17 / 40
【第2章】 華麗なる社交界デビューと、愚か者たちへの断罪
第17話 王都の別邸と、美のカリスマ
しおりを挟む
三日間の快適な馬車の旅を終え、私たちはついに王都へと到着した。
車窓から見える景色は、北の静寂な銀世界とはまるで違う。石造りの建物がひしめき合い、大通りを行き交う人々の活気と喧騒が、ガラス越しにも伝わってくる。
かつて私が住んでいたこの街。けれど、見える景色は以前とは全く異なっていた。
男爵家の狭い馬車から盗み見ていた憧れの景色ではなく、今は「公爵家の馬車」という高い位置から、街を見下ろしているのだ。
「着いたぞ、エリス」
馬車が速度を緩め、巨大な鉄格子の門の前で止まった。
そこは王都の一等地、王城にほど近い貴族街の中でも、ひときわ広大な敷地を持つ「ジークハルト公爵家・王都別邸」だった。
門が開くと、左右に整列した数十人の使用人たちが、一糸乱れぬ動きで深く頭を下げた。
「お帰りなさいませ、旦那様! そして、ようこそお越しくださいました、奥様!」
その声はよく通り、訓練された誇り高さが感じられた。
馬車を降りた私は、目の前に聳(そび)え立つ白亜の洋館に圧倒されて言葉を失った。
別邸? これが?
どう見ても、私の実家である男爵家の本邸が十個は入りそうな規模だ。手入れの行き届いた庭園には噴水が輝き、建物の柱には精緻な彫刻が施されている。
「……呆けている場合か。行くぞ」
「あ、はい!」
ジークハルト様は私の腰を抱き寄せると、堂々と正面玄関へとエスコートした。
使用人たちの視線が集まる。けれど、そこには好奇心や侮蔑の色はない。主人が選んだ女性を、彼らもまた心から歓迎してくれているのが伝わってきた。
私は背筋を伸ばし、公爵夫人にふさわしい歩き方を意識しながら、光り輝くシャンデリアの下へと足を踏み入れた。
◇
案内されたのは、二階にある「衣装部屋(サロン)」と呼ばれる広間だった。
そこには既に、大量のドレスや生地見本、そして何より目を引く一人の人物が待機していた。
「あーら、お待ちしておりましたわよぉ~! ジークハルト様!」
派手な紫色のスーツに身を包み、首元には大ぶりのスカーフ。
きれいに整えられた髭と、少し濃いめのアイメイク。
その人物は、独特のくねりながら近づいてくると、扇子(せんす)で口元を隠してウインクをした。
「紹介しよう。王室御用達のデザイナー、リカルドだ。腕は確かだが、少々……いや、かなり癖が強い」
「ちょっとぉ! 紹介が雑じゃありませんこと!? これでも、王妃様のドレスを手掛ける『美の魔術師』と呼ばれておりますのよ?」
リカルドさんは憤慨したふりをした後、クルリと私のほうへ向き直った。
その瞬間、彼の目の色が、獲物を狙う鷹のように鋭いものに変わった。
「……で? こちらが、あの『氷の公爵』を溶かしたという噂の奥様?」
「は、はじめまして。エリスと申します」
私が緊張して挨拶をすると、リカルドさんは無言で私の周りを一周し始めた。
じろじろと、頭のてっぺんから爪先まで。まるで商品を品定めするような視線だ。
「ふぅん……。正直に言っていいかしら?」
「は、はい」
「地味ね」
バッサリと言い捨てられた。
分かってはいたけれど、プロにはっきり言われると胸に刺さる。
「服のセンスが古臭いし、色はくすんでる。髪の手入れも最低限。姿勢も自信なさげで猫背気味。……これじゃあ、夜会に出ても『壁の花』どころか『壁のシミ』よ」
「リカルド。言葉を選べ」
ジークハルト様の周りの温度が急激に下がる。
部屋の空気がピリついた。けれど、リカルドさんは怯まなかった。
「事実ですもの! 私はプロよ、お世辞なんて言わないわ。……でもね」
リカルドさんは突然、私の手を取り、顔を近づけてきた。
「素材は、最高よ」
彼は私の頬に触れ、それから指先をじっくりと観察した。
「見てこの肌のキメ細かさ! 北の冷たい空気と、良い食事、それに……旦那様の『過保護な魔力』で守られているおかげかしら? 透き通るような白磁の肌だわ。それにこの瞳! 今は不安げに揺れているけれど、奥底には強い光がある。……あら? この手、随分と働き者の手をしているのね」
リカルドさんの指が、私のペンだこをなぞる。
実家では隠していた恥ずかしい部分。けれど、彼はそれを愛おしそうに眺めた。
「苦労してきたのねぇ。でも、それがいいのよ。温室育ちのひ弱なお嬢ちゃんには出せない、『芯の強さ』が滲み出ているわ。……ゾクゾクしちゃう」
彼は恍惚とした表情を浮かべると、パン! と扇子を鳴らした。
