秘境の竜の巣で、かつて助けた「小さなトカゲ」に捕まりました。正体は竜王様だったようで「俺の番として愛し抜いてやる」と逃がしてもらえません

みやび

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22 理性が溶ける音を聞きました。終わらない繁殖期【R18】

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 その朝、目が覚めた瞬間から、世界のすべてが違って見えた。

「はぁ……っ、くぅ……」

 体が、異常に熱い。
 風邪の高熱とは違う。体の芯、子宮の奥底に、とろとろとした熱い鉛が溜まっているような重苦しい感覚。
 全身の皮膚が敏感になり、シーツが擦れるだけで電流が走る。
 喉が渇く。でも、水が欲しいわけじゃない。何かが決定的に足りなくて、空っぽの体が悲鳴を上げている。

 そして何より――嗅覚が異常に鋭敏になっていた。

 隣で眠るネロの匂いが、強烈に鼻腔を刺激する。
 彼の汗、雄の体臭、そして彼から滲み出る強大な魔力の匂いが、甘い媚薬のように脳髄を犯してくるのだ。

(何これ……。お腹が空いたような、でも食べたいわけじゃなくて……)

 私は震える手で、汗ばんだ自分の胸元を掻きむしった。
 息が苦しい。心臓が早鐘を打っている。
 無性に彼に触れたい。彼に噛み付いてほしい。彼の中身を、私の中にぶちまけてほしい。
 研究者としての理性が、遠くで警鐘を鳴らしている。
 『異常事態発生。ホルモンバランスの崩壊。直ちに隔離を――』
 けれど、そんな冷静な思考は、湧き上がる本能の濁流にあっけなく飲み込まれていく。

「……ん」

 私の荒い呼吸と、充満し始めた甘い匂いに気づいたのか、ネロがゆっくりと目を開けた。
 その瞬間、私はヒッと息を呑んだ。

 彼の金色の瞳が、かつてないほど鋭く、赤く充血し、カッ! と縦に細く割れていたからだ。
 それはいつも私に向けられる、優しくて過保護な愛する夫の目ではない。
 飢えた「雄」の目だった。

「エルマ……」

 低く、地を這うような唸り声。
 ネロが私を見るなり、荒い鼻息を吐き出した。

「お前……なんて匂いをさせているんだ」

「え……? に、におい……?」

「甘い。頭がおかしくなりそうなほど、甘くて、腐り落ちる寸前の果実のような……いやらしい雌の匂いだ……ッ!」

 ドンッ!!
 ネロが獣のような速度で私に覆いかぶさった。
 抵抗する間もない。彼の腕力は普段の数倍に膨れ上がり、私の両手首を頭上に縫い留める。
 彼の肌もまた、焼けるように熱い。

「まっ、ネロ、待って……! いきなり、どうしたの……!」

「待てない。……理性が、焼き切れそうだ」

 彼の視線が、私の下腹部に釘付けになる。
 私の内股には、竜人特有の黒い鱗が発光し、誘うように明滅していた。
 そして自分でも気づかないうちに、秘所からは大量の愛液が溢れ出し、太ももを伝ってシーツに大きな染みを作っている。
 まるで「準備はできています」と、体が勝手に彼を誘っているようだ。

 そこでようやく、私の脳が遅すぎる答えを導き出した。

(そうか、これ……『繁殖期(ヒート)』だわ)

 竜族には、数年に一度、強烈な繁殖本能に支配される時期があるという文献を読んだことがある。
 人間だった私には無縁の話だった。
 けれど、竜の因子を取り込んだ今、私の体もそのサイクルに完全に組み込まれてしまったのだ。

「欲しい……エルマ、お前に、俺の種を……ッ!」

「あ、んっ! いきなり、噛まないで……ッ!」

 ネロが私の首筋に牙を立てる。
 甘噛みではない。血が滲むほど強く、所有を主張するような乱暴な噛みつき。
 痛い。けれど、その痛み以上に、背筋を駆け上がる快感が凄まじい。
 捕食される恐怖と、愛される歓喜が混ざり合い、脳内麻薬が爆発する。

「もっと、もっと噛んで……! 私を貴方の匂いで塗りつぶして!」

 理性が消し飛ぶ音がした。
 私もまた、獣のように彼を求めていた。
 研究? 観察? そんなものはどうでもいい。
 今はただ、空っぽの子宮を彼で埋め尽くしたい。彼の全てを搾り取りたい。

「入れるぞ……ッ! もう、我慢できない!」

 ネロが私の足を大きくM字に広げ、自身の剛直をあてがった。
 繁殖期特有の興奮で、彼のそれは普段よりもさらに一回り大きく、どす黒く膨張し、血管が破裂しそうなほど脈打っている。
 先端からは、透明な蜜がボタボタと垂れ落ち、私の秘所を汚している。

「いいよ、ネロ……ッ! 壊れるくらい、深くしてッ! 私をめちゃくちゃにして!」

 ズドォォォォンッ!!
 
 一息だった。
 前戯も何もない。潤滑など、私の溢れる愛液だけで十分だと言わんばかりに、彼は雄の本能のままに、根元まで一気に突き入れた。

「あ゛ッ、あ゛あ゛あ゛ーーッ!!」

 声にならない絶叫。
 内臓が押し上げられ、子宮口を強引にこじ開けられる感覚。
 痛い、苦しい、重い。
 でも――最高に気持ちいい。
 空っぽだった場所に、熱い楔が満ちていく充足感。

「はぁ、っ、ぐぅ……! 中が、吸い付いてくる……ッ! 締め付けが、凄い……ッ!」

「ああ、んっ、太いっ、熱いぃ……ッ! 奥、突かないでぇッ!」

 ネロは獣の咆哮を上げながら、激しく腰を打ち付け始めた。
 パンッ、パンッ、パンッ!!
 肉と肉がぶつかる音が、洞窟内に反響する。
 もはやセックスというより、交尾だ。
 彼は私の瞳を見つめながら、愛を囁くことすら忘れ、ひたすら種を植え付けることだけに集中している。

「エルマ! エルマッ! 俺の子を、俺の卵を宿せッ!」

「欲しいッ! 貴方の赤ちゃん、欲しいぃッ! お腹の奥に、ちょうだいッ!」

 汗と愛液と精液が混じり合い、私たちの体はドロドロに汚れていく。
 髪は乱れ、シーツはぐしゃぐしゃ。
 何度絶頂を迎えたか分からない。
 いくたびに私の膣内は痙攣し、彼を逃がすまいと強く締め付ける。それがさらに彼を刺激し、加速させる。

「あ、くるッ! また、くるぅッ! 魔力が、溜まってるぅッ!」

「出すぞ! 一滴残らず、全部受け取れぇッ!!」

 ドクンッ、ドクンッ!!

 彼の剛直が、私の最奥で急激に膨れ上がった。
 竜族特有の「ノッティング(結合)」だ。射精と同時に亀頭が球状に膨張し、膣内から抜けなくすることで、確実に種を届ける機能。
 子宮口が内側から栓をされ、逃げ場が完全に塞がれる。

「あ、あ、抜けない、繋がったまま……ッ! 熱いのが、いっぱい来るぅ……ッ!」

 ドピュッ、ドピュルルルッ!!
 洪水のような射精。
 人間なら気絶するような、お腹がパンパンに膨れるほどの量が、直接子宮へと流し込まれる。
 熱い。焼けるように熱い。
 彼の生命そのものが、私の中に満ちていく。
 お腹の皮一枚向こうで、彼の脈動がダイレクトに伝わってくる。

「はぁ、はぁ、はぁ……ッ」

 長い射精が終わっても、彼は私から抜けなかった。いや、抜けないのだ。
 膨張したまま結合し、逃げ場のない状態で、私たちは荒い息をつきながらキスを繰り返す。
 繋がった場所から、彼の魔力がじわじわと染み込んでくる。とろけるような多幸感。

「愛してる、エルマ……。俺の子を産んでくれ……」

「うん、産むわ……。貴方の子供なら、何人でも、何十人でも……」

 私たちは恍惚の中で、互いの体液にまみれながら微笑み合った。
 
 ――けれど、これはまだ序章に過ぎなかった。
 竜の繁殖期は、一度の交尾では終わらない。
 数日間、昼夜を問わず、雄が満足するまで、雌が懐妊の兆候を示すまで、延々と続けられるのだ。

「……ネロ、少し膨らみが収まってきた?」

 十分ほどの結合の後、ようやく彼の楔が少し柔らかくなり、ノッティングが解除されそうになる。
 ジュルリ、と中身がこぼれる感覚。
 ああ、やっと休める――そう思った瞬間だった。

 体内で萎みかけた彼の剛直が、ピクリと跳ねた。
 そして再び、グググッと硬く、太く復活していく。

「嘘……まだするの?」

「当たり前だ。この程度で終わるわけがないだろう」

 ネロがニヤリと、凶悪で淫らな笑みを浮かべる。
 その瞳は、まだまったく満たされていなかった。むしろ、一度出したことでエンジンがかかったかのように、ギラギラと輝いている。

「繁殖期は始まったばかりだ。お前の『器』がいっぱいになって、溢れかえるまで注いでやる。……覚悟しろよ、嫁さん」

「ひ、あ……ッ」

 再び腰が動き出す。
 二回戦目の始まりだ。いや、これが十回戦目になるのか、百回戦目になるのか、もう誰にも分からない。
 食事? そんなものは枕元にある魔石を齧ればいい。
 睡眠? 気絶している間に済ませればいい。

 私たちはそれから三日間、巣から一歩も出ず、太陽の光も見ず、ただひたすらに貪り合った。
 理性が溶け、獣の本能だけが残った洞窟には、粘つくような水音と、愛を乞う甘い喘ぎ声だけが響き続けていた。

 私の体は彼の色に染まり、彼もまた私の匂いに塗れる。
 それはまさに、愛と本能の地獄であり、この世で一番幸せな、極上の楽園だった。
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