにでもして下さいと言わんばかりに妃斗美のテクニックの虜になっていたが、ここで彼女は更にギアを上げた。

「ちょっと待って!そこは違うでしょ……」

 私は思わず変なところから声を出してしまったような感じだった。
 それもその筈。彼女は私のア〇ルを舐めだしたのだ。
 今から使用するから、ほぐさなきゃと言わんばかりに……

 続く。

―――――――――――――――――――――

注釈1.前作「ガールズライフ」の主人公、狩谷美紀の事。
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