「決めたわ! アタシの最高傑作にしてあげる。この原石を、会場にいる全ての貴族がひれ伏すような『至高の宝石』に磨き上げてみせるわ!」
「……お手柔らかに頼むぞ。私の妻を疲れさせるな」
「分かってるわよ、愛妻家さん。さあ、エリスちゃん! こっちへいらっしゃい!」
そこからは、まさに怒涛の時間だった。
「これじゃないわ! ピンクなんて甘ったるい色は似合わない!」
「フリルは禁止! あなたの美しさは、そんなごまかしがなくても際立つのよ!」
次々と運ばれてくるドレスを当てては、リカルドさんが秒速で却下していく。
部屋中がシルクやサテン、ベルベットの海になっていく。
私は戸惑っていた。
実家では、ミリアのお下がりの、サイズも合わない色あせたドレスしか着せてもらえなかった。新しいドレスを選ぶなんて、夢物語だった。
それなのに今、目の前には国中の富を集めたような光景が広がっている。
「あの……こんなに高価な生地ばかり、もったいないです。もっと地味なものでも……」
「お黙りなさい!」
リカルドさんがピシャリと言った。
「いいこと? ドレスはね、ただの布じゃないの。『戦闘服(アーマー)』なのよ。あなたはこれから、自分を捨てた家族や、意地悪な世間という戦場に出て行くんでしょう?」
「戦場……」
「そうよ。そんな弱気な装備で勝てると思って? 舐められたくないなら、圧倒的な美しさで黙らせなさい。自信がないなら、ドレスがそれを補ってあげる。そのためにアタシたちがいるのよ!」
彼の言葉は、胸の奥にストンと落ちた。
そうだ。私はもう、隠れて生きる「日陰の令嬢」じゃない。
ジークハルト公爵の妻として、彼の隣に胸を張って立つと決めたのだ。
「……分かりました。お願いします、リカルドさん。私を、戦える姿にしてください」
「ええ、任せなさい!」
リカルドさんは満足げに笑うと、一枚の生地を手に取った。
それは、深い夜空のような、あるいは深海のような、艶やかなミッドナイトブルーのシルクだった。
「今回のテーマは『氷の女王』よ。……旦那様の瞳の色と同じ、この青を使いましょう」
彼は私の体にその布をドレープのように巻き付け、鏡の前に立たせた。
鏡に映った自分を見て、私は息を呑んだ。
青い布は、私の白い肌を驚くほど引き立て、地味だと思っていた顔立ちを、凛としたものに変えて見せたのだ。
「ジークハルト様、いかがかしら?」
ソファで書類を見ていたジークハルト様が顔を上げる。
彼は私を見た瞬間、持っていた書類を取り落とし、口を半開きにして固まった。
「……あ……」
「あら、氷の公爵様ともあろうお方が、言葉を失うなんて。大成功ね」
ジークハルト様はゆっくりと立ち上がり、私のもとへ歩み寄ると、震える手で私の頬に触れた。
「……美しい。まだ布を当てただけだというのに、目が離せない」
「ジークハルト様……」
「本番が楽しみだ。……いや、正直に言えば、誰にも見せたくないくらいだ」
その熱っぽい視線に、私は顔が熱くなった。
けれど、今度は恥ずかしさで俯いたりはしない。
私は彼を見つめ返し、微笑んだ。
「当日は、一番近くで見ていてくださいね。……あなたのための装いですから」
こうして、私の「変身プロジェクト」は幕を開けた。
デザインが決まると、今度は採寸、肌磨き、そして歩き方の特訓。
リカルドさんの指導は厳しかったけれど、その全てが私への、そしてジークハルト様への敬意に満ちていた。
夜会まであと三日。
鏡の中の私が、少しずつ、けれど確実に、「公爵夫人」の顔へと変わっていく。
その先にある「再会」の時を、静かに待ちながら。
車窓から見える景色は、北の静寂な銀世界とはまるで違う。石造りの建物がひしめき合い、大通りを行き交う人々の活気と喧騒が、ガラス越しにも伝わってくる。
かつて私が住んでいたこの街。けれど、見える景色は以前とは全く異なっていた。
男爵家の狭い馬車から盗み見ていた憧れの景色ではなく、今は「公爵家の馬車」という高い位置から、街を見下ろしているのだ。
「着いたぞ、エリス」
馬車が速度を緩め、巨大な鉄格子の門の前で止まった。
そこは王都の一等地、王城にほど近い貴族街の中でも、ひときわ広大な敷地を持つ「ジークハルト公爵家・王都別邸」だった。
門が開くと、左右に整列した数十人の使用人たちが、一糸乱れぬ動きで深く頭を下げた。
「お帰りなさいませ、旦那様! そして、ようこそお越しくださいました、奥様!」
その声はよく通り、訓練された誇り高さが感じられた。
馬車を降りた私は、目の前に聳(そび)え立つ白亜の洋館に圧倒されて言葉を失った。
別邸? これが?
