すべてのはじまり

神名代洸

文字の大きさ
上 下
7 / 22

不思議な体験

しおりを挟む
夏休みを利用して、友達と大阪に遊びに行くことになった。目的は占い。
よく当たるらしい占いの店に行くのだ。
私はあんまり信じていなかったが、友達は興味津々で断りきれなかった。
占いのお母さんは優しそうな感じの人で、2人について色々と占ってもらった。
そうすると不思議な事に、性格が合うそうだ。正反対の性格を持ってると言われた。磁石のようにくっつくらしい。
結婚に関しても23歳にはするだろうと言われた。私の占いが的中したことになる。
興奮して店を後にした。
あとはブラブラとして帰宅の途についた。

その夜私は久しぶりにまた訓練を始めた。
的中した事に興奮していたのかもしれない。少しずつ波が起きる。
すると手から何かが出ている感じがした。初めてだった。意識を集中して逆のことを考えた。戻れ戻れと…。すると今度は手のひらが暖かくなる。
それを繰り返しすると疲れてしまった。

そんな時、母の体調が悪くなり、試しに手をかざして治るように意識を集中した。しばらくすると手のひらの一部が痛くなり始め、手首から先が冷たくなっていった。すると母の体調が徐々に回復していった。逆に私の体調が悪くなり、横になって回復を待った。
「どうしてあなたがそんなことできるの?」母にそう聞かれたが、よくわからないと答えるしかなかった。実際、やってみるまで効くかどうかわからなかったからだ。
それからは頭痛がしたり、腹痛が起きるたび私が念じて治していった。
この力は友達にも言わなかった。
何故か言わないほうがいい気がしたのだ。

それから暫くは力を使うことが多く、徐々に効き目が強くなっていく。
自身が体調を崩した時も試しにやってみた。
するとやはり痛みは消えた。が、顔色は悪いまま……。
やりすぎは良くないのかもと控えるようになった。

ある日、突然夢の中で不思議なことが起こった。自分が誰かと話をしている。知らない男性だった。
「……だってよ。聞いてるか?」
「あっ、えっと……はははっ。」
誰だろう~と思っていたら相手から話しかけられた。
「俺様はお前の前世の人間だ。いや、神だな。」
「はぁ?神…様?」
「そうだった。訳あって人間界に降りてきたんだ。それがどう間違ったか女になって…。」
「じゃあ、友達も?神様だって事?」
「ああ、そうだ。そうだったってのが正解な。」
理解不能なことが多かった。
前世が神様で友人も神様だって。戦う戦士だったらしい。もうこうなると、どうにでもして~って言いたくなる。
「前世では私はどんな人間、いや、神様だったの?」と聞くと、「そんなの聞いてどうする。死んじまったんだからお前がいるんだろが。」と返された。確かに…死ななければ転生もできない。

「又時々はこうして会える?」
「波長が合えばな。」
そう言って消えていった…。

それからはたまに会う事があった。
様々なことを話した。
そして色々なことを教えてもらった。
今やらなければならないことも。

だが、たかが一高校生がどうやれるのかわからなかった。そんな時夢を見た。


巨大な地震だ。
高速道路も投下し、地盤も割れ、地下水が湧き出ている…。人々は逃げ惑い、泣き叫びオロオロしている。そこに私はいない。
映像としてみているだけだ。
悲惨な現状は見たものしかわからない。
だが、場所がわからなかった。


それから数日後、巨大地震が起こった。
それは外国だった。
ビルが倒壊し、街はパニックになっている。
人々は逃げ惑い怪我をし、ニュースとして映像を流されていた。
だが場所が分かってもどうしようもなかった。行く手段がない。瞬間移動できれば良かったが、私にそんな力はない。
しおりを挟む

処理中です...