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2 告白してキスをする話
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「マーク。入るよ」
「シグレか。どうぞ」
夜も更けた時間帯にマークの部屋を訪れた。
冒険者ギルドの所属員の多くは、ギルド併設の長屋に部屋を借りて住んでいる。
マークもボクも個室を借りているので、こうやって夜に訪れるのも難しくなかった。
タンクトップに短パンで、もう寝るつもりだったのだろうマークがボクを迎える。
こちらもハイレグハイネックでノースリーブのインナー一枚だ。
その姿を見てマークの目が多少泳ぐがそのままボクを部屋に入れてくれた。
ちなみにこういった露出が多い恰好は獣人によくある服装だ。
身体能力が高い反動で体温が高い獣人は、基本的に薄着なのだ。
体のラインがばっちり出ている姿にマークは目をそらしながら、ボクに椅子をすすめてくれた。
マークは正面のベッドに腰を掛ける。
相変わらずいい筋肉である。特に腹筋と僧帽筋がすごい。
首がなくて、わきの下の向こうに筋肉が見えていて、とてもごつかった。
そんなマッチョのくせにパンケーキをすさまじくうまく作るんだからずるいのだ。
もう惚れてもしょうがないだろう。
「で、何の用だ?」
「マークに愛の告白をしに来ました」
「そうか、愛の告白…… は?」
「結婚してもらおうかと思ってきました」
「いやいや、ちょっと待て。何言ってるんだ?」
マークが挙動不審になる。まあ、あまり予想してなかったのだろう。
「シグレって元男だったよな」
「そうですね。今たぶん34歳ですし、マークより年上のおじさんでしたよ。今は美少女ですが」
「自分でいうか?」
「かなり美少女だと思いますが、マークは思いませんか?」
「……おもわんでもない」
マークはもふもふしたものや可愛いものが好きなのは、半年の付き合いでわかっている。
椅子から降りると、マークの膝の上に座りなおす。
もふもふのしっぽをマークの手に絡ませると、マークはおずおずと尻尾を撫で始めた。
いつもはこうすると、マークは存分に堪能するが、さすがに告白したせいか戸惑っていた。
「男と結婚なんかできるのかよ」
「一般的に男、といわれると無理だけどマークならできるなーと思いまして」
「なんでだよ」
「好きになるのに理由聞かれても困るんですよねぇ」
「キスとか、セックスとか、そういうこともするんだぞ」
「マークなら、まあできるかなと」
膝の上で振り向く。向かい合う態勢になって、試しに顔を近づけて口づけを交わす。
自分の唇をマークの唇に合わせる。
「んー、だいじょうぶそうですね。やっぱり」
「ばっ、なにするんだよ!?」
「何ってキスですね」
「お前は自分を大事にしろよ!」
「ファーストキスをあげたんだから、喜んでくださいよ」
こういう恋人的なことが出来なかったらあきらめようと思ったが、抵抗感は全くなかった。
やっぱりマークのことが好きなんだなぁと実感しただけであった。
「マークはどうでした? 元男なんて気持ち悪いと思いました?」
「いや、そんなことは……」
「ボクはマークと結婚したいと思っています。マークが嫌なら諦めますが、どうしますか?」
「…… よくわからないことはいっぱいあるが……」
「ふんふん」
「シグレとキスするのは嫌じゃなかった」
「ふふ、そうですか。じゃあ次のことも試してみませんか?」
マークは別に性欲がないわけでもないし、女性に関心がないわけでもない。
ただ、この世界の女性のアプローチについての知識がないのだと思う。
この世界の女性のアプローチは結構情緒的、悪く言うと遠回しな表現が多い。
好きとか愛しているというのははしたないと思う文化性があったり、なかなか奥ゆかしいところがある。
そういった男女の駆け引きがマークは苦手なのだろう。
そういうのが分かっているボクは、直接的な言葉をぶつけることにした。
ボクも多少恥ずかしいが、言葉に出すのは無理ではない。
さて、ここまでくればあとはセックスするだけだ。
もう一度唇を交わす。
今度は少しだけ、舌で唇を舐めたり、お互いの舌の先同士を絡めたりしてみた。
とても楽しく、そしてお腹の奥が少しだけ疼いた。
「シグレか。どうぞ」
夜も更けた時間帯にマークの部屋を訪れた。
冒険者ギルドの所属員の多くは、ギルド併設の長屋に部屋を借りて住んでいる。
マークもボクも個室を借りているので、こうやって夜に訪れるのも難しくなかった。
タンクトップに短パンで、もう寝るつもりだったのだろうマークがボクを迎える。
こちらもハイレグハイネックでノースリーブのインナー一枚だ。
その姿を見てマークの目が多少泳ぐがそのままボクを部屋に入れてくれた。
ちなみにこういった露出が多い恰好は獣人によくある服装だ。
身体能力が高い反動で体温が高い獣人は、基本的に薄着なのだ。
体のラインがばっちり出ている姿にマークは目をそらしながら、ボクに椅子をすすめてくれた。
マークは正面のベッドに腰を掛ける。
相変わらずいい筋肉である。特に腹筋と僧帽筋がすごい。
首がなくて、わきの下の向こうに筋肉が見えていて、とてもごつかった。
そんなマッチョのくせにパンケーキをすさまじくうまく作るんだからずるいのだ。
もう惚れてもしょうがないだろう。
「で、何の用だ?」
「マークに愛の告白をしに来ました」
「そうか、愛の告白…… は?」
「結婚してもらおうかと思ってきました」
「いやいや、ちょっと待て。何言ってるんだ?」
マークが挙動不審になる。まあ、あまり予想してなかったのだろう。
「シグレって元男だったよな」
「そうですね。今たぶん34歳ですし、マークより年上のおじさんでしたよ。今は美少女ですが」
「自分でいうか?」
「かなり美少女だと思いますが、マークは思いませんか?」
「……おもわんでもない」
マークはもふもふしたものや可愛いものが好きなのは、半年の付き合いでわかっている。
椅子から降りると、マークの膝の上に座りなおす。
もふもふのしっぽをマークの手に絡ませると、マークはおずおずと尻尾を撫で始めた。
いつもはこうすると、マークは存分に堪能するが、さすがに告白したせいか戸惑っていた。
「男と結婚なんかできるのかよ」
「一般的に男、といわれると無理だけどマークならできるなーと思いまして」
「なんでだよ」
「好きになるのに理由聞かれても困るんですよねぇ」
「キスとか、セックスとか、そういうこともするんだぞ」
「マークなら、まあできるかなと」
膝の上で振り向く。向かい合う態勢になって、試しに顔を近づけて口づけを交わす。
自分の唇をマークの唇に合わせる。
「んー、だいじょうぶそうですね。やっぱり」
「ばっ、なにするんだよ!?」
「何ってキスですね」
「お前は自分を大事にしろよ!」
「ファーストキスをあげたんだから、喜んでくださいよ」
こういう恋人的なことが出来なかったらあきらめようと思ったが、抵抗感は全くなかった。
やっぱりマークのことが好きなんだなぁと実感しただけであった。
「マークはどうでした? 元男なんて気持ち悪いと思いました?」
「いや、そんなことは……」
「ボクはマークと結婚したいと思っています。マークが嫌なら諦めますが、どうしますか?」
「…… よくわからないことはいっぱいあるが……」
「ふんふん」
「シグレとキスするのは嫌じゃなかった」
「ふふ、そうですか。じゃあ次のことも試してみませんか?」
マークは別に性欲がないわけでもないし、女性に関心がないわけでもない。
ただ、この世界の女性のアプローチについての知識がないのだと思う。
この世界の女性のアプローチは結構情緒的、悪く言うと遠回しな表現が多い。
好きとか愛しているというのははしたないと思う文化性があったり、なかなか奥ゆかしいところがある。
そういった男女の駆け引きがマークは苦手なのだろう。
そういうのが分かっているボクは、直接的な言葉をぶつけることにした。
ボクも多少恥ずかしいが、言葉に出すのは無理ではない。
さて、ここまでくればあとはセックスするだけだ。
もう一度唇を交わす。
今度は少しだけ、舌で唇を舐めたり、お互いの舌の先同士を絡めたりしてみた。
とても楽しく、そしてお腹の奥が少しだけ疼いた。
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