どう見ても、私の実家である男爵家の本邸が十個は入りそうな規模だ。手入れの行き届いた庭園には噴水が輝き、建物の柱には精緻な彫刻が施されている。
「……呆けている場合か。行くぞ」
「あ、はい!」
ジークハルト様は私の腰を抱き寄せると、堂々と正面玄関へとエスコートした。
使用人たちの視線が集まる。けれど、そこには好奇心や侮蔑の色はない。主人が選んだ女性を、彼らもまた心から歓迎してくれているのが伝わってきた。
私は背筋を伸ばし、公爵夫人にふさわしい歩き方を意識しながら、光り輝くシャンデリアの下へと足を踏み入れた。
◇
案内されたのは、二階にある「衣装部屋(サロン)」と呼ばれる広間だった。
そこには既に、大量のドレスや生地見本、そして何より目を引く一人の人物が待機していた。
「あーら、お待ちしておりましたわよぉ~! ジークハルト様!」
派手な紫色のスーツに身を包み、首元には大ぶりのスカーフ。
きれいに整えられた髭と、少し濃いめのアイメイク。
その人物は、独特のくねりながら近づいてくると、扇子(せんす)で口元を隠してウインクをした。
「紹介しよう。王室御用達のデザイナー、リカルドだ。腕は確かだが、少々……いや、かなり癖が強い」
「ちょっとぉ! 紹介が雑じゃありませんこと!? これでも、王妃様のドレスを手掛ける『美の魔術師』と呼ばれておりますのよ?」
リカルドさんは憤慨したふりをした後、クルリと私のほうへ向き直った。
その瞬間、彼の目の色が、獲物を狙う鷹のように鋭いものに変わった。
「……で? こちらが、あの『氷の公爵』を溶かしたという噂の奥様?」
「は、はじめまして。エリスと申します」
私が緊張して挨拶をすると、リカルドさんは無言で私の周りを一周し始めた。
じろじろと、頭のてっぺんから爪先まで。まるで商品を品定めするような視線だ。
「ふぅん……。正直に言っていいかしら?」
「は、はい」
「地味ね」
バッサリと言い捨てられた。
分かってはいたけれど、プロにはっきり言われると胸に刺さる。
「服のセンスが古臭いし、色はくすんでる。髪の手入れも最低限。姿勢も自信なさげで猫背気味。……これじゃあ、夜会に出ても『壁の花』どころか『壁のシミ』よ」
「リカルド。言葉を選べ」
ジークハルト様の周りの温度が急激に下がる。
部屋の空気がピリついた。けれど、リカルドさんは怯まなかった。
「事実ですもの! 私はプロよ、お世辞なんて言わないわ。……でもね」
リカルドさんは突然、私の手を取り、顔を近づけてきた。
「素材は、最高よ」
彼は私の頬に触れ、それから指先をじっくりと観察した。
「見てこの肌のキメ細かさ! 北の冷たい空気と、良い食事、それに……旦那様の『過保護な魔力』で守られているおかげかしら? 透き通るような白磁の肌だわ。それにこの瞳! 今は不安げに揺れているけれど、奥底には強い光がある。……あら? この手、随分と働き者の手をしているのね」
リカルドさんの指が、私のペンだこをなぞる。
実家では隠していた恥ずかしい部分。けれど、彼はそれを愛おしそうに眺めた。
「苦労してきたのねぇ。でも、それがいいのよ。温室育ちのひ弱なお嬢ちゃんには出せない、『芯の強さ』が滲み出ているわ。……ゾクゾクしちゃう」
彼は恍惚とした表情を浮かべると、パン! と扇子を鳴らした。
「決めたわ! アタシの最高傑作にしてあげる。この原石を、会場にいる全ての貴族がひれ伏すような『至高の宝石』に磨き上げてみせるわ!」
「……お手柔らかに頼むぞ。私の妻を疲れさせるな」
「分かってるわよ、愛妻家さん。さあ、エリスちゃん! こっちへいらっしゃい!」
そこからは、まさに怒涛の時間だった。
「これじゃないわ! ピンクなんて甘ったるい色は似合わない!」
「フリルは禁止! あなたの美しさは、そんなごまかしがなくても際立つのよ!」
次々と運ばれてくるドレスを当てては、リカルドさんが秒速で却下していく。
部屋中がシルクやサテン、ベルベットの海になっていく。
私は戸惑っていた。
