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昭和90年代のストリップ劇場は2010年代アニソンかかりまくり
11、次の城は潰されていた
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「次どこ行こっか」
「そデスネー」
留守を預かる遥心宅のソファにて。
詩帆がそこにどでんと寝っ転がり、シャオちゃんはソファとテーブルの間に挟まれるようにしてタブレットPCで次に向かう劇場を検討してくれていた。
寝っ転がりながら二つ押されたスタンプラリーの台紙を詩帆が広げる。
せっかくなら勢いがついている内に廻ってしまいたい。
「そういえばハルちゃんと最初に行ったとこは提携してないのかな」
詩帆にとっては懐かしい思い出の劇場だ。
「調べてみますネ」
都会の方にあって確か、とあげた劇場の名前をシャオちゃんがネットで調べてくれるが、
「あれ?無いデスネ」
「えっ?無くなっちゃった!?」
「アー…。結構前に閉めちゃってマスって」
更に調べてくれた情報を言う。
「そうなんだあ…」
なんだか物悲しいことになっていた。そういう時代だからしょうがないが。
「じゃあ、ええっと」
その次に行った劇場の名を言うと、また調べてみますネしてくれたが、
「んー…、アッ」
シャオちゃんがあげた声に、もしやと嫌な予感がした。
「ちょっと前にエーギョーテイシってなってマス」
サイトはあったがそこのトップページにその旨が書かれている。
「潰れたの?」
「営業停止だと違うジャないデスカ?」
完全閉店か一時閉店かわからない。
「あ、デモ」
「なに?」
「もうちょい近くに別のあるデスヨ?」
先回りして調べてみまシタなシャオちゃんが画面を顎で指し、詩帆が覗き込む。
「♪ンンーン」
「ちょちょちょ、くすぐったい」
肩越しに覗き込んでくる詩帆にシャオちゃんが頬擦りしてくる。
何の事はない友達同士のスキンシップなのだが、妙な人懐っこさが可愛く気をつけないとキュンキュンしてしまう。
左薬指に嵌めた指輪がそのキュンキュンを抑える。
「コッチはやめてたの復活したみたいデス」
「そうなの?」
停止処分でも復活することもあるらしいが、
「アッ」
シャオちゃんが声をあげ、嬉しそうに画面を指差す。
「『スタンプ預かってます』ッテ」
営業停止処分になった劇場もスタンプラリー企画に参加していたらしいが、復活した劇場にスタンプを預かってもらい、そこで二つ分押せるらしい。
スタンプラリーという企画としてはダメなやり方かもしれないが、緊急措置としてそうしたのか。
ライバルではなく、持ちつ持たれつな関係性。
世間から追いやられている文化だからこそか。
詩帆の胸の当たりになんだかジワジワした温かいものが流れてくる。
「コッチ行ってみますカ?」
「そうだね」
シャオちゃんの問いに、ここにしようと詩帆も同意する。
「そデスネー」
留守を預かる遥心宅のソファにて。
詩帆がそこにどでんと寝っ転がり、シャオちゃんはソファとテーブルの間に挟まれるようにしてタブレットPCで次に向かう劇場を検討してくれていた。
寝っ転がりながら二つ押されたスタンプラリーの台紙を詩帆が広げる。
せっかくなら勢いがついている内に廻ってしまいたい。
「そういえばハルちゃんと最初に行ったとこは提携してないのかな」
詩帆にとっては懐かしい思い出の劇場だ。
「調べてみますネ」
都会の方にあって確か、とあげた劇場の名前をシャオちゃんがネットで調べてくれるが、
「あれ?無いデスネ」
「えっ?無くなっちゃった!?」
「アー…。結構前に閉めちゃってマスって」
更に調べてくれた情報を言う。
「そうなんだあ…」
なんだか物悲しいことになっていた。そういう時代だからしょうがないが。
「じゃあ、ええっと」
その次に行った劇場の名を言うと、また調べてみますネしてくれたが、
「んー…、アッ」
シャオちゃんがあげた声に、もしやと嫌な予感がした。
「ちょっと前にエーギョーテイシってなってマス」
サイトはあったがそこのトップページにその旨が書かれている。
「潰れたの?」
「営業停止だと違うジャないデスカ?」
完全閉店か一時閉店かわからない。
「あ、デモ」
「なに?」
「もうちょい近くに別のあるデスヨ?」
先回りして調べてみまシタなシャオちゃんが画面を顎で指し、詩帆が覗き込む。
「♪ンンーン」
「ちょちょちょ、くすぐったい」
肩越しに覗き込んでくる詩帆にシャオちゃんが頬擦りしてくる。
何の事はない友達同士のスキンシップなのだが、妙な人懐っこさが可愛く気をつけないとキュンキュンしてしまう。
左薬指に嵌めた指輪がそのキュンキュンを抑える。
「コッチはやめてたの復活したみたいデス」
「そうなの?」
停止処分でも復活することもあるらしいが、
「アッ」
シャオちゃんが声をあげ、嬉しそうに画面を指差す。
「『スタンプ預かってます』ッテ」
営業停止処分になった劇場もスタンプラリー企画に参加していたらしいが、復活した劇場にスタンプを預かってもらい、そこで二つ分押せるらしい。
スタンプラリーという企画としてはダメなやり方かもしれないが、緊急措置としてそうしたのか。
ライバルではなく、持ちつ持たれつな関係性。
世間から追いやられている文化だからこそか。
詩帆の胸の当たりになんだかジワジワした温かいものが流れてくる。
「コッチ行ってみますカ?」
「そうだね」
シャオちゃんの問いに、ここにしようと詩帆も同意する。
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