昭和90年代のストリップ劇場は、2000年代アニソンかかりまくり。

坪庭 芝特訓

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第三回公演

25、そろそろ飽きてきた。

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「叔父さん来たよー」
「ああ、蘭」
「どーも」
「ああ、どーも。ええと、お友達?」
「はい」
「美人さんだね」
「よく言われます」

 その日も嵐士は叔父さんのお見舞いへと来た。今日は詩帆と共にだ。
 モデルのようなすらりとした体躯と、その身に纏ったオーラ。
 加えてしじみ目を守るメイクと更にそれを覆う女優グラサン。
 挨拶をする直前ゆっくりとそれを外すと、さすがの叔父さんも今日のお友達には目がいった。
 
 必要なものの差し入れと、自宅に持って帰るものの引取り。
 それらをこなし、お決まりのお駄賃を貰った後。

「んふん。アンタぁ、二人でお出かけなんて久しぶりやね」

 詩帆が関西訛りの有声音で、自分より背の低い嵐士の腕に自分の腕を絡ませる。
 今日の二人の設定は背の低い男前と、それにベタ惚れの情婦だ。
 嵐士はスクエアグラサンを掛け、強そうに見せるため下品にならない程度のオラオラ系服を着ていた。
 詩帆も女優グラサンなため、二人並ぶとそれなりに周囲と客引きを威嚇できた。

「ねえアンタ」
「なんだい?シホミ」

 詩帆が自分より背の低い嵐士にしなだれかかるようにして、まだ明るい繁華街を歩く。

「……………………………。」

 だが情婦なんてなったことがないので会話が続かない。

「新しいバッグ買ってぇ~ん。あとワンちゃん、あとクルマ」
「おいおい、シホミはワガママさんだなあ。こいつぅ」
「いやぁ~ん。アンアン」
 
 それでもなんとなくで情婦を演じてみる。
 そうこうしているうちにストリップ劇場 モダンシアター 川平演芸場 に着いた。


 へっ、ストリップ?大したことねえんだろうがちょっくら見てやろうか、そうやねアンタという小芝居を交えつつ、二人は受付で支払いを済ませる。
 遥心達の話を聞いてるうちにまた自分も行きたくなったので、詩帆のちょっくら見たいは小芝居ではないが。


 ドアを開けると蝉の鳴き声のSEと、ひび割れたような音質でラジオ体操の曲が流れてきた。
 レモンイエローのキャミソールに、白のホットパンツという姿で踊り子さんが登場する。

「しほちゃん」
「うん」

 それを見つつ、二人は空いていた場内後方の席に座った。
 踊り子さんは髪をツートップで結い、幼さを演出していた。元が幼く見える顔立ちなので中学生くらいに見える。
 大きく膨らんだビニール製のショップ袋から、すでに空気が入ったビーチボール出す。それをうつ伏せになった胸の下に入れる。
 日記帳と色鉛筆を取り出し、寝そべりながら何かを書き込んでいく
 どうやらプールから帰った夏休みの子供を演じているようだ。
 時期外れも甚だしい。

 中学生に見えたが、演じているのはどうやら小学生らしい。
 書き上げると満足そうに眺め、ショップ袋にしまう。
 そして、おや、という表情でショップ袋から何かを見つけ取り出す。
 出てきたのは大判サイズのコミック。
 踊り子さんが寝転がってそれを読みだした。
 嵐士が目を細めて見ると、表紙には卑猥なポーズでダブルピースをしている女の子の絵。
 タイトルはよく見えないが、てろりとした淫靡な字体で書かれていた。
 それだけで内容はなんとなくわかる。
 最初は普通に読んでいたが、それが段々足を伸ばしたり膝を立てたり。
 膝を擦り合わせ、段々とムラムラしてくる様を見せる。
 性の目覚め、大人への階段、イケナイ遊び。
 遊び疲れて少し眠い、気だるい夏休みの午後。
 踊り子さんの動きに合わせて照明がピンク色に変わり、曲も怪しい音楽に変わっていく。

「うまいなぁ」

 嵐士が小さく呟く。
 踊り子さんがショップ袋からバスタオルを広げる。
 濡れないように、濡らさないようにだろうか。
 これから始めるであろう行為に、小学生にしては早くないだろうかと詩帆が眉を顰める。
 しかし自分も確かそれぐらいから秘密の手遊びをし始めていたことを思い出した。
 大人達が小学生がしているところを取り囲むように見ている、覗き見ている。
 それに自分も参加している。
 詩帆の全身がいけないことをしている感に苛まれる。
 しかし嫌じゃない。
 ショートパンツを脱ぎ、うつぶせになった踊り子さんが生殖器を指でまさぐり始めた。
 腰を動かし舞台に頬をつけ、苦しそうに喘ぐのを、二人は息を詰めて見ていた。


「かかんなかったね」
「うん」

 ショーが終わり場内が明るくなると、少し残念そうに二人が言う。
 今のステージでアニソンは使われなかった。
 それ目当てで見に来ている二人にはがっかりだ。
 事前にチェックして来たが、この劇場はやる気のない旧時代デザインのサイトはあったものの、出し物の予告等はなかった。
 運悪く踊り子さん達のSNSもそれ自体をやってないか、どんな出し物をやるか等は書いていなかった。
 全員来てのお楽しみ派らしい。
 エロマンガが小道具として出てた時に、おっ、これは、とは思ったのだが。

「撮影多いね」
「ね」

 ステージの内容についても特に二人は話さなかった。
 世の女性がその話題を避けるように、巧みにその話題には触れない。

 そうこうしているうちにすぐ次のショーとなった。



 
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