実家では、ミリアのお下がりの、サイズも合わない色あせたドレスしか着せてもらえなかった。新しいドレスを選ぶなんて、夢物語だった。
それなのに今、目の前には国中の富を集めたような光景が広がっている。
「あの……こんなに高価な生地ばかり、もったいないです。もっと地味なものでも……」
「お黙りなさい!」
リカルドさんがピシャリと言った。
「いいこと? ドレスはね、ただの布じゃないの。『戦闘服(アーマー)』なのよ。あなたはこれから、自分を捨てた家族や、意地悪な世間という戦場に出て行くんでしょう?」
「戦場……」
「そうよ。そんな弱気な装備で勝てると思って? 舐められたくないなら、圧倒的な美しさで黙らせなさい。自信がないなら、ドレスがそれを補ってあげる。そのためにアタシたちがいるのよ!」
彼の言葉は、胸の奥にストンと落ちた。
そうだ。私はもう、隠れて生きる「日陰の令嬢」じゃない。
ジークハルト公爵の妻として、彼の隣に胸を張って立つと決めたのだ。
「……分かりました。お願いします、リカルドさん。私を、戦える姿にしてください」
「ええ、任せなさい!」
リカルドさんは満足げに笑うと、一枚の生地を手に取った。
それは、深い夜空のような、あるいは深海のような、艶やかなミッドナイトブルーのシルクだった。
「今回のテーマは『氷の女王』よ。……旦那様の瞳の色と同じ、この青を使いましょう」
彼は私の体にその布をドレープのように巻き付け、鏡の前に立たせた。
鏡に映った自分を見て、私は息を呑んだ。
青い布は、私の白い肌を驚くほど引き立て、地味だと思っていた顔立ちを、凛としたものに変えて見せたのだ。
「ジークハルト様、いかがかしら?」
ソファで書類を見ていたジークハルト様が顔を上げる。
彼は私を見た瞬間、持っていた書類を取り落とし、口を半開きにして固まった。
「……あ……」
「あら、氷の公爵様ともあろうお方が、言葉を失うなんて。大成功ね」
ジークハルト様はゆっくりと立ち上がり、私のもとへ歩み寄ると、震える手で私の頬に触れた。
「……美しい。まだ布を当てただけだというのに、目が離せない」
「ジークハルト様……」
「本番が楽しみだ。……いや、正直に言えば、誰にも見せたくないくらいだ」
その熱っぽい視線に、私は顔が熱くなった。
けれど、今度は恥ずかしさで俯いたりはしない。
私は彼を見つめ返し、微笑んだ。
「当日は、一番近くで見ていてくださいね。……あなたのための装いですから」
こうして、私の「変身プロジェクト」は幕を開けた。
デザインが決まると、今度は採寸、肌磨き、そして歩き方の特訓。
リカルドさんの指導は厳しかったけれど、その全てが私への、そしてジークハルト様への敬意に満ちていた。
夜会まであと三日。
鏡の中の私が、少しずつ、けれど確実に、「公爵夫人」の顔へと変わっていく。
その先にある「再会」の時を、静かに待ちながら。
4
あなたにおすすめの小説
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
表紙絵は猫絵師さんより(。・ω・。)ノ♡
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。
婚約者の姉を婚約者にしろと言われたので独立します!
ユウ
恋愛
辺境伯爵次男のユーリには婚約者がいた。
侯爵令嬢の次女アイリスは才女と謡われる努力家で可愛い幼馴染であり、幼少の頃に婚約する事が決まっていた。
そんなある日、長女の婚約話が破談となり、そこで婚約者の入れ替えを命じられてしまうのだったが、婚約お披露目の場で姉との婚約破棄宣言をして、実家からも勘当され国外追放の身となる。
「国外追放となってもアイリス以外は要りません」
国王両陛下がいる中で堂々と婚約破棄宣言をして、アイリスを抱き寄せる。
両家から勘当された二人はそのまま国外追放となりながらも二人は真実の愛を貫き駆け落ちした二人だったが、その背後には意外な人物がいた
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる