47 / 201
これより洗礼の儀を執り行う
6、アンケートにご協力ください。時間はいっぱい取らせます。
しおりを挟む
「響季、今日何貰ったの?」
「あたしはねー、フリース手袋とモコモコ靴下。パスタソースと迷ったんだけど、自転車乗る時手ぇ寒いし、柄が可愛かったから。れいちゃんは?……何その小さな小瓶達。アヤシイお薬?」
「初摘み珈琲。その年の最初に収穫して作られし、大変貴重な品にござります」
「へえー。ボジョレーヌーボーみたいなやつ?」
「でもメーカーから回ってきた在庫処分品だって職員さんが言ってた。初摘だけど古いやつ。だから多めに貰えた」
「へえ…」
「ちょっと前だと紅茶の茶葉とか貰えたみたい。缶のやつ」
「うっそ!!」
「採血の時看護師さん達話してた。でもすぐ無くなったって」
「うわあ、欲しかったああ」
各々の本日の戦利品について、響季と零児が献結ルームの休憩スペースでやいのやいの言っていると、
「ひびきちゃん達、暇?だったらこれ書いてくれないかな」
そう職員さんが話しかけてきた。
「ひまじゃない」
「何ですか?」
カウンターパンチで突っぱねる零児に苦笑いしながら、職員さんはその隣に座っている響季にアンケート用紙を挟んだバインダーを渡す。
渡されたのは《献結での新しい謝礼案》というアンケートだった。
「へえ。謝礼変えるんでぅあ」
突っぱねたはずの零児が響季の背中にのしかかり、後ろから覗き込でくる。
仲のいい友人同士を見て、職員さんがくすりと笑った。
「ほあー、こんなにあるんだ」
響気がアンケートに書かれた今まであった謝礼の一例を見ていく。
カップラーメン、レトルトカレー、ハンドタオル、ミニ扇風機、トラベル用化粧水、乳液、入浴剤。
ハンバーガー無料券やコーヒー無料券などチケット系もあった。
「うん。まあ時期もあるんだけど、献結する人少なくなってるからねえ」
そう言って少し困ったように職員さんが献結ルームを見回す。
ルームにいるのは献結後でも学童保育のようにダラダラ残っている子達だけだ。
暇潰しの場か、行き場が無いかで。
本来なら入れ替わり立ち代わり、利用者が出入りして新鮮なTB成分を生成しなくてはならないのに。
十代の血液中でしか生成されない特殊な成分、TB成分。
この成分が多い十代は血気盛んな若者になるが、同時に思春期特有の、厨二病的な病を発症する可能性が高いと言われていた。
献結減少の理由の一つに《TB生成者の資格あり》と言われても、それを気にしない子供が増えたこともある。
厨二病でも構わないと、モラトリアムを抱いたまま大人になっても構わないと。
社会がそれを良しとしてしまったところもあるが。
響季もつい先日の献結で血液が正常値に戻っていると言われたものの、今回測定したらそれが戻っていた。
一度は大人になったようだが、深夜の声優ラジオの最終回にメールを送り、その放送をリアルタイムで、深夜の公園で友達と一緒に聴くなんて馬鹿げた青春ごっこをしたため、また血が青臭くなってしまったらしい。
ホッとしたようなガッカリしたような気持ちで、響季はこうしてまた献結ルームに通う日々が再開したのだが。
「チョコレートは?これからだったら冬季限定の」
響季が歴代謝礼の中に載ってないもので提案してみる。
「うーん、どうだろ。季節ものはねぇ。当たりならいっぱい来てくれるけど、結構みんないらなくてそれが余った時にねぇ」
職員さんの反応はあまり芳しくない。
確かに謝礼なのだから、シーズンを過ぎてからスーパーのワゴンセールのようには出来ない。
夏前に冬季限定チョコを詰め合わせにして謝礼の選択肢に加えるのもなんだか違う。
「地元農家と提携して、イチゴとか野菜貰うとかは?そういう運動と絡めて」
「地産地消?」
「そうっ。それそれ」
響季の提案に、零児がわかりやすい四字熟語で補足してくれる。
「ふむ、なるほど。それなら家に持って帰っても喜んでもらえるかな。アピールもしやすいし」
顎に拳を当て、職員さんが貴重な意見からシュミレートする。
「なんかの回数券とか。あっ、図書カードとかクオカードは?」
「ああ、金券に近いものは一応NGなの。換金出来ちゃうから。本家の献血の方もそれでNGになったんだけど、こっちの方は学生が多いからね。お小遣い稼ぎにするかもって。あくまで善意で、世代を越えて協力するっていうのが名目だから」
響季の意見に、今度は一転して職員さんがごめんねとこちらの意見には小さくバツを作るが、
「あれ?でも前に貰った映画のチケットは?あれも換金しようと思えば出来るんじゃ」
「うん。だからー、一応ね」
更なる追求にも誤魔化して言う。なんだか大っぴらには言えない抜け道があるらしい。
「うーん、難しいなあ」
「ネットでも呼び掛けてるんだけどね」
意見が通りにくいアンケートに響季が頭を悩ます。
「そういえばこれって採用されるとなんか貰えるんですか?」
そして今更ながら職員さんに訊いてみる。
出来ればお得にあやかりたい、というのが響季の信念だ。
それゆえ何も貰えないなら無理に頭を動かしたくないが、
「特にこれといっては…」
「ルームでなんか特別に出してあげるわよ。いいのがあればね」
「おおお、赤峰さん!」
またしてもいつの間に居たのか、このルームのヘッド職員というべき赤峰さんが通りかかり、そんな言葉をかけてくれた。
今日も人工的に染めたようなマットブラックな髪と、攻め攻めメイクがよく似合っている。
見た目は存在感があるのに、なぜかこの姐さんは気づくと響季達の傍にいた。
「赤峰さん、そういうのは」
若手職員さんが姐さん職員に苦言を呈すると、
「んー、じゃあアタシが個人的になんか、いいものあげるわよ。それならいいでしょ?」
と、姐さんは太っ腹な提案をした。
「ホントですか?やった!」
特別手当に響季が諸手を上げて喜ぶ。
その反応を見て赤峰さんはフッと笑い、業務に戻っていった。
公式より個人的な《いいもの》が贈られるとあれば、予測がつかない分、逆に期待が出来る。
響季は俄然張り切ってしまうが、
「…あ」
だがそれより大事なことに気付いた。
利用者が少なくなれば、そこに関わる職員さん達も削減されるかもしれない。
それはおそらくこのルームも該当する。
ここにいるのは全員響季が零児を口説き落とす時にたくさん協力してくれた人達だ。
「えっと、じゃあ」
だとしたら客を呼びこむ策として謝礼改善案には協力しなくてはと、気合を入れつつ響季がペンを握り直すが、
「全部消えもの系でいい」
張り付いていた背中からずるずると降りた零児が興味無さそうに言う。
「消えものって?」
「食べ物よ。消耗品も含まれるけど、一般的には食べてなくなっちゃうもの。確か舞台とか、映画の撮影用語じゃなかったかしら」
響季の質問に、若手職員さんが解説してくれた。
「へえーっ」
相変わらず難しい言葉を知っている我が友人に、響季が尊敬の眼差しを向ける。
だが向けられた当人は慣れない視線を受け、頬が赤くなっていた。
「ああ、でもほらっ、食べ物とかは保存が利くやつならね。カレーとかラーメンとかは今まであった訳だし」
それを、職員さんが助けるように一案を出す。
「缶詰めとかは?」
「うーん、出来れば重くない方がいいんだけど。途中で捨てられても困るし」
保存が利くという点で響季が提案するが、かつての事例から職員さんが難しい顔をする。
「捨てられるとかあるんですか?」
「お米1キロとか。休憩スペースにわざと置いてったり」
「ええー!?勿体無い!でも缶詰めってそんなに重くないよね?」
