引きこもりだけど戦国武将になりました。

犯人を問い詰めろ

「伊勢谷公。君はどう思う？」
「はい......彼を牢獄に入れ、使える時に使う......それが得策かと」
「なるほどな。だが、気づかれたら？ 脱獄されたら？」
「彼は逃げませんよ。ここで逃げるようなら......」
「なるほど。面白い。我々武士にとって裏切りという行為が以下に下衆か。そのうえで、裏切った主に生かされる。これ以上とないほどの雪辱だな」

 そうだ......わからなくていい。知らなくていい。彼は、信長さんは。
 ここで彼を生かすのはーー今後彼が切り札になった時に自由に使えるようにだ。
 投獄された彼は、きっと雪辱を感じるだろう。脱獄を考えるだろう。だがーー脱獄を許すはずがない。誰が？ 信長さんが？ いやーー違うな。彼自身がだ。脱獄するくらいなら、自害するだろう。それほどの男のはずだ、明智光秀はーー

「さて......どうしますか、信長さん」
「ん？」
「僕の処分ですよ」
「ああ。そうだったな......お前には、今考えている町興しを任せたい。それが処分だ」
「えっと......はい？」
「お前の技量を見込んでの頼みだ。気分を悪くしてしまったかな？」
「い、いえ！ そんなことは！」

 信長さんは僕を見込んで町興しを預けたい、そう言っている。
 この話に乗るかどうかーー僕も悩まねば。