昴の輝く空の下で

ジャンマル

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九節/ソフィ・アラモード

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 なんとか二人を探し出すと安心したのか一気に息を荒らげる。つかれるくらい走り回っていたからきっとその影響だろう。それにしても……風紀委員長がこんな感じで平気なのだろうか。

「二人とも探したんですよ」
「いや、悪い悪い。冴城ちゃん」
「駿斗、お前どうしたんだ?」
「いやどうもしてない」

 そんな感じの会話をひたすら続けるがどうにも隠し事があるような気がしてならない。やっぱり付き合ってるんだろうか?

「付き合ってはないよ。もちろん」
「じゃあ一体何を?」
「いやそれは……」
「転校生……が来るんだよね」
「転校生……?」

 転校生が来るのに何故コソコソしてるんだろうか……

「いや、その転校生さ……あたしの知り合いなんだよね」
「え? そうなの?」
「昔馴染みって言うの? で、実はこいつも面識あるって言うからさ。二人で相談してたんだよね」

 それは知らない事実だった。意外なところで二人の絡みがあったんだなぁと。でもやけに神経質になっている気もするけど……

「ソフィ・アラモードって名前の子なんだけどさ」
「その子がどうしたの?」
「留学先で……事故にあったみたいなの」
「え?」

 聞いてはいけないことを聞いた気もする。

「事故の後遺症で記憶喪失になって。そのせいで日本に戻ってきたって」

 大丈夫なのだろうか? それほどまで深刻な……だけど同じクラスに転入してくると聞いたふたりはどうにかして仲良く出来るのか相談していたと言う。

「水臭いなぁ、二人とも」
「まあ、深刻な悩みですよ……」

 話してくれれば相談に乗ったのに。言うとふたりはまあそうだよな。というように返した。
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