響季の問いに零児が頷く。
「でも缶詰めって、ミカンとかパイナップルとかでしょ?」
言って職員さんが両手で大きさを示す。示したそのサイズは内容量含め500グラムはあるが、
「ああ、フルーツ系か。すいません、鯖缶をイメージしてましたわ、あたし」
響季がこちらは拳ぐらいの大きさの、バッグに入れてしまえばまあそんなには重さも大きさも気にならない缶詰を手で表す。
「ちょっと、女の子が鯖缶って」
女子高生の渋い好みに職員さんが笑う。
どうやら貰って嬉しい缶詰と聴いて思い違いがあったらしい。
しかし二人の会話を聴き、零児が固まっていた。
「でもお父さんのおつまみとかに持って返ってもらったら喜ばれるのかなあ。ああ、れーじちゃんは」
こちらの意見も聴こうと職員さんが振ると、零児はフルーツ缶サイズでも鯖缶サイズでもない、もっと小さいサイズを手で示す。
「ツナ缶とか?んー、使い勝手いいわよね。それだとお母さんに喜ばれるかも」
うん、それもいいと職員さんが言うが零児の目が泳ぐ。どうやら違うらしい。
「あ、もしかしてコンビーフ?あれもいいのだと買えば結構するからいいかな」
違うらしいというのを汲んで職員さんが言うが、これもハズレらしい。
零児は押し黙ったままだ。
「れいちゃん、何の缶詰め欲しいの?」
その姿を見て、響季が言ってみそ、と言うと、
「…やきとりのやつ」
零児がもにょもにょとした口調で言った。
「…それは、タレですか?それとも塩ですか!?」
「し、ぉ…」
響季が言及すると、焼き鳥缶をご所望する少女は消え入りそうな、更にもにょもにょした口調で言った。
「……ふ。ぅふふっ」
一瞬ぽかんとした後、鯖缶より更に渋い趣味に職員さんが笑いを堪える。
「美味しいよね、塩」
響季は真顔で、至極真っ当な感想を述べた。
その顔の裏では、缶詰より此奴を食べたいと思っていた。
「あたしはねー、フリース手袋とモコモコ靴下。パスタソースと迷ったんだけど、自転車乗る時手ぇ寒いし、柄が可愛かったから。れいちゃんは?……何その小さな小瓶達。アヤシイお薬?」
「初摘み珈琲。その年の最初に収穫して作られし、大変貴重な品にござります」
「へえー。ボジョレーヌーボーみたいなやつ?」
「でもメーカーから回ってきた在庫処分品だって職員さんが言ってた。初摘だけど古いやつ。だから多めに貰えた」
「へえ…」
「ちょっと前だと紅茶の茶葉とか貰えたみたい。缶のやつ」
「うっそ!!」
「採血の時看護師さん達話してた。でもすぐ無くなったって」
「うわあ、欲しかったああ」
各々の本日の戦利品について、響季と零児が献結ルームの休憩スペースでやいのやいの言っていると、
「ひびきちゃん達、暇?だったらこれ書いてくれないかな」
そう職員さんが話しかけてきた。
「ひまじゃない」
「何ですか?」
カウンターパンチで突っぱねる零児に苦笑いしながら、職員さんはその隣に座っている響季にアンケート用紙を挟んだバインダーを渡す。
渡されたのは《献結での新しい謝礼案》というアンケートだった。
「へえ。謝礼変えるんでぅあ」
突っぱねたはずの零児が響季の背中にのしかかり、後ろから覗き込でくる。
仲のいい友人同士を見て、職員さんがくすりと笑った。
「ほあー、こんなにあるんだ」
響気がアンケートに書かれた今まであった謝礼の一例を見ていく。
カップラーメン、レトルトカレー、ハンドタオル、ミニ扇風機、トラベル用化粧水、乳液、入浴剤。
ハンバーガー無料券やコーヒー無料券などチケット系もあった。
「うん。まあ時期もあるんだけど、献結する人少なくなってるからねえ」
そう言って少し困ったように職員さんが献結ルームを見回す。
ルームにいるのは献結後でも学童保育のようにダラダラ残っている子達だけだ。
暇潰しの場か、行き場が無いかで。
本来なら入れ替わり立ち代わり、利用者が出入りして新鮮なTB成分を生成しなくてはならないのに。
十代の血液中でしか生成されない特殊な成分、TB成分。
この成分が多い十代は血気盛んな若者になるが、同時に思春期特有の、厨二病的な病を発症する可能性が高いと言われていた。
献結減少の理由の一つに《TB生成者の資格あり》と言われても、それを気にしない子供が増えたこともある。
厨二病でも構わないと、モラトリアムを抱いたまま大人になっても構わないと。
社会がそれを良しとしてしまったところもあるが。
響季もつい先日の献結で血液が正常値に戻っていると言われたものの、今回測定したらそれが戻っていた。
一度は大人になったようだが、深夜の声優ラジオの最終回にメールを送り、その放送をリアルタイムで、深夜の公園で友達と一緒に聴くなんて馬鹿げた青春ごっこをしたため、また血が青臭くなってしまったらしい。
ホッとしたようなガッカリしたような気持ちで、響季はこうしてまた献結ルームに通う日々が再開したのだが。
「チョコレートは?これからだったら冬季限定の」
響季が歴代謝礼の中に載ってないもので提案してみる。
「うーん、どうだろ。季節ものはねぇ。当たりならいっぱい来てくれるけど、結構みんないらなくてそれが余った時にねぇ」
職員さんの反応はあまり芳しくない。
確かに謝礼なのだから、シーズンを過ぎてからスーパーのワゴンセールのようには出来ない。
夏前に冬季限定チョコを詰め合わせにして謝礼の選択肢に加えるのもなんだか違う。
「地元農家と提携して、イチゴとか野菜貰うとかは?そういう運動と絡めて」
「地産地消?」
「そうっ。それそれ」
響季の提案に、零児がわかりやすい四字熟語で補足してくれる。
「ふむ、なるほど。それなら家に持って帰っても喜んでもらえるかな。アピールもしやすいし」
顎に拳を当て、職員さんが貴重な意見からシュミレートする。
「なんかの回数券とか。あっ、図書カードとかクオカードは?」
「ああ、金券に近いものは一応NGなの。換金出来ちゃうから。本家の献血の方もそれでNGになったんだけど、こっちの方は学生が多いからね。お小遣い稼ぎにするかもって。あくまで善意で、世代を越えて協力するっていうのが名目だから」
響季の意見に、今度は一転して職員さんがごめんねとこちらの意見には小さくバツを作るが、
「あれ?でも前に貰った映画のチケットは?あれも換金しようと思えば出来るんじゃ」
「うん。だからー、一応ね」
更なる追求にも誤魔化して言う。なんだか大っぴらには言えない抜け道があるらしい。
「うーん、難しいなあ」
「ネットでも呼び掛けてるんだけどね」
意見が通りにくいアンケートに響季が頭を悩ます。
「そういえばこれって採用されるとなんか貰えるんですか?」
そして今更ながら職員さんに訊いてみる。
出来ればお得にあやかりたい、というのが響季の信念だ。
それゆえ何も貰えないなら無理に頭を動かしたくないが、
「特にこれといっては…」
「ルームでなんか特別に出してあげるわよ。いいのがあればね」
「おおお、赤峰さん!」
またしてもいつの間に居たのか、このルームのヘッド職員というべき赤峰さんが通りかかり、そんな言葉をかけてくれた。
今日も人工的に染めたようなマットブラックな髪と、攻め攻めメイクがよく似合っている。
見た目は存在感があるのに、なぜかこの姐さんは気づくと響季達の傍にいた。
「赤峰さん、そういうのは」
若手職員さんが姐さん職員に苦言を呈すると、
「んー、じゃあアタシが個人的になんか、いいものあげるわよ。それならいいでしょ?」
と、姐さんは太っ腹な提案をした。
「ホントですか?やった!」
