徒然なる恋の話

焔 はる

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十一夜【空白の後は濃密に愛して】

11-21

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「・・・や、だ・・・やっぱ、り・・・緊張する・・・」

一瞬幸せ空間に浸りそうになっていたのを、小さな呟きが引き戻した。

「・・・ん・・・?椎娜の緊張する、やだ、っていうのはさ・・・ドキドキしすぎちゃうからでしょ・・・?でもさわられたいし、さわりたい・・・違う?」

「・・・っっ・・・ちがくな、ぃ・・・ちがくないし、優しくしてっ・・・でも、もっとされたい・・・っ・・・」

太腿の内側、外側、肌触りと柔らかな質感を楽しんでいたのが、段々と焦れったくなってきたようで、緊張の解れてきた椎娜は「もっと」と求めてくれる。

不安も緊張も、ドキドキも「もっと」も、2人を繋ぐためのプロセスでコミュニケーションで、愛情表現なんだよな・・・。

素直になれない、素直になるのが苦手な椎娜は昔から知っていた。

それが、素直になれないを超えて素直になった時にこんなに可愛いと知ったのは椎娜が彼女になったから。

可愛い、って何度も思う。

可愛い以外に、『可愛い』をなんて表現したらいいかわからない・・・。

「・・・(笑)優しくもされたいのか・・・ん~じゃあ、痛かったら教えて?」


・・・

・・・・・・言ってみて、これは止めてくれない歯医者さんのセリフだな、とふと思った。
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