徒然なる恋の話

焔 はる

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十六夜【消えたい?消したい?掃除屋との遭遇】

16-1~side by 椎娜~

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ずっと桜太の家にいた為、冷蔵庫の中は空っぽだ。

元々何も無いに等しい位、食材もなければ、腐るような物は処分していたので本当にスッカラカンの冷蔵庫と、ゆうべ予定外に帰宅した事で、私は空腹を抱えてコンビニに急いだ。


美味しいモノ、とても美味しいモノなんて贅沢は言わない、なんでもいいから腹ペコを満たすモノを・・・!




「ありがとうございましたぁ~」


店員の間延びした声を背に、私は買い込んだ買い物袋をぶら下げて帰ったら何から食べようか、いや、とりあえず公園でお腹を満たそうと近くの公園へ足を向けた。




スマホには着信もLINEも入っていない。

私からも送っていない。

桜太はとっくに仕事に行っている時間。

ゆうべはどうしただろうか、何か食べたかな、ちゃんと眠れただろうか。

今日はいつも通り仕事に行ったのかな、うん・・・行ってるよ、そこはちゃんと行くに決まってる。



気になっても、なんて連絡したらいいのか・・・

私が「昨日、ごめんね」って送ればいいの?なんか変じゃない?だって、何に対しての「ごめんね?」

なんか・・・機嫌伺い、様子伺い、ご機嫌取りみたいじゃない?

しかも、何も解決してないし、私の気持ちも整理できてないのに、「謝罪」だけするのは何の意味もないし、じゃあ桜太が私にした事と、私の過去の男関係に嫉妬するなら、桜太の女性関係も洗いざらいぶちまけてもらって、腹割って話そうじゃないかい?ってなるのではないだろうか。



・・・・・・だから、結局のところ、一晩では連絡をする、というところにすら至っていないのだ。





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