特別手当に響季が諸手を上げて喜ぶ。
その反応を見て赤峰さんはフッと笑い、業務に戻っていった。
公式より個人的な《いいもの》が贈られるとあれば、予測がつかない分、逆に期待が出来る。
響季は俄然張り切ってしまうが、
「…あ」
だがそれより大事なことに気付いた。
利用者が少なくなれば、そこに関わる職員さん達も削減されるかもしれない。
それはおそらくこのルームも該当する。
ここにいるのは全員響季が零児を口説き落とす時にたくさん協力してくれた人達だ。
「えっと、じゃあ」
だとしたら客を呼びこむ策として謝礼改善案には協力しなくてはと、気合を入れつつ響季がペンを握り直すが、
「全部消えもの系でいい」
張り付いていた背中からずるずると降りた零児が興味無さそうに言う。
「消えものって?」
「食べ物よ。消耗品も含まれるけど、一般的には食べてなくなっちゃうもの。確か舞台とか、映画の撮影用語じゃなかったかしら」
響季の質問に、若手職員さんが解説してくれた。
「へえーっ」
相変わらず難しい言葉を知っている我が友人に、響季が尊敬の眼差しを向ける。
だが向けられた当人は慣れない視線を受け、頬が赤くなっていた。
「ああ、でもほらっ、食べ物とかは保存が利くやつならね。カレーとかラーメンとかは今まであった訳だし」
それを、職員さんが助けるように一案を出す。
「缶詰めとかは?」
「うーん、出来れば重くない方がいいんだけど。途中で捨てられても困るし」
保存が利くという点で響季が提案するが、かつての事例から職員さんが難しい顔をする。
「捨てられるとかあるんですか?」
「お米1キロとか。休憩スペースにわざと置いてったり」
「ええー!?勿体無い!でも缶詰めってそんなに重くないよね?」
響季の問いに零児が頷く。
「でも缶詰めって、ミカンとかパイナップルとかでしょ?」
言って職員さんが両手で大きさを示す。示したそのサイズは内容量含め500グラムはあるが、
「ああ、フルーツ系か。すいません、鯖缶をイメージしてましたわ、あたし」
響季がこちらは拳ぐらいの大きさの、バッグに入れてしまえばまあそんなには重さも大きさも気にならない缶詰を手で表す。
「ちょっと、女の子が鯖缶って」
女子高生の渋い好みに職員さんが笑う。
どうやら貰って嬉しい缶詰と聴いて思い違いがあったらしい。
しかし二人の会話を聴き、零児が固まっていた。
「でもお父さんのおつまみとかに持って返ってもらったら喜ばれるのかなあ。ああ、れーじちゃんは」
こちらの意見も聴こうと職員さんが振ると、零児はフルーツ缶サイズでも鯖缶サイズでもない、もっと小さいサイズを手で示す。
「ツナ缶とか?んー、使い勝手いいわよね。それだとお母さんに喜ばれるかも」
うん、それもいいと職員さんが言うが零児の目が泳ぐ。どうやら違うらしい。
「あ、もしかしてコンビーフ?あれもいいのだと買えば結構するからいいかな」
違うらしいというのを汲んで職員さんが言うが、これもハズレらしい。
零児は押し黙ったままだ。
「れいちゃん、何の缶詰め欲しいの?」
その姿を見て、響季が言ってみそ、と言うと、
「…やきとりのやつ」
零児がもにょもにょとした口調で言った。
「…それは、タレですか?それとも塩ですか!?」
「し、ぉ…」
響季が言及すると、焼き鳥缶をご所望する少女は消え入りそうな、更にもにょもにょした口調で言った。
「……ふ。ぅふふっ」
一瞬ぽかんとした後、鯖缶より更に渋い趣味に職員さんが笑いを堪える。
「美味しいよね、塩」
響季は真顔で、至極真っ当な感想を述べた。
その顔の裏では、缶詰より此奴を食べたいと思っていた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる