キミを好きな僕と僕を嫌いなキミ

焔 はる

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7:secret lesson

7-3

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「・・・泣いてる。」

「・・・言わないでください」

「・・・・・・ほんと、なんなのかしら・・・」


え・・・怒るの・・・?

一瞬、ドキっとして、身構えた。


「・・・可愛い、と思う自分が許せない。」


蓮見さんの指が、結局零れた俺の涙を拭ってくれる。


「ちょ、ざ、つッ・・・蓮見さんっ・・・」

「うるさい、黙って撫でられてて。」


優しく涙を拭ってくれた指は、なぜか乱雑に俺の額、頭を撫で回す。


「もぉ・・・突然雑に扱うんだから・・・」

「・・・こんな風に触れたことないわ・・・性別男性に・・・」

「・・・・・・気持ち悪くないですか?」

「・・・・・・なんか、懐いてくれてる子供とか、大きな犬を可愛がってる気分。」


成人の男性認識じゃないから警戒もなく、こうして触れてくれるんだな。

それは虚しいようでもあり・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・いや、べつに虚しくねぇな、うん。

だって、今までこうして男性に触れたことない、って言ってくれた時点で、俺が男性であること、自分とは違う性別って認識されてるじゃん。

嫌がってなくて、さわるのを楽しむみたいに触れてくれてて、これ以上望んだら贅沢じゃん・・・。


「・・・危害を加えるものではないなら、可愛いと思えるのね・・・」

「わん、って言ったらいいですか?」

「ふふ・・・あなたを飼いたいわけじゃないわ。・・・・・・そういう男性ひともいるとわかっただけで、こんなに心は穏やかになれた・・・。」

蓮見さんの手が、自分でグシャグシャにした髪を撫でて整えるように動いている。

「蓮見さん・・・俺、蓮見さんが慣れてくれたからって、じゃあ蓮見さんのことお願いしますって他のヤツに譲る気も、俺で慣れたなら大丈夫ですね~なんて、離れる気もないですからね。ましてや、そういう人もいるのね、それがわかっただけで十分だわ、なんて、離れさせませんからね。俺が好きなのは蓮見さんなんですから。」

「・・・そんなので、忽那くんは幸せなの?今まで付き合った人の時みたいに、私は応えてあげられないのよ?」

「・・・・・・セックスがありかなしなら、ありがいいです。でも、俺はヤリたいから蓮見さんと一緒にいたいんじゃない。できるのに拒絶されるのと、できないこと、したくないことだとわかってて一緒にいるのは違う。ラーメン・・・・・・あんな風に一緒にいて、つまんないB級映画見てツッコんで、口直しに観たホラーがくっそ怖くて、珍しく蓮見さんが寝室の扉開けて寝たりとか・・・それだけでめちゃくちゃ幸せだったんですよ?こういうことが蓮見さんは嫌だって、俺は知ってる。でも、こうして俺に触れたいって思ってくれるようになったのも知ることができた・・・。まだ、何も始まってなかった。けどこうして変わっていってる・・・それって、物凄く嬉しいんです、俺は。」

「・・・ほんと・・・前向きね・・・」

「人を好きになるのに、前向き以外の何で好きになるんですか?」

「・・・・・・・・・はぁ・・・・・・ちょっとよくわからない・・・・・・」

「え。うーん・・・・・・なんて言ったらいいか・・・・・・とりあえず、蓮見さん、この手・・・」

繋がれたまま、にぎにぎしても怒らないし振り払われない左手。

「嫌いじゃないからこうしてくれてるんだって思えるので、俺は幸せです。」

「・・・まぁ・・・そうね・・・」

「ね?最終地点がどこかなんてわからないと思うんです・・・。変更したって、違うものが見えたっていい、正解も不正解もない。俺は自分の気持ちに嘘をつきたくない、だから、蓮見さんに無理してほしくないし、嫌なことは嫌でいいと思うんです。触りたくなったら勝手にさわってください。」

「人を痴女みたいに。」

「あはは、俺はウェルカムなので。できないことを無理してできるようにってしなくても、したいから勇気を出したらできるようになった、って方がなんか・・・俺は好きです。蓮見さん・・・お願いがあるんですけど・・・」

「なぁに?」

「・・・手・・・つないで寝てもいいですか?あと、目、開けてもいいでしょうか・・・」

「あ・・・忘れてた・・・あまりにもいい子にしてたから・・・」

「も~、やっぱ言い方ワンちゃんじゃないですか」

「ふふふ・・・どうぞ。」

お許しが出たところで俺は久方ぶりに目を開けた。

眩しくて目がシパシパする。


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